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2024.03.08

医師が警鐘! その頭痛は「甘いもの」が原因の可能性が…

頭痛で悩んでいるなら、もしかするとその原因は糖質依存かも? 書籍『死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』(あさ出版)より、一部引用・再編集し、全4回でお届け!

糖質依存になっていませんか?

「脳を働かせるためには甘い物は不可欠!」という考えから、ついおやつに手が伸びてしまう…… なんて人もいるかもしれません。

でも実は、間食で糖質を補給しないと集中力が途切れたりイライラしたりするのは、他の食事の摂り方に問題があるから。

脳は糖質に頼らなくても最高の状態を作り出し、癒やされた状態になれるもの。むしろ日常的な糖質過多こそが、イライラを作りだし、パフォーマンスを下げているのです!

――そう語るのは、内科医・産業医の山下 あきこ先生。

では、甘い物を一生食べちゃいけないの? というと、そうではありません。

山下先生によると、一旦依存がなくなれば、食後にデザートを楽しみ、家族の誕生日にケーキを買ってきておいしく食べることも可能。罪悪感を感じる必要は一切なく、食べ過ぎることもないのだそう。

(c)Adobe Stock

それよりも、糖質を食べたい気持ちに振り回される生活に別れを告げて、甘いものがあってもなくても幸せを感じられる毎日を送れるようになることが大切!

そこで、山下先生の著書『死ぬまで若々しく元気に生きるための 賢い食べ方: 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』より、糖質の摂りすぎが心や身体に与えるデメリットや、甘いものへの依存から離れる方法などをご紹介。

・お菓子を食べ過ぎている
・体重が増え、体調が良くない
・お菓子がないと落ち着かない

という人は、要チェックですよ!

※書籍より一部引用・再編集してお届けします

前回(第1回目)の記事>>誤解しがち! 肌がベタつくのは、脂質or糖質… どちらの食べ過ぎ?

糖依存によって起こる可能性がある心と体の変化

糖依存による体の変化といえば、真っ先に肥満や糖尿病を思い浮かべる人も多いと思います。ですが、実はそれ以外にも心身に影響を与える可能性が。ここでは、そのうちいくつかをご紹介。

◆頭痛

慢性頭痛、特に片頭痛を持っている人には、甘いものをよく食べる人が多くいます。これは一見関係なさそうに見えるのですが、大いに関係があるのです。

頭痛で悩んでいるなら、もしかするとその原因は糖質依存かもしれません。

糖質依存で頭痛になっている人は、そもそも鉄分が不足していることがベースになっています

日本人女性は他の国に比べると鉄分の摂取量が少ないことが分かっています。どの国の女性も月経のある年齢では出血によって鉄不足になりやすいのですが、特に日本人は少ないのです。

理由はいろいろあります。農薬などによって土に含まれるミネラルが減少しているので野菜から摂れる鉄分は少なくなっており、ミネラルを含む雑穀を食べることも少なくなりました。

また、肉や魚を食べる量ももともと少ないのに最近はますます減っています。ましてやレバーなどを買って食べる人も少ないようです。鉄製のフライパン、やかんもあまり見かけなくなっています。

欧米やアジアの多くの国では女性の鉄不足に対して食品に鉄を添加するなどの対策がとられていますが、日本ではあまりそうした対策はありません。

そして、鉄の代わりに摂取量が増えているのが糖質です。

これには理由があります。

鉄が足りないと、甘いものが欲しくなります。鉄を利用してクエン酸回路という代謝でエネルギーを作っているのですが、鉄という材料がないから糖質を使う別の回路でエネルギーを作ろうとするのです。

しかし、この別の回路(嫌気性解糖)はたくさんの糖質を使っても少しのエネルギーしか作ることができません。だから、次々に材料が必要になって常に糖質を欲してしまうのです。

そして、糖質を摂ると血糖値が上がってその後下がります。精製された砂糖は特に血糖値を急速に上げるのですが、急に上がった分だけ急に下がります。

この急に血糖値が下がるときに起こる症状が、頭痛です。頭痛以外にもめまいや立ちくらみ、冷や汗、しびれなどの症状が起こることがあるのです。

◆うつ状態

人工的に合成された糖質や、精製された糖質を過剰に摂ると、ホルモン分泌に必要なアミノ酸やビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルをどんどん使ってしまう可能性が。

糖質の過剰摂取によってこれらを使い切ってしまうと、心を安定させるのに重要なセロトニンなどのホルモンを合成できなくなります

(c)Adobe Stock

うつ病ではセロトニンホルモンの不足が症状を悪化させる傾向があるので、最もよく使われる治療薬はセロトニンを増やす作用を持っています。

ところが、原材料が足りないといくら薬を飲んでもセロトニンが増えません。糖質の摂り過ぎは心の安定に必要な成分を横取りしてしまうのです。

うつ病では、同じことを何度も繰り返し考えては落ち込んだり無気力になったりすることがあります。この考え過ぎの状態は、脳を疲れさせます。

うつ病でなくても気になることがあったら誰しも考え込むと思いますが、一つのことを繰り返し考えたり、そこからいろんな考えが浮かぶような雑念だらけの状態は脳全体のエネルギーの70 〜80%を消費しています。

糖が多い食生活では脳のエネルギー源は糖ですから、脳疲労が起こると甘いものが欲しくなります。

結果的に糖質のとり過ぎがセロトニン不足を引き起こしてうつ病を引き起こし、うつ病の状態が糖質を欲しがるようになるという悪循環ができあがってしまうのです。

TOP画像/(c)Adobe Stock

『死ぬまで若々しく元気に生きるための賢い食べ方 医者が教える「糖質依存」がなくなる本』(あさ出版/山下 あきこ 著)

「おやつ」は、多くの人にとって幸せの象徴のようなもの。ケーキ、クッキー、チョコレート……。おやつの中でも「スイーツ」と称される一団は、ほぼ糖質で構成されている。
また、「主食」と呼ばれる白米、パン、麺類も、ほぼ糖質。糖質は、依存性のあるドラッグのようなもので、糖質制限が健康・ダイエットに有効なのはよくわかっていても、その快楽を断ち切ることは至難の業!
また、加工品のほとんどに糖が含まれているため、自分が思っているよりも糖の摂取量は多くなりがち。
本書では、糖質に依存する脳の仕組みを明らかにし、依存から自由になるための方法を、1週間・1stepとして、3stepで完成させる。
ついつい糖質に手が伸びる習慣がなくなり、食べたい気持ちと戦う日々から解放されるための、一生使える健康ダイエット本。

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