私にとってのお守りジュエリー
少しずつ年の瀬が近づいてきて、いよいよ雑誌も12月号。12月号といえばジュエリー特集、ですね! 新調する予定はなくても、ページをめくるたびに心がきらめく大好きな企画です。
ジュエリーやアクセサリーはアナウンサーの仕事ではあまり付けられません。スタジオでは衣装と合わせてスタイリストさんが用意してくれますが、あくまでも主役であるニュースの邪魔にならないよう、大きなモチーフや、揺れるような目を引くデザインなどは避けなくてはいけません。ただ、プライベートでは、思い思い楽しんでいます。
きっかけは2012年ロンドンオリンピックのお仕事
今回は私のお守りジュエリーと、ターニングポイントとなった仕事についてお話しします。
私のお守りジュエリーは、この写真の右手中指につけているゴールドのリングです。ハーフエタニティのシンプルなもので、かれこれ11年、愛用しています。このリングを購入するきっかけとなったのが、私のキャリアにとって重要な仕事でした。
それが、2012年夏、ロンドンオリンピックの現地派遣キャスターです。
オリンピックには各局から3~4人のアナウンサーが派遣され、期間中の取材、インタビュー、競技中継の進行、番組での中継リポートなどを分担します。
大学の卒業論文のテーマも「オリンピック」で、アナウンサーとして、いつかオリンピックを現地で取材してみたいと思っていましたが、当時スポーツ番組を担当していた関係で、入社2年目の夏にチャンスをいただいてしまったのです。
日本にいる間に先輩方に話を聞き、過去の映像を見て、選手・チームの取材に足を運び、各競技の勉強をするなど、できる限りの準備をしたものの、いざ現地に行ってオリンピックが始まると、まさしく“キャパオーバー”でした。
毎日数多くの競技が行われ、さまざまな感動や興奮があるものの、それを「どう描写する?」「どうすれば日本の視聴者の方に一番伝わる?」と考え出すと常に時間が足りず、言われることに応えるだけで精一杯でした。
何か自分なりの工夫や、貢献できた実感などはなく、ようやく一息ついた帰りの飛行機では、ああすればよかった、こうすればよかった、と反省ばかりで12時間ほとんど眠れませんでした。
日本に帰ってきて、できたこと、できなかったことを振り返ると、悔しさも大きいけれど、現地の熱気、選手の思いを日本に伝える、これがアナウンサーという仕事の醍醐味の一つであり、やりがいであると強く感じました。
アナウンサーとしてもっと成長し、この経験を糧に4年後のリオデジャネイロオリンピックでは絶対にもう一度現地に行き、もっと臨場感を持ってお伝えできるキャスターになりたい…! ロンドンに行くまでは、アナウンサーとしてやっていけるかな、と不安ばかりだったのですが、向き不向きなんて置いておいて、ここから4年間努力するんだ、やるしかない! と気持ちが定まった経験でした。
オリンピックの仕事のあと、気持ちを新たに
そんな決意と、約1か月の海外出張を終えたご褒美として手に入れたのが、このお守りリングです。
これからスポーツ現場の取材に行く時、取材内容をまとめ資料づくりをするデスクワークをする時などに視界に入り、手元で輝いて自分を鼓舞するものになればと思って選びました。
あれから11年が経ちましたが、いまだに当時の悔しさ、そして、アナウンサーとして働いていく覚悟を思い起こさせてくれる“お守り”で、大切に着用しています。
と同時に、流行のないデザインを選ぶと、何年たっても変わらず長く愛用できるのだな、ということも勉強になりました。そしてシンプルが故に重ね付けも可能…ということで、色々組み合わせるのも楽しいです。
Oggi12月号のジュエリー特集を読みながら、妄想を膨らませたいと思います…!
日本テレビアナウンサー 徳島えりか
1988年9月生まれ、東京都出身。O型。慶応義塾大学 法学部政治学科卒業後の2011年4月、日本テレビに入社。現在は、『シューイチ』『news every.』を担当。
Instagram → @tokushima_erika
Twitter → @tokushima_erika
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