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忙しいビジネスシーンでは時間も人間関係も、できればシンプルかつ効率的に進めたいものですよね。そんな中で耳にするのが「正直ベース」という言葉。もしかしたら、あなたも会議や打ち合わせの場で一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、「正直ベース」の本当の意味や使い方をご存じですか…?
この記事では、「正直ベース」の正確な意味から、ビジネスでの活用方法まで解説します。
「正直ベース」ってどんな意味?
ビジネスの現場で時折耳にすることのある、「正直ベース」という言葉。この言葉には、どのような意味があるのでしょうか? 確認していきましょう。
「正直ベース」の意味を簡単に解説
「正直ベース」とは、「正直に言うと」や「実を言うと」といった意味を持つ言葉です。正直な気持ちや事実をベース(基礎)にして物事を伝えるというニュアンスを持っていますが、辞書に載っている言葉ではありません。そのため、使う際には相手やシチュエーションを選ぶ必要があります。
「正直ベース」は、特に見積もりを提示するときや状況説明の場面で誇張を避け、誠実に事実を伝える際によく使用されます。ですが、ややカジュアルな表現であるため、慎重に使うことが求められるでしょう。
「正直ベース」は、おじさん言葉?
「正直ベース」という言葉は、主に中高年のビジネスパーソンに多く使われる表現だといえるでしょう。したがって、若い人には馴染みが薄く、古くさい印象を受けるかもしれません。
結果として、この表現は世代間のギャップを象徴する言葉として捉えられています。
「正直ベース」の使い方を具体的な例文とともに紹介
「正直ベース」が効果的に使える場面は、数多くあります。例えば、プロジェクトの進行時や会議、さらにはクライアントとの交渉時など。ここでは、具体的な例文にして紹介します。
正直ベースで申し上げますと、今月の売上予測は達成が難しい状況です…。
こちらは、売上報告の場面で「正直ベース」を使った例文になります。数字を盛ることなく、事実を正直に伝えることで、必要な改善策や対策を早期に議論するきっかけを作っているといえるでしょう。
ただし、ネガティブな情報を伝える際には、対応策をあわせて提示することが大切です。
正直ベースで、いくらなら購入可能ですか?
この例文は、価格交渉の場面で使われるフレーズです。「正直ベースで」と加えることで、相手に率直な意見を求めていることを示しています。このセリフは無駄な駆け引きを避け、交渉が成立する現実的な条件を早期に引き出すためのものです。「腹を割って話そう!」ということですね。
正直ベース、このスケジュールでは納期に間に合わない可能性があります。
この例文は、プロジェクトや業務の進行状況を報告する際に使われるフレーズです。「正直ベース」と前置きすることで、事実に基づいた現状を率直に伝える姿勢を強調しています。
このフレーズを使うことで、相手に対して不安を隠さず、現実的な状況を共有することができるでしょう。また、早めにリスケジュールや追加リソースの検討を促すことができ、問題解決に向けた建設的な話し合いを引き出す効果があります。
「正直ベース」の類語・言い換え表現は?
先述したように「正直ベース」は、カジュアルな表現であるため、使う場面や相手を考える必要があります。ここでは、類語・言い換え表現を紹介します。場面に応じて使い分けてみてください。
率直に申し上げると
「率直に申し上げると」は、ビジネスシーンでよく使われる表現です。相手に対して隠し事や遠回しな表現をせず、真実を伝えたいときに使われます。丁寧でありながら、誠実さを強調できるため、目上の人にも安心して使用できる言い換え表現だといえるでしょう。
単刀直入に申し上げると
「単刀直入に申し上げると」は、遠回りせずに核心に迫りたいときに用いられる表現です。「単刀直入」の意味を辞書で確認しておきましょう。
たんとう‐ちょくにゅう〔タンタウチヨクニフ〕【単刀直入】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[名・形動]《一人で刀を持って敵に切り込む意から》直接に要点を突くこと。遠回しでなく、すぐに本題に入ること。また、そのさま。「―な言い方」
特に、時間が限られている会議や重要な意思決定が求められる場面で使うと効果的です。ただし、直接的な表現であるため、相手が受け入れやすい言い回しやトーンを心がける必要がありますね。
ぶっちゃけ
「ぶっちゃけ」は非常にカジュアルな場面で使われる言葉で、「率直に言って」という意味を持ちます。親しい同僚やフランクな雰囲気の中で、本音をストレートに伝えたい場合に使われることが多いでしょう。
ビジネスのフォーマルな場面では適していないため、プライベートなシチュエーションや、気心の知れたメンバーとの会話に限定して使用することをおすすめします。
あなたも使っているかも? 類似の「おじさん言葉」リスト
「正直ベース」だけではなく、ビジネスシーンでよく聞かれる「おじさん言葉」は他にもあります。ここでは、若い世代にとってわかりにくいかもしれない「おじさん言葉」とその意味を紹介します。
手弁当
「手弁当」とは、仕事やプロジェクトにおいて、自分の時間や労力、さらには費用を自ら負担して取り組むことを指します。本来は食事を自分で用意することを意味しますが、ビジネスシーンでは自らのリソースを投入して貢献する姿勢が強調されます。
若い世代には馴染みの薄い表現かもしれませんが、自己犠牲や積極的な貢献を示す言葉として用いられますよ。
ダマでやる
「ダマでやる」は、「黙って進める」「内密に作業を行う」という意味の言葉です。上司や先輩がこの表現を使う場合、周囲に知らせずに物事を進めることを求めていることがあります。
ただし、情報共有や透明性が重視される現代のビジネス環境では、このような進め方が誤解や問題を生む可能性もあるため、注意が必要です。
全員野球
「全員野球」は、チーム全員が協力して目標に取り組む姿勢を表す言葉です。野球では、各選手が自分の役割を果たすことでチームが勝利に近づきます。ビジネスシーンでも「チーム一丸となって頑張ろう」という意味で使われますが、スポーツに興味のない人や若い世代には伝わりにくい場合があります。
代わりに「チームワークを大切にしよう」などの表現に言い換えると、より明確に意図が伝わるでしょう。
最後に
「正直ベース」は辞書に載っている言葉ではないため、相手にどう伝わるかを意識しなければ、誤解を招いてしまうこともあるでしょう。ですので、場面にあわせて適切に使ってみてくださいね。
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