ふだん、自分が口にするものをどんなふうに選んでいますか?
そう聞かれると、「なんとなく」とか「コスパのいいもの」とか「健康にいいもの」「おいしければいい」など、さまざまな意見があるかと思います。
自分や家族に直接関係することなのに、毎日当たり前のように食べているものがそもそもどうやってつくられて店頭に並んでいるのか、意外と知らないもの。
そこで、書籍『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)より、食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで解説!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします(全10回の5回目/4回目はこちら)
意外と知らない油の種類
これまでの記事では塩や味噌の選び方について解説してきましたが、油もまた、日々の生活に欠かせない食品です。
油に関しては「油は健康にいい」という人もいれば、「健康に悪い」という人もいます。
実際のところ、油は健康にもよく、一方で悪い面も強くあります。その点、実はさまざまな食品の中で一番むずかしいのが油選びかもしれません。
そもそも、油にはさまざまな種類がありますよね。
「サラダ油」「なたね油」「キャノーラ油」「紅花油」「米油」「大豆油」「ごま油」「オリーブオイル」「えごま油」「ココナッツオイル」「トウモロコシ油」「ひまわり油」……。
これらはいずれも植物からできた油なのですが、どんなものなのか意外と知らない、という方も多いのではないでしょうか。
たとえばなたね油とは、主にセイヨウアブラナという植物の種からつくる油。今では少なくなってしまいましたが、日本では江戸時代から栽培されてきた伝統的な植物です。
そして、このアブラナを品種改良した「キャノーラ」という品種からとる油がキャノーラ油です。
紅花油は、紅花という花の種からできる油で、別名「サフラワー油」といいます。
米油は、お米からできた油…… と思いきや、お米を精米したときに出る「米ぬか」からできた油です。米ぬかには実は油分が含まれているんですね。
またごま油は、香りの強い「焙煎ごま油」が一般的ですが、ごまを焙煎していない状態で搾しぼると「太白ごま油」となります。こちらは色も透明でクセがまったくありません。
さらに、一般的によく使われる「サラダ油」とは、なたね、大豆、トウモロコシ、ひまわりなどの植物を原料としてつくられる油のこと。「サラダにそのまま使える油」ということで名づけられました。
原料によって油の色や風味が異なるため、品質を保つためにブレンドしているものが多いですね。
ちなみに、動物性の油にはバター、豚からとったラード、鶏からとった鶏油(チーユ) 、牛からとった牛脂などがあります。もちろん、魚にも油は含まれています。
それぞれに味の個性もあり、油の性質も違います。
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次回は、必須脂肪酸の「オメガ3」と「オメガ6」について解説していきます。
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食の選び方大全(サンクチュアリ出版/著者:あるとむ)
あなたの体は、選んだ食べ物でできている。調味料・野菜・果物・肉・魚・加工食品… あらゆる食品の選び方を、この1冊で完全網羅!
健康的な食事をつくるのは大切ですが、それ以前に、どういう食品や調味料を選ぶかは、意外と盲点。みなさんは普段、自分が口にするものをどうやって選んでいますか?
安くてコスパのよいもの?
「国産」や「オーガニック」と書かれたもの?
なんとなく健康によさそうなもの?
そもそも、私たちは毎日あたりまえのように食べているものが、どうやってつくられて店頭に並ぶのか、意外と知らないのではないでしょうか。
たとえば、
・醤油やお味噌はどんなふうにつくられているのか?
伝統的な製法と、一般的な市販品との違いって?
・「有機野菜」や「オーガニック」という言葉は、
漠然といいイメージがあるけど、どういうものなのか?
農薬や肥料とは、いったいなんなのか?
・よく聞く「添加物」とはどんなもので、どうやって付き合えばいいのか?
こうしたことは、自分や家族に直接関係することにもかかわらず、スーパーやコンビニで買いものしているだけでは、なかなかわかりません。
この本では、そんな食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで、1冊でわかりやすくまとめています。
さらに、選び方を3段階で紹介。無理なく、自分のライフスタイルや状況に合わせて、実践することができます。