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結婚後、貯金・貯蓄してる? その理由は?
◆貯金をしてる人の割合
令和2年度「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」によると、30代の8.2%が「金融資産を保有していない」と回答。また、「預貯金口座または証券会社等の口座」に対し「口座は保有しているが現在残高はない」または「口座を保有していない」と答えた30代の割合は合わせて31.6%となりました。
◆貯蓄の理由
同データから、30代の「金融資産の保有目的」を見てみると、最も多いのが「こどもの教育資金」で76.6%。次に「老後の生活資金」が48.5%、「病気や不時の災害への備え」が44.6%となりました。
ほかにも、「旅行、レジャーの資金」21.2%や、「住宅の取得または増改築などの資金」20.8%などの回答がありました。
夫婦は毎月いくら貯めてる? 平均は?
先述のデータを参照に、夫婦の就業者数別の金融資産と貯蓄額をご紹介します。
◆専業主婦の場合
「世帯主のみ就業」の夫婦の金融資産保有額は1700万円、預貯金額は789万円。また、「配偶者のみ就業」の夫婦の金融資産保有額は1290万円で、預貯金額は579万円となりました。
◆共働きの場合
「世帯主と配偶者のみ就業」の夫婦の金融資産保有額は1472万円、預貯金額は647万円となりました。
◆年代別
年代別に見てみると、30代の金融資産保有額は644万円、預貯金額は284万円となりました。
毎月10万が理想? 夫婦の貯金の目安
「年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)」を見てみると、30代は「10〜15%未満」が29.7%と最も多く、「20〜25%未満」が12.7%、「5〜10%未満」が11.8%となりました。
毎月手取りの1割程度、多くても毎月手取りの2割までを貯金に回している人が多いといえそうです。
年間100万貯金は少ない?
「年間でいくら貯めればいいの?」「うちの貯金額は多いのか少ないのか知りたい」と思う人もいるでしょう。
「令和3年賃金構造基本統計調査」によれば、30代の平均年収は449万円。そのうち手取り額は8割程度と考えると359万円です。先述の、30代夫婦の貯蓄割合をもとに毎月10%を貯蓄していると考えると、1年間の貯蓄額は約40万円となります。毎月20%と考えると1年間の貯蓄額は約80万円。
仮に年間100万円を目標に貯めているなら、非常にしっかり貯められているほうだと考えられそうです。
これから夫婦で貯金をはじめるには? コツも紹介
◆先取り貯金をする
とにかく貯められない、貯め方がわからない、という人の多くは、預金口座の中にあるお金=貯蓄と考えたり、月末に口座に残っているお金から無理のない額を貯金に回していますが、それでは生活費と貯蓄がそれぞれどのくらいあるのか把握できなかったり、余裕がない月は貯蓄ができなかったりなどのデメリットがあります。
先取り貯金は、毎月お給料が入った時点で先に一定額を貯金口座に回す方法です。先に貯金するお金を確保しておくことで「お金がないから貯金ができない」ということを回避し、預金がどのくらいあるのかが明確になります。預金口座に自分でお金を移すのもいいですが、金融機関では「自動積立」などさまざまな名前で指定した日に指定した額を別の口座に移してくれるサービスもあるので、上手に利用しましょう。
◆貯蓄型の保険を利用する
どうしても自分で貯められないのなら、貯蓄型の保険商品を利用するのも一つです。生命保険には掛け捨て型と貯蓄型があり、貯蓄型の保険は、保障を得ながら貯蓄もできます。満期時や解約時にはお金を受け取ることができるのが、掛け捨て型の保険との違い。
掛け捨て型よりも保険料は高くなりますが、保険料を支払うだけで自然にお金を貯めていけるので、貯金ができない・保険は必要と考える人には最適です。
◆NISAに挑戦する
貯金とは異なりますが、資産を運用するという点ではNISAやつみたてNISAに挑戦するのもおすすめ。特に投資初心者の方は少額で長期にわたってコツコツ貯めていく「つみたてNISA」からはじめてみて。
毎月1000円でもいいのでコツコツ積み立てていくことで、将来お金が必要になったときに備えることができます。資産運用はリスクが生じる可能性もありますが、毎月積み立てることでリスクも分散できるので始めやすいといえます。
2024年から新たな制度が始まり、投資枠も広がり資産運用の可能性がさらに広がります。
30代夫婦のリアル貯金エピソード
〈30代後半/夫婦とも正社員の共働き夫婦〉
「夫婦とも30台前半で結婚したので、本格的な貯金は結婚後から始めました。毎月一定額を生活費口座に入れ、その中から貯金に回しています。あとは、それぞれの会社から企業型確定拠出年金をして、老後のための資金を用意しています」
40代夫婦のリアル貯金エピソード
〈40代前半/夫が正社員、妻がパートタイム〉
「20代半ばに結婚し、子どもが生まれたタイミングで貯金を意識し始めました。最初は貯蓄型の保険と学資保険のみでしたが、資産運用の知識をつけてつみたてNISAとジュニアNISA(2023年で終了)に加え、iDeCoも始めました。今は株価もどんどん上がっているので、早い段階で始めておいてよかったと思っています」
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お金を貯めることは難しい、と思っている人も多いですが、賢く貯金をすればお金を貯めることは簡単です。これらの方法を参考にしながら、自分に合った貯金の方法でお金を着実に貯めていきたいですね。
【参考】
家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年~令和2年)
ライター/コラムニスト コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。