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妻が夫の趣味にいい顔をできない理由

まずは妻が夫の趣味に対して否定的な態度をとらざるを得ない、いくつかの理由を見ていきましょう。
♦︎お金がかかっているから
夫が趣味に多額のお金を使っていると、妻は「生活費を圧迫しているのでは?」と不安になりがち。夫婦別会計を取り入れている家計であっても「貯蓄に回るお金がなくなるのでは?」「将来のために資産形成できないのでは?」などの不安がつきまといます。
夫なりに予算内で趣味を楽しんでいたとしても、高額な道具やアイテムを頻繁に買っている様子を見て「そんなにお金をかける必要ある?」と感じる妻も多いものです。
♦︎家族の時間が減っているから
夫が趣味に没頭しすぎると、妻や子どもと過ごす時間が削られます。
妻としては休日を家族のために使ってほしいのに、趣味にばかり時間を取られるている夫を見ると不満に思いがち。
家族との時間を確保せずに自分の趣味にばかり興味を示している夫がいると、そのせいでワンオペ育児を強いられていると感じる妻も少なくありません。
♦︎妻が理解できない趣味をもっているから
妻から見て「何がそんなに楽しいの?」と思ってしまう趣味だと、夫が趣味に時間やお金をかけることにまったく共感できず、むしろ嫌悪感が募りがちに。
趣味の話を楽しそうにする夫にも、妻は冷ややかな目を向けるようになります。夫から「一緒にやってみない?」と誘われても、興味がもてない分野なために断り続ける妻が多いでしょう。
♦︎後回しにされていると感じるから
夫が趣味に夢中になるほど、妻は自分が後回しにされているような気分になってしまう場合も。
家事や育児に対しても「私はこんなに頑張っているのに、夫は何もわかっていない!」などと不満を抱くきっかけにもなりやすいのです。
夫なりに自分の趣味と家族の時間を両立しているつもりでいても、妻から見ると不十分であると感じているケースも少なくありません。
妻が夫の趣味を理解するためのポイント3つ

妻が夫の趣味を理解できれば、家庭内での反発を防ぎやすくなります。
夫の趣味を妻が理解するにあたって、夫婦で気をつけたいポイントを解説していきましょう。
♦︎趣味に関するルールを定める
趣味に費やすお金や時間について、夫婦間で話し合ったうえでルールを設ければ「そのルール内であれば、仕方ない」と妻も一定の理解を示しやすくなるでしょう。
たとえば、お金については「趣味に使うお金は月に〇〇円まで(または年間で○○円まで)」と決めたり、時間については「趣味の外出は週に1回だけ」 「妻からの申し出があったら、趣味よりも家族との時間を優先する」などと定めたりできれば、お互いの妥協点を探りやすくなります。
♦︎ストレス発散だと思って割り切る
夫婦であっても相手の自由や要望を全て奪うようなことがあれば、結婚生活は窮屈なものになるだけでなく、ストレスが増えてしまいます。
そこで、前提として「ストレス発散のためにはそれぞれが好きなことをして、その時間は自由に使っていい」といった決め事をするのも方法です。
夫にとって趣味の時間が大事なストレス解消につながっているのであれば、妻は夫が趣味をしている時間はストレスを発散する時間だと捉えて理解を示しやすくなるでしょう。また妻もストレス発散のために自分の好きなことにお金や時間を費やせるようにすれば、公平感が保たれます。
♦︎趣味に時間やお金を費やしたら感謝を示す
自分の趣味に時間やお金を費やすのを当然だと思わずに、夫婦それぞれがパートナーに対して「ありがとう」の気持ちを忘れないことも大切です。
出かけたあとには「今日は趣味の時間を作らせてくれて、ありがとう」のひと言があるだけでも、家庭内は平穏になるもの。また趣味にまつわる多額の出費をしたあとには「好きなことにお金を使わせてくれて、ありがとう」を忘れずに。
「自分で稼いでいるお金を趣味に使うんだから、こっちの自由だ」と開き直ってしまうと、趣味がきっかけで夫婦間に亀裂が入りがちです。
どうしても理解できない夫の趣味への対処は?

金銭的に厳しい状況であるにもかかわらず夫が趣味をやめてくれない、子どもに対して特に手がかかる時期なのに夫が家庭の時間よりも趣味を優先してしまうといった深刻なケースでは、できる対処法も限られます。
夫の趣味への依存度が、日常的な話し合いで解決できるレベルを超えている場合の対処法を解説します。
♦︎不満を感じている理由を夫に手紙で伝える
夫の趣味に対して妻が不満を感じている理由を、手紙に書いて渡しましょう。
口頭やLINEといったカジュアルな伝え方ではなく手紙に書くという行為を通じて、妻が本気で不満を抱いていることも示しやすくなります。
「夫が思っているよりも事態は深刻で、これからの夫婦関係にも大きな影響があるほど深刻な事態だ」と夫に理解してもらうことが大切です。
♦︎絶対に譲れないポイントを決める
夫の趣味を完全に奪ってしまうと、夫の不満が溜まり夫婦仲が悪化するきっかけにもなりえます。そのため、妻がどうしても理解できない趣味を夫がもっているとしても、ある程度の妥協と歩み寄りは不可欠。
頭ごなしに「全てが無理! だめ!」とするのではなく、夫の趣味に対して“絶対に譲れないポイント”を決めて、それを冷静に伝えましょう。
「妻が絶対に譲れない部分を守る範囲内であれば、趣味を続けてもいい」といった決め方ができれば、双方に多少の不満は残りつつも、今よりも状況を改善できる可能性は低くありません。
♦︎家庭内での役割分担を見直す
夫だけが趣味に夢中になるだけの時間があるということは、それだけ夫側の家庭内での役割負担が軽い可能性も。このパターンでは「特にやることがないから、余った時間を趣味に使っている」と考えている夫も多いので、この機会に家庭内での役割分担を見直してみるのもいいでしょう。
妻側に負担が偏っている場合には妻は趣味に費やす時間がまったくなく、夫だけに自由な時間が多いといった不公平感が出ていますから、双方が家庭と趣味のバランスを保てる割合を探ってみてください。
趣味も大事だけれど夫婦関係のバランスはもっと大切
趣味はストレス発散やリラックス、リフレッシュなど、多くのメリットをもたらすもの。そのためどんな趣味であっても、本人にとっては大事なものであるといえます。
ただし結婚をすれば、独身時代のようにお金や時間を使えないのもまた事実です。趣味も大事だけれど夫婦関係のバランスを保つことのほうがもっと大切ですから、末長く良い家庭をキープしていくためにも夫婦で話し合いながら納得できる形を見つけていきましょう。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。