上司への退職のメッセージの書き方に悩んだという経験はありませんか? 退職する上司へ、これまでの感謝をうまく伝えたいという人もいらっしゃることでしょう。
また、自分が退職する際に、お世話になった上司にメッセージを書きたいというケースもあるかもしれませんね。そこで、この記事では、心に残る上司への退職メッセージの書き方や例文などを解説します。
上司への退職メッセージを書くときの大切なポイント
まずは、上司へ退職メッセージを書くときにおさえておきたいポイントを、いくつかみていきましょう。
上司への感謝の伝え方
上司は、あなたのキャリアの中で大きな影響を与えてくれた存在かもしれません。人によっては、厳しく指導された経験もあることでしょう。ですが、長い目で見ると、「上司に教えてもらったことが、今のキャリアに生きているな」と思う方も多いのではないでしょうか?
上司への退職メッセージを贈る際、おさえておきたいのは、上司への感謝の気持ちを、シンプルかつ誠実に伝えることです。
例:「これまで多くのご指導を賜り、心より感謝申し上げます。〇〇さんのアドバイスを通じて、多くの学びと成長の機会をいただきました」
なお、最近では、上司に対しての言葉遣いをあえてカジュアルにしている会社もあります。「賜り」などの畏まった表現はあまり使わないというケースもあるでしょう。社風や関係性に合わせて、どの程度フォーマルな言葉を使うのかを調整してみてくださいね。
上司との今後の関係を大切にするメッセージ
退職後の上司との関係を大切にしたいという方もいらっしゃることでしょう。その場合は次のような言葉を、感謝の表現と合わせて書き加えるのもおすすめです。
例:「これからもご指導ご鞭撻をいただけますよう、今後ともよろしくお願い申し上げます」
どんなに信頼関係があった関係でも、上司から部下に、退職後に連絡することに気が引けるという声も耳にしますよ。実際に筆者の知人は、定年退職後に、部下から食事の誘いがあった時、驚きとともに嬉しい気持ちになったといいます。「気を遣わせてしまうし、自分からは連絡を控えていたんだよね」と語ってくれました。
上司に送る具体的な退職メッセージの例文
上司へのメッセージは、どんなに上司と親しいとしても、ビジネス的な礼儀は保つようにしましょう。また、自分が退職する場合や、退職する上司を見送るなど、いろいろな状況がありえますよね。その状況に合わせて、あなたらしい表現をすることも大切です。上司に送る具体的な退職メッセージをいくつか例文でみていきましょう。
丁寧な感謝を込めたメッセージ
例:「〇〇部長、これまで温かいご指導をいただき、誠にありがとうございました。○○部長の貴重なアドバイスの数々により、日々自分の成長を実感することができました」
今後の目標を示しながら感謝を伝えるメッセージ
例:「〇〇部長、これまでお世話になり、誠にありがとうございました。次のステージに向けて進む決意を固めましたが、〇〇部長からいただいたご指導を忘れず、今後も全力で取り組んでまいります」
親しみを込めた感謝のメッセージ
例:「〇〇部長、これまでのご指導本当にありがとうございました。新しい環境でも〇〇さんの教えを胸に、より成長できるよう頑張ります」
これらは、あくまで一例ですが、書き方に悩んでいるという方は、参考にしてみてくださいね。なお、最近では、相手の役職に関わらず、「○○さん」という呼び方に統一している職場もあると聞きます。この場合は、職場のルールに沿うのが安心ですよ。
上司との思い出なども交えつつ、自分なりのアレンジを入れて書いてみると、あなたらしいメッセージになることでしょう。
退職メッセージに含めるべき上司への感謝の言葉
退職メッセージで、最も重要なポイントは感謝が具体的に伝わっているかということです。例えば、「お世話になりました」だけでは、あまり感謝の気持ちが伝わりにくいかもしれませんよね。あまり長く書く必要はありませんが、具体的にどのような場面で感謝をしていたのかを書くと、気持ちが伝わりやすいでしょう。
具体的なエピソードを交えた感謝の表現
上司に感謝を伝える際、どのようなことに対して感謝しているかを具体的に表現するといいでしょう。例えば、難しいプロジェクトで、丁寧にサポートをしてくれたことや、仕事でつらかったときに励ましの言葉をかけてくれたなど。
もし、具体的にこんな言葉に励まされたというエピソードがあれば、「いただいた○○という言葉を胸に、これからもがんばります」などと書くのもおすすめです。
とはいえ、すぐに具体的なエピソードが思いつかないという方もいらっしゃるかもしれませんね。例えば、入社後すぐに上司が退職してしまったというケースも。「あまり直接会話した記憶がないので、何を書けばいいのか悩む」という声も時折耳にします。その場合は、その上司がいた期間中に、その職場でどんな経験や学びがあったのかという視点で振り返ってみるのもおすすめですよ。
退職後も続く関係性へのメッセージ
退職後にも、上司との関係性が続くこともありますよね。個人的な交流以外にも、転職先で以前の上司と一緒に仕事をするということも、業界によってはあり得ます。また、筆者の友人は、退職した上司に今でもキャリアの相談や、人生相談にのってもらっているといいますよ。
さらに、別の友人は、かつての上司たちと今でもSNSでつながっているといいます。そして、「最近起業したので、もし興味があったら、一緒にまた働きませんか?」と連絡を受けることも。業界によっては、このように人のつながりで採用を行っているケースもあります。
いずれにせよ、人の縁はどこでつながっているか分からないものですよね。もちろん、相手との関係性や状況にもよりますが、これまでの感謝を伝えつつ、「今後ともご指導いただけますと嬉しいです」などと伝えるのもいいかもしれません。
最後に
この記事では上司への退職メッセージの書き方や、感謝の伝え方、おさえておきたいポイントなどを解説しました。退職は、キャリアにとっても、人生にとっても大きな節目。お世話になった上司への感謝の気持ちを、うまく伝えたいという方は、参考にしてみてくださいね。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン