コーヒーはずっと“ブレンド一択”のあなたへ
基本的にコーヒーは好き。カフェでコーヒーを飲むことも、コンビニでコーヒーを買うことも、自分で豆を買ってきて淹れることもある。でも、コーヒーの銘柄を見ても、それがどんな味がするのかほとんど区別がつかない。飲むのは結局「いつものブレンド」一択……そんな人も多いのでは。
でも、コーヒーの味の違いがわかったら、いまよりおいしく淹れられたら…… きっと1杯のコーヒーを飲む時間がもっと楽しくなるはず!
ー-そう語るのは、会社員からいきなりコーヒーの世界チャンピオンになり、今は「コーヒーの伝道師」をつとめる粕谷哲さん。
そこで、粕谷哲さんの著書であり、“コーヒー”という身近なようでいて実はよくわからない存在を、わからない人目線でわかるように解説した「コーヒーのことがなんとなくわかった気になる」コーヒーの入門書『図解 コーヒー一年生』(サンクチュアリ出版)から、コーヒーの選び方や、自宅でおいしく淹れるコツを解説!
全10回にわたって、書籍より一部引用・再編集してお届けします。
前回の記事>>【コーヒー豆の選び方】安めの豆は“中煎り以上”を選ぶ!
6つの産地で選んでみる!
前回の記事で、コーヒー豆の焙煎度について解説しました。
自分の「好きな焙煎」がなんとなくわかってきたら、次はなんとなく「好きな産地」を選んでみましょう。
コーヒー豆をそこそこ取り揃えているお店であれば、「ブラジル」「コロンビア」「エチオピア」「グアテマラ」「ケニア」「マンデリン(インドネシア)」といった豆を見かけるはずです。
これらはメジャーな産地で、それぞれに個性があります。ブレンドとして混ぜられていることも多いですが、よりその個性を味わうために、まずは単体(ストレート)を飲んでみてください。
それぞれどういう個性があるのでしょうか。コーヒーの味というものは、基本的に苦味とか酸味とかフレーバーで表現されます。ただ僕の場合はそれに加えて、自然と「こういう雰囲気のやついたなあ」というイメージが浮かぶのです。
まずは超バランス苦味系のブラジル。
みんなに頼られる力持ち。酸味がおさえられて、ナッツ感のある落ち着いた味わい。みんなのイメージするコーヒーそのものの味でしょう。
次はマイルド系のコロンビア。
さわやかなスポーツマンタイプです。味がとにかくマイルドで、ブレンドのベースとしてもよく使われます。マイルドという言葉を多用するのってコーヒーくらいでしょうか?
つづいてフローラル酸味系のエチオピア。
おとなしめのお嬢様。香りはフローラル、味はフルーティー。酸味系コーヒーにハマるきっかけになるコーヒー第1位です。「モカ」とも呼ばれてカワイイ。
そしてコク系のグアテマラ。
仲間思いの優等生。同じコク系でも、浅煎りと深煎りとでまったく別の顔を見せます。豊かな香りのチョコレート感がありながら安定感バツグンの飲みやすさ。
さらにジューシー超酸味系のケニア。
元気いっぱいの体育会系リーダー。浅煎りなら、ベリー感、はちみつ感といったユニークな酸味。深煎りなら重厚感のある苦味。黒糖やダークチョコレートのよう。
最後は屈強苦味系のインドネシア。
高い身体能力を持つ格闘家。苦味と深み。土や草といった個性的な味がします。スマトラ島で作られる「マンデリン」やスラウェシ島の「トラジャ」というブランド名でおなじみ。
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次回は、この産地の違いを踏まえた豆の味わい方について解説していきます。
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イラスト/山田コロ
TOP画像/(c)Adobe Stock
『図解 コーヒー一年生』粕谷哲(著) 山田コロ(イラスト)/サンクチュアリ出版
長年、毎日コーヒーを飲んでいる。外ではブラックコーヒー、家でも自分でコーヒーを淹れて飲むくらい。でも飲むのは結局「いつものブレンド」一択。
なぜなら、それ以外になにを選べばいいのか、全然よくわからないから。(…でも、本当はもうちょっとコーヒーに詳しくなりたいかも)
そういう人のためにこの本は生まれました。
どうしたら「コーヒーの違い」を楽しめる人間になれるのか。
下町の人気バリスタが、ゆるいマンガと図解を使って、これでもかというほどわかりやすく解説していきます。
この本を読めば、
★スーパー、コーヒー量販店、コーヒー専門店、どこでも、
パッケージを見て、“なんとなく“コーヒーを選べるようになる。
★ブラジル、グアテマラ、エチオピア……など、
産地を見れば、“なんとなく“味の想像がつくようになる。
★豆のレベルに合わせて、一番かんたんに、
“なんとなく“おいしく淹れる方法がわかる。
ようになることをお約束します。