ふだん、自分が口にするものをどんなふうに選んでいますか?
そう聞かれると、「なんとなく」とか「コスパのいいもの」とか「健康にいいもの」「おいしければいい」など、さまざまな意見があるかと思います。
自分や家族に直接関係することなのに、毎日当たり前のように食べているものがそもそもどうやってつくられて店頭に並んでいるのか、意外と知らないもの。
そこで、書籍『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)より、食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで解説!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします(全10回の6回目/5回目はこちら)
必須脂肪酸の「オメガ3」と「オメガ6」
前回の記事では、油の種類について紹介しました。油を考えるうえで知っておきたいのは、油には性質があるということ。
まず大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」という違いがあります。
この2つの違いは、油を構成する分子の違いなのですが、シンプルにこのように考えるとわかりやすいでしょう。
・飽和脂肪酸…常温で固まるお肉やバター、ラードなどの動物性の脂
・不飽和脂肪酸…常温で液体の植物や魚の油
この中で、特に考えたいのが不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸には、体内ではつくることのできない「オメガ3」と「オメガ6」という成分があり、これらは食べものから摂取する必要があるのです。「必須脂肪酸」とも呼ばれていますね。
オメガ3はえごま油や亜麻仁(あまに)油、青魚の油などに含まれる成分で、オメガ6はなたね油やごま油などに含まれています。
健康に敏感な方だと、「オメガ3は身体にいい」「オメガ6はとらないほうがいい」という話を聞いたことがあるかもしれません。
本来、オメガ3もオメガ6も身体に必要なものですから、どちらが良い・悪いの問題ではないのです。
しかしそう言われるようになったのは、現代人はオメガ3系の油が不足していて、反対にオメガ6系の油をとり過ぎているから。
健康な身体を維持するためには、オメガ3と6の比率が「1:2」がちょうどいいとされているのですが、現代人は「1:10」。人によってはそれ以上の比率になっている場合も珍しくないといいます。
昔の日本人は、油を積極的にとらなくても大豆や魚などから必要な脂肪酸をとってバランスを整えていました。
ところが、今は安く簡単に油が生産できるようになり、油をとる機会が増えましたよね。
たとえば一般的なサラダ油には、オメガ6が含まれる「大豆油」や「コーン油」が多く使われています。
こうした油は外食産業や加工品で多く使われているので、気をつけていないと簡単に過剰摂取になってしまうというわけです。
* * *
次回は、油選びで気をつけるべき3つのポイントについて解説します!
TOP画像/(c)Adobe Stock
食の選び方大全(サンクチュアリ出版/著者:あるとむ)
あなたの体は、選んだ食べ物でできている。調味料・野菜・果物・肉・魚・加工食品… あらゆる食品の選び方を、この1冊で完全網羅!
健康的な食事をつくるのは大切ですが、それ以前に、どういう食品や調味料を選ぶかは、意外と盲点。みなさんは普段、自分が口にするものをどうやって選んでいますか?
安くてコスパのよいもの?
「国産」や「オーガニック」と書かれたもの?
なんとなく健康によさそうなもの?
そもそも、私たちは毎日あたりまえのように食べているものが、どうやってつくられて店頭に並ぶのか、意外と知らないのではないでしょうか。
たとえば、
・醤油やお味噌はどんなふうにつくられているのか?
伝統的な製法と、一般的な市販品との違いって?
・「有機野菜」や「オーガニック」という言葉は、
漠然といいイメージがあるけど、どういうものなのか?
農薬や肥料とは、いったいなんなのか?
・よく聞く「添加物」とはどんなもので、どうやって付き合えばいいのか?
こうしたことは、自分や家族に直接関係することにもかかわらず、スーパーやコンビニで買いものしているだけでは、なかなかわかりません。
この本では、そんな食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで、1冊でわかりやすくまとめています。
さらに、選び方を3段階で紹介。無理なく、自分のライフスタイルや状況に合わせて、実践することができます。