壮行会とは? 読み方と意味
壮行会とは、旅立ちに際して、その前途を祝し激励する会合のことで、読み方は「そうこうかい」です。旅立つ人が主役となり、残る人々が旅立つ人の幸せとさらなる発展を願って開催します。
壮行会と混同しがちな会合に、送別会(そうべつかい)と激励会(げきれいかい)が挙げられます。それぞれの意味や違いについて見ていきましょう。
送別会との違い
送別会とは、別れる人を送る会合のことです。壮行会は旅立つ人の未来を祝して開催しますが、送別会は祝いのニュアンスはなく、基本的には惜別の意味を込めて開催されます。そのため、栄転やキャリアアップのための留学などの前向きな別れについては「壮行会」、将来のことはともかく、別れ全般に関して開催されるときには「送別会」と区別できます。
激励会との違い
激励会とは、励まして奮い立たせるための会合のことです。新しいことにチャレンジする人や大会に出場する人などに対して、応援する意味を込めて開催します。
前途を祝して激励するという意味では壮行会と同じですが、壮行会には別れの意味もあるのに対し、激励会には別れの意味合いはない点が異なります。
たとえば、市内で開催される大会に出場する人に対しては、大会が終わったらすぐに会えるため「激励会」が適切でしょう。一方、海外で開催される大会に出場する人を送り出すときは、場合によっては何週間もの別れとなるため、「壮行会」がふさわしいかもしれません。
壮行会が実施されるタイミング
壮行会は、次のタイミングで実施されることが多いです。
・栄転・異動・長期出張
・部活・課外活動
それぞれの状況について見ていきましょう。
栄転・異動・長期出張
壮行会は、職場などのビジネスの場において開催されることが多いでしょう。たとえば、栄転して本社勤務に決まった場合や部署が異動する場合には、壮行会を開いて今後のさらなる活躍を祈ります。
また、長期出張に出かけるときも壮行会を開催することがあります。海外に長期間行く場合や、国内であってもいつ帰ってくるかわからないときは、壮行会を開催して、無事の帰還や仕事での活躍などを祈願するケースもあるでしょう。
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部活・課外活動
壮行会は職場以外でも開催されることがあります。たとえば、部活動で遠征に行く前などに壮行会を開催し、試合で優れた結果を残せるように鼓舞することがあるかもしれません。
ほかにも、課外活動において、仲間として切磋琢磨してきた人が大会に出場するときなどに壮行会を開催することがあります。いずれの場合においても、一定期間の別れがあり、なおかつ前途を祝すきっかけ(大会出場や栄転、転勤など)があることが前提となります。
壮行会の幹事が実施すること
壮行会を開催するときは、仲間内の誰かが幹事を引き受け、会を取り仕切る必要があります。参加者たちが「参加してよかった」と思い、送り出される人が「素敵な会を開いてもらえた」と思えるように、壮行会の幹事は次のことを実施しましょう。
・参加者のスケジュール調整
・会場の予約・準備
・壮行会当日の進行
それぞれのポイントを解説します。
参加者のスケジュール調整
まずは壮行会の主役に、開催可能な日時を尋ねます。転勤や長期出張の前は、なにかと忙しくスケジュールが決まっていることもあるため、早めに相談して日時を決めておくことが必要です。
スケジュールを決めたら、参加者に周知しましょう。早めに周知することで、より多くの人の参加に期待できます。
会場の予約・準備
次は予算を決めます。職場で壮行会を開催する場合は、経費を使えるのか上長に尋ねてみましょう。会食費と参加人数、主役に渡す花束やプレゼントの代金を書き出し、1人あたりの参加費を決めます。壮行会の目的によっては、役職によって傾斜をつけて参加費を決めるほうがよいかもしれません。
次に会合の場所を決めます。社内の会議室などで開催するのか、レストランやカフェなどを貸切るのか、参加者の人数や主役の職位などにも配慮して決めましょう。外部のレストランなどを利用する場合には、職場の近くや駅周辺などのアクセスしやすい場所がおすすめです。
食事の内容についても吟味する必要があります。参加者全員の意見を反映することは難しいため、出欠を取るアンケートに3つほどお店の候補を挙げ、選んでもらう方法もひとつです。参加者のなかにはアレルギーのある方もいる可能性があるため、アレルギーへの配慮が可能なお店であるとさらに安心です。
また、参加者によっては、急に外せない用事ができて壮行会に参加できなくなる可能性があります。幹事の電話番号やメールを開示し、参加できないときは早めに知らせるように伝えておきましょう。
壮行会当日の進行
壮行会当日の進行も、幹事の役割です。誰がどのような順番で挨拶をするのか、また、乾杯の音頭は誰が取るのか、花束を渡すのは誰かなども決めておくとよりスムーズに進みます。
あまり夜遅くなると参加者の家族にも迷惑をかける可能性があるため、事前に閉会時間を決めておくことも大切です。主役はもちろん、参加者すべてが「参加してよかった」と思える壮行会になるように準備をしましょう。
状況にふさわしい集まりを開催しよう
送り出す会合には、壮行会や送別会、激励会などの種類があります。送り出す理由や、帰ってくるかどうかなどによって、適切な会合を選ぶようにしましょう。
幹事に任命されたときは、主役と参加者すべてが楽しく過ごせるように、スケジュール調整や会場の予約、当日の進行を丁寧に準備することが大切です。社外のレストランなどで開催するときは、できれば一度下見に行き、アクセスしやすいか、会合の目的に合う雰囲気なのかなどをチェックしておくとよいでしょう。
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