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2024.11.24

「しゃばい」の意味と使い方|ヤンキー文化発祥の言葉が再び注目される理由

「しゃばい」は、「イケてない」「しょぼい」という意味で使います。若者の日常会話ではよく耳にするこの言葉。相手を低く評価したり、皮肉を言う時に使う言葉なので、使い方には注意が必要。本記事では「しゃばい」の意味や由来、使い方について徹底解説していきます。

「それはしゃばいわ」などという表現を聞いたことはありますか? 若者言葉として知られる「しゃばい」ですが、実は由来をたどると、昭和時代に一度流行していた言葉なのです。昭和から現在までの「しゃばい」の文化について見ていきましょう。

「しゃばい」とは?|今どき若者言葉の意味

若者が使う「しゃばい」とは、どのような意味を指すのでしょうか。まずは意味や由来から確認していきましょう。

「しゃばい」の意味とは?

「しゃばい」は「イケてない」「しょぼい」というような意味。他にも「さえない」「根性がない」と表すこともできるでしょう。日常会話では、「先週のパーティーどうだった?」「あー結構しゃばかったんだよね」というように使います。パーティーがあまり盛り上がらず、つまらなかった様子が感じられますね。

福岡や大分では、方言として「しゃばい」が使われている地域もあるようです。方言では「か弱い、軟弱」という意味で使うのだとか。若者のスラングとして使われる「しゃばい」と比較的似ていますよね。ただ、若者の間では「弱い」よりも「つまらない」というニュアンスで使う方が多いでしょう。

「しゃばい」の由来

しゃばいの由来には、「娑婆(しゃば)」が関連していると言われています。娑婆(しゃば)は仏語で、煩悩や苦しみが多いこの世のこと。理想郷ではなく現実の世界のことを指しています。そこから転じて、刑務所内では外の一般社会のことを「娑婆(しゃば)」と呼ぶのだそう。

「しゃばい」が「しょぼい」「イケてない」というニュアンスで使われ始めたのは、一般社会、つまりなんの変哲もない社会を「娑婆(しゃば)」と呼ぶことから派生したのではないかと考えられています。

ストリート
(c) Adobe Stock

「しゃばい」の使い方と例文 |実際の会話でどう使う?

意味や由来を理解したところで、次に使い方を確認していきましょう。ここで気をつけたいポイントが、「しゃばい」はネガティブなニュアンスで使う言葉だということ。以下の例文を見てみましょう。

「手札しゃばすぎておわった」

「しゃばい」は、状況や人に対して使います。この場合は、カードゲームをしていて自分の手札があまりにも「弱い、使い物にならない」というニュアンスですね。ちなみに「おわった」も若者がよく使う言葉。「詰んだ」と同じ意味で、これ以上どうしようもできない状況を表します。

「お前、それはしゃばい」

人に対して使う「しゃばい」は、「ダサい」「根性なし」というニュアンスを含みます。例えば、「絶対今日告白するって決めてたのに、いざそうなると逃げちゃったんだよね」という話に対して「それはしゃばいって」というように使えるでしょう。

「あいつ今日飲み会来ないらしいよ。しゃばくね?」

この場合は「おもしろくない」「つまらない」という意味ですね。「しゃばい」は、大学生間の飲み会で頻出する言葉でしょう。「今日の飲み会のメンバーちょっとしゃばいなあ」という会話もよく耳にします。

飲み会
(c) Adobe Stock

「しゃばい」の歴史 |過去から現在まで

実をいうと「しゃばい」は1980年代から1990年代にかけて、ヤンキー文化の中で盛んに使われた言葉でした。現在になって、再びその言葉がリバイバルされているようです。

昭和のヤンキー文化における「しゃばい」

「しゃばい」が最初に流行したのは、1980年代に流行したヤンキー漫画『ビー・バップ・ハイスクール』がきっかけだといわれています。当作品のセリフでは、ヤンキーになりきれていない奴や、かっこ悪いヤンキーに対して「しゃばい」という言葉が使われていました。この作品が大ヒットすると同時に「しゃばい」という言葉も若者の間で浸透していったようです。

平成レトロブームと「しゃばい」の復活

デジタル化がどんどん進む現代では、かえってアナログを楽しむブームが起こりつつあります。デジタルカメラやガチャガチャなど、平成時代にブームだったものを楽しむ若者が増えており、「平成レトロブーム」と呼ばれているほど。人気のヤンキー作品がリバイバルされたこともあり、「しゃばい」が再び若者の間で使われるようになりました。特に、SNSやメディアを通じて。従来の意味から派生した「しょうもない」「しょぼい」というニュアンスが浸透しています。

ガチャガチャ
(c) Adobe Stock

「しゃばい」が流行する理由 〜若者がこの言葉を使うワケ〜

なぜ今「しゃばい」が再び流行しているのか、若者文化や社会的な背景を分析していきます。

「しゃばい」と現代の若者文化

2020年代に入ってから、平成の文化やヤンキー作品が再び注目を浴びるようになりました。「しゃばい」のような昭和時代の言葉が再流行したのには、やはりリバイバルの影響が大きいでしょう。『今日から俺は!!』や『東京リベンジャーズ』は、現代風のアレンジを加えた、ヤンキーを象徴する作品ですよね。それらが「しゃばい」など、当時使われていた言葉の復活に繋がっています。

ヤンキー時代は「根性なし」「ひ弱」というニュアンスが強かったですが、現代では皮肉のような感覚で使います。日常会話で自分を低く見せたくない場面において、相手を軽んじるニュアンスとしてこの言葉が多用されているでしょう。

最後に

「しゃばい」は、昭和文化から受け継がれた言葉だったのですね。若者言葉の中にも、このように前の世代から影響を受けた言葉がいくつかあります。若者言葉の由来をたどってみると、意外と面白い発見ができるかもしれませんね。


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