働く私たちのひとり時間【既婚・子あり編】
暮らし方や働き方によって、時間の使い方は大きく変わってくるもの。それぞれのライフスタイルの中で、“ひとり時間”は、どのような価値を持つのでしょうか。今回は、妻であり母、そして仕事ではインターネット広告企業・マイクロアドのメディア部部長として活躍する三枝 香さんに、“ひとり時間の過ごし方”を伺いました。
▲三枝 香さん(44歳・夫、息子と3人暮らし)
みえだ・かおり/’04年、サイバーエージェント大阪支社に入社。’09年にマイクロアド大阪支社へ出向後、’11年に同社東京本社に異動。39歳より現職に就任。
三枝のひとり時間|肩書きのない、“何者でもない自分”に戻る時間
結婚・出産で週末が自分だけの時間ではなくなったことを機に、月に1回程度休暇を取り、ひとり時間を確保するようになった三枝さん。
「私にとって、ひとり時間は“何者でもない自分”に戻る時間。会社では部長、家では妻、母…。いろんな“肩書き”があると、その名前に見合う自分でいなければならないと無意識に背伸びしてしまうんです。
でもひとりになってただの“三枝 香”に戻ることで、そんな自分を客観視できるというか…。肩書きのある自分とのバランスがとれるようになりました。仕事や家庭内でうまくいかないことがあっても、『まあまあ頑張ってるじゃん』と自分を褒めたり、許すことができるんです。
ひとり時間といっても、家族や仕事のことは多少考えます。買い物をしていても『これ、息子にいいな』とか。部長や母である私と素の私を完全に分けることはできないし、生活にはっきりメリハリがつくわけでもない。でも、ほんの数時間自分の時間を持てるだけで、とてもラクになれるんです」
ひとり時間は、“ご褒美”扱いをしないのがモットー
「休むためにふだんの仕事を詰めるのではなく、リフレッシュしたいタイミングで休暇を取ります。独身時代は登山やインド旅行など特別な体験にこだわっていましたが、ひとり時間を長くは確保できなくなった今、カフェでボーッとしたり、パン屋さんを巡ったり…。そんな日常の延長が幸せなんです。等身大の自分で、ひとり時間を楽しめるようになりました」
ある日のスケジュール
【平日】
「朝、子供を保育園に連れていくのは夫、お迎えは私が担当」
午前中の仕事はメンバーとの打ち合わせがメイン。帰宅後は家事・育児が中心。子供を寝かしつけながら一緒に寝てしまうことも。
【午後休暇を取る日】
午前中に4時間働いたら、午後から子供を迎えに行くまでの間、ひとり時間を堪能。朝から休暇を取る日の午前は、たまった家事を片づけるのが定番の過ごし方。
「焙煎士のいるカフェで、コーヒー豆を煎る様子を眺めるのが至福のとき。なるべく仕事のことは頭に入れないようにしていますが、数時間に1回は社内チャットを確認し、自分のところで進行が滞らないように心がけています」
ひとり時間のMy ルーティン
行きたいパン屋の情報をスマホにストックしておく
気になるお店はお気に入り登録しておき、その日の気分で行き先をセレクト。
「家に持ち帰ることが多いですが、天気がいい日は近くの公園で食べることも」
週末はひとり時間はとらず家族で過ごす
土日は午前中公園で遊び、そのままランチ、買い物へ。帰宅後から寝るまでもずっと一緒。
「次の休暇を楽しみに(笑)、土日は家族デイと決めて、夫、息子と過ごす時間を大切にしています」
2023年Oggi4月号「今、ひとり時間は『さみしい』んじゃなくて『かっこいい』」
撮影/深山徳幸 構成/佐々木 恵・酒井亜希子・吉田 梓(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部