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仕事での人間関係で「なんか壁を感じるなぁ」なんてことありませんか? そんな時、あなたはどうしていますか。頭の隅の方で「何かいい話題ないかなぁ?」なんて考えたりしているんじゃないでしょうか。
そんなシーンで役立つのが、おじさん世代が使う意味のよく分からない言葉を話題にすること。意外に盛り上がったり、親近感を持つきっかけになるかもしれません。この記事では、おじさん世代がしばしば口にする「エイヤ」を取り上げ紹介していきます。
おじさん言葉「エイヤ」とは? 意味と由来
世代の異なる人が働いている職場では、ときどき「意味の分からない言葉」が使われことがあります。それは、主に仕事上使う専門的な言葉であったり、同世代の人、世代の近い人たちの間で使われる言葉であったりします。「エイヤ」もそんな言葉の一つ。理解しておくと何かと便利かもしれませんよ。
「エイヤ」とは? 基本的な意味
「エイヤ」を辞書で調べてみました。
えい‐や
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1[感]力を入れるときなどに発する掛け声。「―、と綱を引く」
2[名]俗に、勢いのままに物事を行うこと。「期限直前に―で決めてしまう」
「エイヤ」という言葉は、「思い切って」とか「力技で」という意味を持つ俗語だということがわかりました。なお、辞書には「えいや」とひらがなで表記されています。
「エイヤ」の語源と歴史的背景
「エイヤ」という言葉は、武道の「エイッ、ヤー!」という気合い表現が由来とされています。昔から人々が気合いや決意を示すときに使ってきた言葉で、行動への勢いや覚悟を表現するために使われてきました。
おじさん世代が「エイヤ」を使う理由
「エイヤ」は、なぜ「おじさん」と呼ばれる世代が、好んで使うのでしょうか? その背景には、世代特有のコミュニケーションスタイルや心理が隠されているようです。少し考えてみましょう。
世代間で異なるコミュニケーションスタイル
「エイヤ」と表現を使う世代の人たちは、物事をざっくりと捉えたり、その時々の状況や流れで行動する傾向があります。「エイヤ」は、そのような行動パターンを示す言葉で、簡潔に意志や態度を伝える便利な表現として使うようです。
「エイヤ」に込められた心理と感情
大雑把に物事を伝えたい場合に「エイヤ」を使うことが多いようです。あるいは、自分自身に気合いを入れたり、迷いを断ち切る意味合いも。こうした場合は、周囲に対して「思い切ってやるぞ」という決意を示すことにもなります。
ビジネスシーンでの「エイヤ」の使い方
ビジネスの場でも「エイヤ」を上手に使うことで、コミュニケーションがスムーズになることもあるでしょう。以下に幾つか具体的な例文を紹介します。
「エイヤで、この案件を片付けちゃいましょう!」
この表現では、「思い切って」「力技で」案件を解決しようという意志を示しています。仕事が停滞している状況で、思い切って物事を進めたいときに使ってみるといいかもしれませんね。
「エイヤッと予算を削ってしまいました。」
この例は、「ざっくりと」「勢いで」と意味を含んで使っています。じっくり計算もしないで予算を削減したことを伝える表現です。きっと、どこかに皺寄せが及ぶことになりそうですね…。
「エイヤで決めちゃっていいですか?」
この例は、意見や方針がなかなか決まらない閉塞的な状況で、「だいたい」「おおむね」で物事を決めたいときに使えます。「いい加減、この辺で終わりましょうよ」というニュアンスを伝えたいときに使ってみてください。
「エイヤ」の類語は?
「エイヤ」と似た意味を持つ言葉を知っておくと、表現の幅が広がります。紹介しておきましょう。
ざっくり
詳細を省いて大まかに物事を捉える際に使う表現になります。「現在の状況をざっくりと報告します」などの使い方ができます。
ドーンと
勢いよく物事を進めるときの表現として「ここは“ドーン”と行きましょうよ」なんて使い方をしますよね。「予算が厳しくてねぇ〜」と出費を渋る会計係や幹事さんへ、決断を促すときに使えそうなフレーズです。
サクッと
こちらの表現も手早く簡単に行動する際に使われます。会話の中では、しばしば「サクッと」を重ねて、「サクサクッとお願いしますね」なとど使われます。この場合「早くやってくださいね」というニュアンスが含まれているでしょう。
「エイヤ」を使うとNGな場面は?
便利な「エイヤ」ですが、使い方を誤ると誤解を招くこともありますので注意してくださいね。
避けるべきシチュエーション
フォーマルな場面、正確さが求められる状況では、「エイヤ」を使うのは不適切です。具体的な数字や詳細が必要なときに「エイヤ」を使うのはもってのほか。くれぐれもご注意ください。
エイヤにまつわる面白いエピソード
昔ながらの蕎麦屋での心温まるエピソードを紹介します。ある日、新人の見習いが初めて蕎麦打ちに挑戦しました。何度も失敗を繰り返し、すっかり自信を失いかけていた彼。
そんな彼に、いつもは厳しい大将がおもむろに近づき、「エイヤッとやってみな。蕎麦は気持ちが大事なんだよ」と声をかけました。その言葉に励まされた見習いは、思い切ってもう一度挑戦。すると、不思議と手が馴染み、美しい蕎麦を打つことがでたとか。
このエピソードは、「エイヤ」という言葉が持つ不思議な力を物語っているようです。迷いや不安を抱えたとき、「エイヤ」という一言が人の心を軽くし、新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれたりします。おじさん世代がこの言葉を使うのは、自分自身だけでなく、周囲の人々にも前向きな影響を与えたいという思いがあるからかもしれませんね。
最後に
「エイヤ」は日常からビジネスまで幅広く使える便利な言葉です。その背景や正しい使い方を理解することで、コミュニケーションがより円滑になるでしょう。何かの場面で、迷ったときや勢いをつけたいときに「エイヤ」を使ってみてはいかがでしょうか? 新たな発見や変化が生まれるかもしれませんよ。
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