相手のココロをつかむ「第二印象」
会話の受け答えや相槌、気使いなど、相手とのコミュニケーションの過程で判断される「第二印象」。自分をよく見せるためではなく、相手が心地よくいられるように、自分を信頼してもらえる振る舞いが大切。
読者から寄せられた「第二印象」にまつわる疑問に、プロふたりがアドバイス。あなたにも心当たりのある悩みがあるはず…⁉
教えてくださったのはこちらのお二人
ビジネスイメージコンサルタント・西松眞子(にしまつ・まこ)さん
大学教員を経て、イベントプロデュース会社でビジネスマナーの指導にあたる。その後、心理学、色彩学を学び、企業でイメージアップのための講演・研修を行う。著書に『第二印象で好かれる技術』(講談社)など。
心理学者・内藤誼人(ないとう・よしひと)さん
社会心理学をベースに、ビジネスの場で使える実践的なテクニックを紹介。『第二印象で取り戻せ「挽回」の心理学』(毎日新聞出版)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など著書多数。
第二印象を上げるためのお悩みQ&A
Q. しっかりしていると思われているけれど実はヌケてるんです…
「声が低く落ち着いて見られるため、〝デキる女性だ〟と思われがちなんですが、実際はミスや忘れものも多くって…。後で幻滅されてしまうのではないかとヒヤヒヤします」(N・Sさん 30歳・公務員)
A. ドジなところを見せるのは第二印象を上げるのに有効です
「抜け目なく見える人は〝近づきがたい〟と思われがち。ドジなところを見せるほうが、かえって親しみを感じられ第二印象が上がります。気をつけたいのは、何度も続くとただの〝ダメな人認定〟をされてしまうこと(苦笑)。ケアレスミスをなくすなど、自らの努力も必要です」(内藤さん)
Q. 顔立ちがハッキリしているからかキツい性格と思われがち
「目が大きく派手な顔立ちのため、よく『近づきがたいオーラがある』『怒っているの?』と言われてしまいます。怖くない人だと思ってもらえる方法はありますか?」(H・Tさん 26歳・事務)
A. 自分から「キツく見られるんですが、怖くないですよ!」と笑い話にする
「とりあえずニコニコ笑っていれば大丈夫。たとえば笑福亭鶴瓶さんの顔は、実は真顔だとちょっと怖いですが(笑)、いつもニコニコしているのでそうは見えないでしょう」(内藤さん)
「相手が思っていそうなことを自分から言ってしまいましょう。自分の弱みを先に開示することで、相手も自然と笑ってくれます。『背が高くてびっくりでしょ。170cmあるんです』など、応用も可能です」(西松さん)
Q. 自分では感じよく接しているだけなのに「媚を売っている」と言われます
「職場でよく『ぶりっこしてる』『いい顔してる』などと思われることが多くモヤモヤします。そう思われないようにするためにはどうしたらいいでしょうか?」(S・Nさん 29歳・メーカー)
A. それが「自分のいい部分」なのであれば信念で貫いて
「きっとこの方は笑顔が素敵な方なんだと思います。媚を売っている意識がなく、自然とそう振る舞っているのであれば、それはあなたに備わった素質です。周囲に何を言われようと、自問自答して『これが自分のいいところだ』と思うなら気にせずそのままでいてください。
逆に、相手と自分の関係を考えたうえで『人気とりのためにやっているかも?』と思うなら、やめたほうが健全です」(西松さん)
Q. しゃべると「頭が悪い」と思われそうで… つい愛想笑いでごまかしてしまいます
「会話のキャッチボールが苦手で知識にも乏しいため、薄っぺらな人間だとバレるのが怖い。このままじゃいけないこともわかっていますが、笑って流してしまいます」(A・Yさん 29歳・サービス)
A. 話した内容を調べて、後からリカバリーを
「カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の心理学者L・アルデンによると、人は自分に対して〝否定的な思い込み〟をすると言われています。相手には『頭が悪い』なんてバレてませんから安心して」(内藤さん)
「わからない用語があったら、後で調べて『昨日話していた〇〇〇、私はこう思いました』などフォローすれば、相手も『わかってたんだ』と感じます。愛想笑いで終わらせないのが大事」(西松さん)
2023年Oggi11月号「『第二印象』をよくするとすべてがうまく回っていく!」
イラスト/市村ゆり 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部