ふだん、自分が口にするものをどんなふうに選んでいますか?
そう聞かれると、「なんとなく」とか「コスパのいいもの」とか「健康にいいもの」「おいしければいい」など、さまざまな意見があるかと思います。
自分や家族に直接関係することなのに、毎日当たり前のように食べているものがそもそもどうやってつくられて店頭に並んでいるのか、意外と知らないもの。
そこで、書籍『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)より、食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで解説!
※書籍より一部引用・再編集してお届けします(全10回の4回目/3回目はこちら)
無添加の味噌は「生きてる味噌」
前回の記事では味噌が日本の誇るスーパーフードだとお伝えしました。では、味噌はどう選べば良いのでしょうか?
昔ながらの製法でつくられた味噌には、添加物が使われません。
しかし多くの市販品は、さまざまな事情で食品添加物が使われています。
たとえば、スーパーでよく見かける味噌の原材料を見てみると、「大豆、米、塩」の他に「かつお節粉末」「かつおエキス」「たんぱく加水分解物」「昆布エキス」「酒精」「調味料(アミノ酸等)」など…… このように「なんだろうこれ?」というものが多く入っているのがわかります。
味噌の添加物でよく使用されるものは、「調味料(アミノ酸等)」「ビタミンB2」「保存料(ソルビン酸)」「酒精」です。
調味料(アミノ酸等)はうま味を加えるもの。ビタミンB2は見た目を色鮮やかにするために使われるもの。ソルビン酸は、保存のために用いられるものです。
また、「酒精」はアルコールのことで、味噌の発酵を止めるために使われています。
そもそも味噌は発酵食品ですから、本来は商品としてパッケージに詰められたあとも毎日発酵をし、色や香り、風味が徐々に変化していくものです。
ただ、それだと品質が一定にならないので、アルコールを添加して麹菌の働きを止めるというわけです。
また、酒精を添加することで、袋の膨張を防ぐ役割もあります。
味噌の発酵を止めるからといって栄養素が落ちるわけではありませんが、本来、味噌とは酵母がたっぷり含まれた「生きている」食品です。
味噌のパッケージや容器には「穴」が開いているものがありますが、これは、お店に並んでいる間も味噌が呼吸するためのもの。
酒精などを使っていない無添加の味噌は、容器に入れられたあとも熟成が続いているので、常に二酸化炭素が発生します。この二酸化炭素で容器がふくらんで破裂しないように、小さな穴がついているんですね。
つまり、この穴があるということは、味噌自体が発酵熟成し続けているという証拠。麹菌が生きている味噌なのです。
原料にこだわった味噌は間違いない
よりこだわるなら、「大豆・米・塩」の内容もチェックしてみてください。
具体的には、大豆は国産がおすすめです。国産大豆の生産量は非常にわずかなのですが、輸入大豆にはいくつかのリスクもあるのです。
また本当に希少なのですが、国産の有機栽培ならば、より安心感があると言えます。
この話をすると、「外国産の有機大豆とふつうの国産大豆とではどちらがいいですか?」といった質問をいただくのですが、私の考えとしては国産を応援したいところです。
実際、こだわりの味噌屋さんは国産大豆を使用していることが多い印象です。麹に使われる米も同様の理由で、やはり国産がおすすめですね。
そしてもう1つ。見落としがちなのが塩。味噌は原料の10%以上を塩が占めている食品ですから、使われている塩がどんな内容なのかはとても重要です。
原材料の表示項目には「食塩」としか表示されていませんが、こだわりの塩を使っている場合はパッケージに表示されているでしょう。
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味噌の選び方についてもっと詳しく知りたい方は、書籍にてチェックしてみてくださいね。
TOP画像/(c)Adobe Stock
食の選び方大全(サンクチュアリ出版/著者:あるとむ)
あなたの体は、選んだ食べ物でできている。調味料・野菜・果物・肉・魚・加工食品… あらゆる食品の選び方を、この1冊で完全網羅!
健康的な食事をつくるのは大切ですが、それ以前に、どういう食品や調味料を選ぶかは、意外と盲点。みなさんは普段、自分が口にするものをどうやって選んでいますか?
安くてコスパのよいもの?
「国産」や「オーガニック」と書かれたもの?
なんとなく健康によさそうなもの?
そもそも、私たちは毎日あたりまえのように食べているものが、どうやってつくられて店頭に並ぶのか、意外と知らないのではないでしょうか。
たとえば、
・醤油やお味噌はどんなふうにつくられているのか?
伝統的な製法と、一般的な市販品との違いって?
・「有機野菜」や「オーガニック」という言葉は、
漠然といいイメージがあるけど、どういうものなのか?
農薬や肥料とは、いったいなんなのか?
・よく聞く「添加物」とはどんなもので、どうやって付き合えばいいのか?
こうしたことは、自分や家族に直接関係することにもかかわらず、スーパーやコンビニで買いものしているだけでは、なかなかわかりません。
この本では、そんな食にまつわるさまざまな知識・疑問から、選び方のポイントまで、1冊でわかりやすくまとめています。
さらに、選び方を3段階で紹介。無理なく、自分のライフスタイルや状況に合わせて、実践することができます。