食べることは大好きだけど食リポには苦戦!
今回は「食リポ」で意識していることをお話したいと思います!
アナウンサーの中には、何かを食べて、その瞬間から味の描写や感想がとめどなく溢れてくる人、というのも、たまにいます。うらやましいです。そういう方は食リポが楽しくて仕方ないのではないでしょうか…。
私は食べることが大好きですが、なんでも“おいしい”と感じてしまうお得なタイプで、違いの分かる繊細な舌は持っていません。「おいしい!」に続く言葉が出てこず苦戦してきました(以前、『有吉反省会』という深夜番組で「食リポが下手すぎること」を反省したこともあります…)。
ただ、情報番組を担当していると、「食リポ」は定期的に訪れます。では、どうすればより視聴者の方にその料理の魅力を伝えられるのか? 日々模索してきた作戦をご紹介します。
こういう職業でもないと、何かに活かせる機会はないでしょうが、こんなことを考えているのかと、ご笑覧ください…。
徳島流、上手に食リポするための作戦とは?
1|お客さんの観察やお店の方へのリサーチ
まず、重要なのが取材です。
スタッフ陣が事前に必ず下調べに来ているので、食べた感想を聞き、たとえば海鮮丼なら「丼のボリュームを描写したあと、お店一押しのエビから食べましょう」なんておおまかな方向性、プランを相談します。
そしてお店に着いたら、まわりで召し上がっているお客さんのリアクションをじっくり拝見し、どんなところでテンションが上がっているのか観察したり、たまにはコメントを真似させていただいたり…。
そして何より、実際に料理を作っているお店の方へのリサーチは欠かせません。もし「コクがでるまで6時間煮込むことがこだわりです」なんて話が聞けたら、いざ食リポの際には「奥深い味わいですね」「うまみがすごい」なんて、“コク”という言葉を自分の感じたこと、感性になるべく近い言い方に言い換えてみます。
そこから「ここまで煮込むのには時間がかかりそうですね?」なんてお店の方との会話にできれば、ただ一人で感想を述べているよりも飽きずに見ていただけるかな、と思っています。
2|見た目や音、香りを言葉にしてみる
もう一つ、食リポの内容で気を付けているのは「五感」です。
食べた際の味についてだけでは、どうしても限界があります。ですので、見た目(=色あざやかさ、具材の大きさ)や音(=鉄板のジュージューという音、新鮮な魚介がはねる音)、このあたりはお料理を見てまず話すようにします。
といっても、ビジュアルと音は、テレビをご覧の方にとっても、見ればわかること。忘れがちなのが「におい、香り」です。これはテレビでは伝えられません。料理が提供された瞬間の香ばしさ、ほおばった瞬間鼻に抜けるかぐわしさ…この「香り」を言葉にするのはとても難しいのですが、どうにか言葉を絞り出すようにしています。
ちなみに、ワインの香りの表現というのがとてもおもしろくて、勉強になるので、一時期ソムリエの方のブログばかり読んでいました(笑)。
3|自分が得意な味でなくても良いところを探す
また、うそを言わないことも大切にしています。
せっかく時間を割いて協力してくださっているので、いただくものの良いところを探すようにします。得意な味ではなかったとしても、「はじめて食べる味です」「好きな人は止まらないでしょうね」「癖になるんだろうな」…こんな表現をしながら説明することで、どんな味なのか気になって食べてみたくなる人がいるかもしれません。
そして「徳島さんが食べているロケを見て、私も食べたくなったのでお店に行きました」と言っていただくのが、何よりの幸せです。
日本テレビアナウンサー 徳島えりか
1988年9月生まれ、東京都出身。O型。慶応義塾大学 法学部政治学科卒業後の2011年4月、日本テレビに入社。現在は、『シューイチ』『news every.』を担当。
Instagram → @tokushima_erika
Twitter → @tokushima_erika
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