「ゟ」はなんと読む? これって日本語?
みなさんは、「ゟ」という文字を見たことがありますか? ギリシャ文字のようなカタチをしているけれど、そもそも日本語? なんて読むかわからないですね。
今回は「ゟ」を解説します。
ゟは「より」と読む日本語
ゟは「より」と読み、「よ」と「り」という2文字を組み合わせてできた合字です。
合字(ごうじ)とはデジタル大辞泉によると、以下のように載っていました。
合字:ふつう2字の漢字や仮名などで書き表す語を1字で表記する文字。古文書や漢文訓読文などに使われた。
このゟは明治時代以前は頻繁に使用されていたよう。手紙の差し出し人や起点を説明するときに使われていました。
「山田太郎ゟ」「東京駅ゟ徒歩10分」といった感じです。
しかし、現在はなかなか目にする機会がありませんよね。
もともと平仮名は平安時代に使われはじめ、当時は同音でも複数の文字が当てられていたのだそう。明治時代になると「小学校令施行規則」という法令によって平仮名は一音に対して一字に統一されました。これに伴い、合字が使われることがなくなったといわれています。
2000年にPCなどで表示できるように
ゟは2000年にJIS規格のJIS X 0213の文字集合に追加され、環境が整えばPCやモバイル端末上でも表示することができるようになりました。
そのため、現在では新聞の広告は欄や看板、相撲や歌舞伎の会場で見られるのぼりなどで用いられることがあるとのこと。省スペースに記載する必要がある際にゟを使用することで文字数を減らすことができますからね。
合字はほかにもある
ゟのほかにも合字はまだまだあります。一部ですが紹介します。
「ヿ(コト)」:「コ」と「ト」の合字。「事」を表すときに使われる
「〼(マス)」:語尾「〜あり〼」、益々(ますます)として「〼〼のご発展を〜」などと使われる
ビジネスマナー的には、メールでは文字を略さない方がベター。使用するときは、親密な間柄で使ってみてくださいね。
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いかがでしたか? なかなか見慣れないため使用する機会が少ないかと思いますが、浸透してきたらTwitterなど文字数が制限された世界で活躍してきそうです。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!
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