結婚が決まった際、「会社への報告はどうしよう?」と疑問に思う方も、いらっしゃるのではないでしょうか? 結婚となると、挙式や披露宴、新婚旅行など、準備することが目白押し。そんな慌ただしさの中、会社への報告も必要となると、「考えることが多すぎる!」とお悩みの方も、いらっしゃるかもしれませんね。
そこで、この記事では、会社への結婚報告のポイントや、会社へ早めに報告した方が良い理由を解説します。結婚報告の仕方は、その後の仕事のしやすさにも関わってくる内容ですので、おさえておくと安心ですよ。
結婚報告はなぜ必要なの?
そもそも、なぜ会社に結婚を報告する必要があるのでしょうか? 「プライベートなことだから、言う必要はないのでは」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、社員の結婚は、会社の労務管理上、様々な影響があることをご存知ですか?
例えば、結婚して名字が変わった場合、戸籍名と社内で管理している名前が違ってしまいますよね。また、健康保険証の切り替えや、給与の振り込み口座名の変更などにも関わってきます。もし会社に報告しない場合、戸籍上の氏名が一致しないことで、公的手続きに支障が出るなど、思わぬトラブルに発展することも。
また、結婚後に配偶者が仕事を退職する場合、扶養手続きなども必要になるケースがありますよね。もしくは、逆パターンもありえます。
さらに、将来子どもを授かった場合も、扶養手続きや育休関連の手続きが発生する可能性大。これらは、原則会社を通して手続きをする必要があります。結婚報告をしないまま、急に手続きを依頼した場合、会社からすると、「いつのまに結婚していたの?」という話になりかねません。
また、共働きでも、家族情報や、緊急連絡先などを確認されることもありえます。いずれにせよ、会社に結婚報告をしないと、様々な不都合が生じますので、早めに報告するようにしてくださいね。
どのくらい前に言うべき?
会社への結婚報告は、どのくらい前にするべきなのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか? 一般的なケースを見ていきましょう。
原則として、少なくとも入籍の3か月程度前には、結婚を報告するのが一般的です。また、結婚後に退職を検討している場合は、さらに期間に余裕をもって伝えておくケースも。退職者が出た場合は、その人の業務の引き継ぎや、後任の募集採用などにも関わってくるからです。
あまりギリギリの報告だと、迷惑をかけてしまうでしょう。これによって、ギスギスした雰囲気になり、働きにくくなってしまうことも考えられます。ゆとりあるスケジュールで報告をするのが安心ですね。
早すぎも考え物?
あまりにも早すぎる報告も考え物です。報告が早すぎる場合の、注意点も見ていきましょう。
例えば、「私たちそろそろ結婚しようか」などの、カジュアルな会話だけで、先走ってしまったという話もあると聞きます。具体的なことが何も決まってない段階で報告してしまうと、上司や同僚も困惑してしまうでしょう。
結婚式の有無や、入籍日、結婚後の働き方や、住所、氏名変更の有無など、会社が確認したいことは山積みです。その際、あまりにもあいまいな報告だと、「はっきりして欲しい」と思われてしまうかもしれませんね。
また、「やっぱり結婚は、まだ先になりそう」などと、話が変わる場合もありえます。そうなった時に、気まずい思いをしてしまう可能性もあるでしょう。
そのため、結婚の報告は、正式に入籍日が決定してからにするのが無難です。結婚式については、後から考えるという場合、入籍日と、氏名や住所変更の有無などを先に報告しておくのも一つの手。その際、「結婚式については、現在相談中ですので、決定次第改めてご連絡させてください」などと言っておくと良いでしょう。
伝える際に気を付けることは?
ここからは、結婚を会社に報告する際、気をつけた方が良いポイントも解説します。同じことを報告するのにも、伝え方は重要ですよね。スムーズに報告できるように、ぜひチェックしてみてください。
1:伝える順番
会社への結婚報告で、まず気をつけたいのは、伝える順番です。原則は、直属の上司に直接報告をするということを、おさえておきましょう。中には、飲み会やランチの席などで、仲の良い同僚に、先に言ってしまうという人もいるようです。ですが、これは思わぬ地雷を踏んでしまう可能性がありますよ。噂が上司の耳に入った場合、「なぜ自分に報告がないのか」と思われてしまうこともあるからです。
また、「自分は部下に信用されていないのかもしれない」などと、信頼関係を崩してしまう原因にもなるでしょう。噂話は、あっという間に広がってしまうもの。うっかり、同僚などに先に話してしまわないよう、気をつけたいところですね。
2:入籍のみの場合
入籍のみの結婚の場合、その旨も伝えるようにしましょう。というのも、結婚式の招待をされるかどうかを、事前に知っておきたいという上司や同僚もいるからです。
会社によっては、上司が結婚式に出席して、スピーチなどをすることが、伝統になっているところもあるようですね。そのような場合、「てっきり結婚式があると思っていたのに」ということになってしまいかねません。結婚報告と合わせて、入籍のみであることを、伝えておくのが安心ですね。
3:会社への申請事項の確認
会社によっては、上司への報告とは別に、人事部や総務部などに、「身上異動届」などの申請が必要になることも。氏名や住所の変更、扶養申請の有無など、会社が情報を管理するために、書類の提出が求められるケースもあります。
手続き方法や、どんな内容の申請が必要かは、まずは直属の上司に確認してみるのが良いでしょう。上司が申請方法を教えてくれることもあれば、直接担当部署に確認するようにと、指示されることもあるかもしれません。いずれにせよ、上司に報告して終わりではない可能性をふまえておくと、手続き漏れを防ぎやすくなりますよ。
最近では、書類ではなく、システムなどを使って人事部へ申請するということもあるようです。会社のルールによりますので、上司への報告と合わせて、忘れずに確認してみてくださいね。
最後に
この記事では、会社への結婚報告のポイントや、会社へ早めに報告した方が良い理由を解説しました。結婚報告の仕方は、その後の仕事のしやすさや、職場での人間関係にも影響が大きいものです。スムーズに報告できるよう、おさえておきたいですね。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。ライター所属:京都メディアライン