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2025.08.31

リンカーンの名言を読み解く|「人民の政治」英語原文とゲティスバーグ演説

リンカーンの名言といえば、「人民の人民による人民のための政治」が有名です。貧しい農夫のもとに生まれたものの、大統領にまでなったリンカーンは、さまざまな名言を残しています。この記事では、「人民の人民による人民のための政治」の解説やリンカーンの他の名言、現代での活用例、よくある疑問と回答を紹介します。

この記事のサマリー

・「人民の人民による人民のための政治」は、民主主義を象徴するリンカーンの有名な名言です。
・この名言は南北戦争中のゲティスバーグ演説で語られ、今も世界中で引用されています。
・リンカーンの名言を日常のコミュニケーションで引用する際のコツを紹介します。

歴史に残る偉人の言葉は、時代を越えて人々の心に届くものですよね。中でも、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンが残した「人民の人民による人民のための政治」という一節は、民主主義の理念を表した言葉として有名です。

本記事では、この名言が生まれた背景や英語原文をひも解き、リンカーンが残した別のメッセージも取り上げます。そして、現代の生活へどう生かすかを、考えていきましょう。

あなたの言葉の引き出しを、リンカーンの名言によって豊かにしてくださいね。

「人民の人民による人民のための政治」とは?|ゲティスバーグ演説の全貌

南北戦争のさなかに行われたゲティスバーグ演説は、わずか2分余りの短さながら、今なお世界中で引用される歴史的スピーチです。この演説の中で、リンカーンは戦没者を悼むと共に、米国の未来に向け、民主主義の理想を語りました。演説の背景と、原文の一部分、演説の要約を見ながら、その内容を紹介します。

リンカーンの、ゲティスバーグ演説の背景と目的

1863年11月19日、南北戦争の激戦地ゲティスバーグで、戦没者を悼む式典が行われました。北軍が勝利したとはいえ、国は依然として分裂状態。リンカーンはこの場で、国家の再統一と民主主義の存続を強く訴える必要がありました。

記録によれば、演説では独立宣言の理念をふまえ、「自由の新生」を通じて国の再出発を呼びかけたとされています。ここでいう「自由の新生」とは、奴隷制度を終わらせ、改めて「すべての人は平等である」という建国の理念を国の中心に据え直すことを意味しています。

この演説の中で、あの有名な「人民の人民による人民のための政治」という言葉が述べられたのです。リンカーンは、内戦を生き抜いた民衆に向かって、新しい国を築こうとする強い決意を示しました。

リンカーン
(c)Shutterstock.com

“government of the people, by the people, for the people” 正確な和訳

英語の“government of the people, by the people, for the people” を直訳すると、「人民の、人民による、人民のための政府」となります。3つの“of / by / for” が並ぶリズムが、シンプルでありながら強い印象を残していますね。

日本では、この表現が「人民の人民による人民のための政治」と訳され、広く定着しました。英語の“government” には「政府」という意味の他に、「政治制度全体」を指す用法もあるため、日本語では「政治」と表現するのが妥当と考えられたようです。

リンカーンによるゲティスバーグ演説の要約

リンカーンが行ったゲティスバーグ演説は、とても短いものでした。冒頭でリンカーンは「87年前、我々の祖先は自由のもとに新しい国家を生み出した」と、独立宣言を想起させる言葉を用います。国家の原点を示した後に続いて、戦没者の犠牲を無駄にしないためにも、今こそ国民が自由と平等の理念を守る責任があると訴えたのです。

そして最後は、「人民の人民による人民のための政治を地上から絶滅させないために、我々がここで固く決意する」と結び、民主主義を未来へつなぐ強い決意を示しました。短いながらも、アメリカの民主主義の真髄を明確に定義し、南北戦争の大義を世界に示したといえます。

ちなみに、当時この演説自体は、人々の心を打つものではなかったようです。その価値が認められるのは、時代を経た後のことでした。

参考:『日本大百科全書』(小学館)

リンカーンのその他の名言

リンカーンの言葉は、政治家としての信念だけでなく、普遍的な人間としての倫理観を深く感じさせます。その中でも、現代に生きる私たちにも大きな示唆を与えてくれる2つの名言を紹介します。

「他人の自由を否定する者は、自らも自由を享受するに値しない。」

英語原文:
“Those who deny freedom to others, deserve it not for themselves.”

この言葉は、1859年4月6日付のヘンリー・ピアースに宛てた手紙に記されています。奴隷制が依然として存在していた時代、自らの自由を当然のように享受しながら、他者の自由を奪うという、矛盾した行為を強く非難しています。

現代においても、この言葉は私たち自身の行動を省みるきっかけになります。ビジネスや社会生活の中で、無意識に「自分はいいが、他者はダメ」という態度をとっていないか。自由や権利のあり方を考える上で、この言葉は常に心に留めておきたい大切な視点です。

「正義こそが力の源である。」

英語原文:
“Let us have faith that right makes might, and in that faith, let us, to the end, dare to do our duty as we understand it.”

この名言は、1860年2月27日、リンカーンが大統領になる前、ニューヨークのクーパー・ユニオンで行った講演で述べられました。彼は、奴隷制に反対する一市民として、信念に基づいたメッセージを聴衆に届けました。

直訳は、「正義が力を生むと信じ、私たちが理解する義務を最後まで果たす勇気を持とう、その信念のもとに。」です。

「力が正義を決める」という一般的な考え方とは逆に、「正義が力を生む」という価値観を提示するこの言葉は、困難な状況でも信念を貫くことの重要性を説いています。

私たちの身近なところでは、リーダーシップやプレゼンテーションの場面で、倫理観を伴う行動の意義を伝える際に、力強いメッセージとなります。

暗闇に馬で移動する人々
(c)Shutterstock.com

リンカーンの名言から学ぶ、現代のコミュニケーション

リンカーンの言葉には、時代を超えて通用する普遍的な知恵が詰まっています。職場や日常での人間関係、そしてリーダーシップにおいて、重要なヒントを与えてくれるので、深く掘り下げてみてみましょう。

指導場面で生かせるリンカーンの名言

「他人の自由を否定する者は、自らも自由を享受するに値しない。」
英語原文:“Those who deny freedom to others, deserve it not for themselves.”
出典: 1859年4月6日 ヘンリー・ピアース宛の手紙

先ほども紹介したこの言葉は、ハラスメント防止や心理的安全性が重視される現代の職場において、改めて深く響くメッセージです。リーダーシップやチームマネジメントでは、立場や経験の違いにかかわらず、相手の意見や選択の自由を尊重する姿勢が不可欠です。

筆者自身、チームでの会議や後輩の相談に対する場面で、「これは本当に、本人の意思を尊重したやりとりだったか?」と振り返ることがあります。悪気がなくても、無意識のうちに相手の自由な発想や、成長の機会を狭めてしまうことは、誰にでも起こりうることです。

リンカーンの言葉は、「相手の意思を尊重できているか?」と自問し、よりよいコミュニケーションを築くための指針を与えてくれます。押し付けや独断を避け、相手の考えに耳を傾ける姿勢を大切にしたいですね。

活用例(後輩への声かけ)

後輩にアドバイスを求められたときには、次のような声がけができます。

「誰かの考えを否定しそうになったとき、一度立ち止まって考えてみて。相手の自由を尊重できているか…?『他人の自由を否定する者は、自らも自由を享受するに値しない』ってね。」

窓際で本を読む女性
(c)Shutterstock.com

リンカーンの名言に関するFAQ

ここでは、「リンカーンの名言」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1. 「人民の人民による人民のための政治」は誰の言葉ですか?

A. アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉です。

1863年のゲティスバーグ演説で述べた一節です。民主主義の理念を簡潔に表現した言葉として知られています。

Q2. 英語ではどのように言いますか?

A. 英語原文は“government of the people, by the people, for the people” です。

最後に

リンカーンが残した「人民の人民による人民のための政治」という言葉は、150年以上経った今も民主主義の象徴として引用され続けています。その背景には、南北戦争という国の存亡をかけた試練と、それを乗り越えようとした強い信念がありました。

日常のビジネスで引用すれば、会話に深みを加え、自分自身の言葉の引き出しも広がります。時代を越えて響くリンカーンの言葉を、自分らしい形で生かしてみてください。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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