働く私たちのひとり時間【独身編】
暮らし方や働き方によって、時間の使い方は大きく変わってくるもの。それぞれのライフスタイルの中で、“ひとり時間”は、どのような価値を持つのでしょうか。今回は、ラジオを中心にフリーランスのラジオ/テレビディレクターとして活躍する秋葉成美さんにお話を伺います。
▲秋葉成美さん(28歳・実家暮らし)
あきば・なるみ/大学時代のテレビ局でのアルバイトを機にマスコミの世界へ。現在はフリーランス ラジオ/テレビディレクターとしてラジオを中心に活動中。母・祖母との3人暮らしで、子供のころからひとり時間が大好き。
秋葉成美さんのひとり時間|仕事終わりのランニング
仕事でモヤモヤした頭も無心で走っているうちにスッキリ。完走するたび自信もついて、心も体も強くなりました
ラジオ番組のディレクターとして、週に3回、放送がある日は朝4時台に起きて出勤しているという秋葉さん。ハードな日々を癒すのは、昨年3月に始めたランニング。
「SNSで『完走するとティファニーのメダルがもらえる大会がある』という情報を見かけ、勢いで申し込んじゃいまして。当日、フルマラソンをなんとか完走したものの、タイムに納得がいかず…。次こそは! と練習開始、ハマったという感じです。
今は毎日、仕事が終わったあと、夕方に50分走るのが日課。私、もともと考えすぎてしまうタイプで、ラジオの仕事って正解がないから『あれでよかったのかな』『もっといい方法があったかも』とグルグル考えてしまうんですよね。
その点、マラソンはゴールがあるのがいい。走って、頭を空っぽにして、家に着いて、ストレッチしながら『考えるのはここまでにしよう』と気持ちを切り替えるまでがワンセット。この時間で自分の心を整えているんだと思います。
それに、日常であんなに足ガクガクになるまで自分を追い込めるものはないですから(笑)。完走できると『自分、けっこうやるじゃん』と、自信もつきます。
私はこれまであまり旅に出る機会がなかったんですが、この1年で10市町村の大会に出場し、地方への興味も出てきました。
東京で仕事するのがかっこいい、とマスコミの仕事にこだわっていたんですが、次は地域密着型の仕事に就くのもいいかな。ひとり時間をもつことで、夢がどんどん広がっています」
ある日のスケジュール
〈放送がある日〉
郊外の自宅から、1時間半かけて通勤。打ち合わせ、本番、反省会を経て昼過ぎに帰途へ。家族との夕食までがひとり時間。
朝のラジオ番組を週3回担当。
〈放送がない日〉
いつもは朝が早いぶん、好きなだけ朝寝坊。部屋の掃除を済ませ、リサーチや事務仕事を片づけたあとは、夕食、入浴以外の寝るまでの時間はすべてフリー。
▲夕方ランがいつもの定番
「ランニング以外は、部屋の片づけをしたり、ネットを見たりすることが多いです。大会へ出場するときは、日帰りか1泊2日で遠征。行って、走って、帰ってくるだけ。観光は走りながらします(笑)」
ちなみに走り始めて1年で出場した大会はフルマラソン、トレイルラン、70km超のウルトラマラソンなど、北海道から沖縄まで10大会!
ひとり時間のMyルーティン
今は友達からの誘いより、ランニングを優先!
今は人からの誘いは断り、マラソンに全集中。
「ランニングを始めたばかりなので、今は自分の体に向き合う時間にしたい。一生に一度くらいそんな時期があってもいいのかな、と思っています」
大会への参加が続けるモチベーションに
月に一度は出場すると決め、先々の大会まで予定を入れている。
「出ると決めてしまえば練習もサボらずやるかな、と。旅ベタだった私が全国各地に行くようになるなんて! 自分でも驚きです」
2023年Oggi4月号「今、ひとり時間は『さみしい』んじゃなくて『かっこいい』」
撮影/深山徳幸 構成/佐々木 恵・酒井亜希子・吉田 梓(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部