相手のココロをつかむ「第二印象」
第二印象は、会話の受け答えや相槌、気使いなど、相手とのコミュニケーションの過程で判断されるもの。自分をよく見せるためではなく、相手が心地よくいられるように、自分を信頼してもらえる振る舞いが大切です。
Oggi読者へのアンケートでは、「自分の第一印象に自信がない」人は50%超という結果に。第一印象に自信がない人ほど、自分の印象は、今からでも、何度目でも、十分挽回できるんです!
第二印象について教えてくださったのはこちらのお二人
ビジネスイメージコンサルタント・西松眞子(にしまつ・まこ)さん
大学教員を経て、イベントプロデュース会社でビジネスマナーの指導にあたる。その後、心理学、色彩学を学び、企業でイメージアップのための講演・研修を行う。著書に『第二印象で好かれる技術』(講談社)など。
心理学者・内藤誼人(ないとう・よしひと)さん
社会心理学をベースに、ビジネスの場で使える実践的なテクニックを紹介。『第二印象で取り戻せ「挽回」の心理学』(毎日新聞出版)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など著書多数。
【仕事編】第二印象のお悩みQ&A
Q. 話しやすい雰囲気があるのか、面倒なことを頼まれがちです
「職業柄、聞き上手を心がけていて、周りからも話しやすいと思われているのか、頼みごとをされたり仕事を押しつけられたりすることがあります。なんだか損な役回りでモヤモヤします」(Y・Sさん 31歳・法律)
A. あらかじめ断り文句を決めておいて
「きっとこの方は親しみやすくていい人なんでしょう。頼まれごとを持ちかけられたくないなら、〝断るリハーサル〟をしておくことが大事。『こんなことを頼まれたらこう断ろう』など、角の立たない断り方と理由、セリフを決めて練習しておけば、スムーズに断れます」(内藤さん)
Q. 第一印象がピークになってしまい、後々ガッカリされてしまいます
「外面がいいのか、社内の人にもクライアントにも最初は好感を持たれるのですが、会うたびに反応が薄くなっていきます…。第一印象をよく見せすぎないようにするコツは?」(Y・Mさん 30歳・一般事務)
A. 無意識のうちに頑張りすぎかも
「見た目がよくて最初に好印象を与えられるのはいいこと。ただ、そこがピークになってしまうということは、頑張りすぎな部分があるかもしれません」(西松さん)
「知らず知らずのうちに肩に力が入って、自己アピールが強烈な印象を与えているのかもしれません。もう少しナチュラルに振る舞ったり、最初はあえて聞き役に徹したりするなど、少し自己アピールを抑えめにするといいでしょう」(内藤さん)
Q. 童顔のため、年上や男性の社員からなめられているような気が…
「顔つきが幼く、初めて会う人に威圧的な態度をとられます。仕事でも頼りない印象なのか、『大丈夫?』と聞かれることもしばしば。見た目だけで判断されるのは心外!」(S・Mさん 31歳・IT)
A. 仕事で結果を出せば問題ありません
「仕事の場面なら、成果を出せば済む話。童顔であること自体が気になるならメイクや髪型、服装を大人っぽくするなどして、イメチェンしてみては」(西松さん)
「童顔は頼りないけど親しみやすい、大人っぽい顔は頼りがいがあるけど険しく見えるなど、どちらにもプラスとマイナスの要素があります。あまり気にしないことです」(内藤さん)
Q. 人見知りで相手の目を見られず、おどおどしてしまいます
「昔から引っ込み思案で、初対面の人と話すのが苦手。緊張して顔がひきつってしまい、きっと私の第一印象は最悪です。慣れれば平気なのですが、仕事上困ることも多く、悩んでいます」(S・Aさん 29歳・IT)
A. 「相手にゆっくり慣れていく」のでOK
「内気な人は『第一印象が悪くてもしかたがない』と思っておいて。徐々に自分のいい面を見せていけば第二印象で十分挽回できます」(内藤さん)
「今はタイパの時代と言われますが、印象や性格はすぐには変えられません。時間をかけて相手と信頼関係を築いていって」(西松さん)
2023年Oggi11月号「『第二印象』をよくするとすべてがうまく回っていく!」
イラスト/市村ゆり 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部