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2023.03.20

料理家SHIORIさん お仕事本発売記念! 働く30代の「こんなときどうする?」に答えます<前編>

料理本『作ってあげたい 彼ごはん』シリーズが累計417万部の大ヒット。料理ビギナーや女性から人気を集める料理家のSHIORIさんの最新著書は、「仕事術」がテーマ。発売にあわせ、Oggi世代がぶつかる仕事上の壁に対し、SHIORIさんならではの仕事術をベースに答えていただきました。

自分の壁を取り払い、失敗や弱みをさらけ出せば、ものごとは好転する

心も体も、そして働く環境も、変化の多い30代。大人気料理家のSHIORIさんも、同様だったといいます。そこで迷える30代読者のために、SHIORIさんが実践してきた仕事術をベースに、アドバイスを贈ります。そこには力強いエールとともに「幸せに働く」ための実践ノウハウがたっぷり。この記事では、人間関係を中心にした3つのケースをご紹介します。

CASE1:仕事でミスしちゃった! どう挽回する?

「素直に認めて解決策にのぞめば、人間関係を深めるいいチャンスに」

まずお伝えしたいのは、だれも完璧ではないし、ミスをするのは当たり前だし、そのほうが自然だということです。だから、大事なのは、トラブルやミスを起こしたとき、逃げずにどう真摯に向き合って乗り越えるか。

もちろんミスを防ぐ心がけは必要ですけれど、ミスに対応する姿勢しだいでは、信頼を得るいいチャンスになると私は思っているんです。

企業の不祥事が起こったとき、人のせいにしたり、うやむやにしたり、言い訳をしたり…。なんていう光景を見かけますよね。それって、見ている人の心が離れていくだけ。それよりも、潔く認めて、謝罪して、責任をとって、そのうえで解決策を提示する。それが大事なのではないでしょうか。

私の場合なら、オンラインレッスンのために準備はしっかりするけれど、本番でのミスはどうしても起こります。あえてミスしたことを言わなくてもわからないこともあるし、それで済むのかもしれないけれど、私にとっては生徒さんたちとの信頼関係は何より大事。

素直にミスを伝えて、あとから修正したり補講したりもします。そうすることで、生徒さんからの好意的な声はもちろん、さらに活発に意見交換もできて、いい循環ができる。自分が素直になることで、相手からの声も素直に入ってくるんです。

部下を持っている人なら、自分のミスを認めるのは、恥ずかしかったりしますよね。でも、素直に認めることができたら、後輩にしてみれば距離が一歩近づくと思うはず。ミスをしたときこそ、人間関係を深めて、ぜひ次につなげてほしいと思います。

手作りのPOPやボード

▲オンラインレッスンで使用するボードやPOPは手作り。メモや原稿執筆はすべてスマホで行う。

CASE2:なにかとネガティブにものごとを考えがちです。

「ネガティブだから気づけることはたくさん。悪いことばかりじゃありません」

私自身も、実はめちゃくちゃ心配性で小さなことも気にする性格です。でも、だからこそ、事前の準備はしっかりするし、いろんなケースを想定して先回りして考えます。

「これだけやったから大丈夫」って言えるところまで準備するので、それで失敗したらしょうがないと、開き直って堂々とすることもできます。その結果、「SHIORIさんはポジティブですね」と言われることもありますが、とんでもない。ネガティブだからこそ、の結果です。

新しいことを始めるのに、リスクはつきものだし、ネガティブになることもあるでしょう。それでもそこに新しい価値が生まれるチャンスがあるなら、私は挑むべきだと思います。

でも、そのリスクが現実に起こらないように最大限の準備をする。その過程では、ネガティブだから気づけることもたくさんあるはずですよ。

SHIORIさん

CASE3:仕事仲間とのコミュニケーションが難しい…。

「自分から心を開けば、コミュニケーションのよい循環が始まる」

20代のころ、こんな経験がありました。一緒に仕事をしたある先輩女性から、「SHIORIちゃんは、何重もの鎧をまとっている」と言われたのです。そして、「SHIORIちゃんが沢山の鎧を着ている限り、一緒に良い仕事をするのは難しい」とも。

そのころの私は、すでにベストセラーを生み出し、仕事は順調だったけれど、もともとコミュニケーションは苦手だし将来は不安だらけ。誰にも本当の気持ちをわかってもらえないだろうと、壁をつくっていたのです。そんな最中で彼女に教えられたのは、自分が心を開くことで相手も心を開くということでした。

その日を境に、壁を取り払い、相手にとって安心して話せる人にならなきゃダメだと思い直した私。お互いが心を開き、そこにいい化学変化が生まれ、成果が出るということもわかりました。

それまで私の仕事は出版が中心でしたが、コミュニケーションの楽しさに気づいて、ダイレクトコミュニケーションである料理教室を主軸にした仕事に転換しました。

特別な話術は一切必要なし。みなさんも、コミュニケーションの前にまずはオープンマインドを心がけてみてください。自分の失敗や弱みをあえてさらけ出すのも、いいと思います。

私自身でいえば、料理はできても掃除も片付けも大の苦手。それを隠さず、生徒さんにもオープンに話します。相手との距離も縮まるし、相手からも意見やアイディアが生まれやすくなる。新しい仕事の可能性も拓けてくる。いいことづくめの好循環、ぜび試してみてください。

料理で幸せを届け続けてたどり着いた おいしい仕事術

料理で幸せを届け続けてたどり着いた おいしい仕事術』(小学館)

コロナ禍、子育てなどを経て、生き方・働き方を変えるタイミングで、SHIORIさんが迷いながらも実践してきた、「幸せに働く」ためのルールをわかりやすく書いたお仕事エッセイ。SHIORIさんならではのコミュニケーション術や仕事の作り方はもちろん、オンライン料理教室『L’atelier de SHIORI Online』の活動をとおして得た、コンテンツ作り、SNS術など、実践的なノウハウもたっぷり。

▶後編に続く

撮影/廣江雅美 取材・文/南 ゆかり

SHIORIさん

料理家/L'atelier de SHIORI主宰 SHIORI

1984年生まれ、埼玉県出身。22歳でレシピ本『作ってあげたい彼ごはん』を出版。以後同シリーズがベストセラーとなり、現在までの著書累計は417万部を超える。フランス・イタリア・タイ・ベトナム・台湾・香港・ポルトガル・スペインでの料理修行経験があり、世界各国の家庭料理を得意とする。結婚・出産を経て、現在は約1万人の生徒数を誇るオンライン料理教室『L’atelier de SHIORI Online』を主宰。YouTubeでのレシピ発信、InstagramやNoteなどでの料理だけではないライフスタイルの発信を積極的に行い、同世代の女性を中心に高い支持を得る。
Instagram:@shiorikaregohan
Twitter:@shiorikaregohan
YouTube::SHIORI KAREGOHAN(@shiorikaregohan5667
Note:shiorikaregohan

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