家事都合の意味とは?
会社で有給を取得する際の理由に用いる「家事都合」。「家事」とあるので掃除や洗濯などの“家事”をイメージしますが、家族や親戚の看病や介護など、本人ではなく家族の事情で休む場合に使います。身内の慶弔や、子どもの行事、役所などどうしても休暇をとらないといけない場合もこれに当てはまります。つまり、「家庭内で何かしら事情がある」ということですね。
「私用のため」「家庭の事情」と書いてもいいですが、「家事都合」の方が形式張っているとされていますし、いいことか悪いことかがわからないので理由を尋ねられにくいという利点もあります。
家事都合と私事都合の違いは? 使い分け方も
「私事都合」は、本人に関する事情で休みを取る場合の理由を示す言葉です。具体的には、体調不良や通院、旅行に行くときなどがこれに当てはまり、「プライベートで何かしら理由があって休みます」ということになります。
こちらも家事都合と同様にいいことか悪いことかはわかりませんので、旅行に行くから休みたい、と言いにくいときに「私事都合」と書いて申請してしまえば便利です。
家事都合と私事都合の違いは、「家事都合」が『家族のため』であるのに対し、「私事都合」とは、『自分のため』という意味で使われます。休暇を申請する理由が家族のためか、自分のためかと考えてみると、容易に判断できるでしょう。
家事都合で会社は休める? 有給休暇が認められない場合は?
基本的には、正当な理由なく有給休暇の取得を会社が拒否することは労働基準法違反になります。具体的な理由を伝える必要性も本来ならありませんので、理由によって上司が有給を許可してくれなかったり、「家事都合」などと申請書に書いているにも関わらずしつこく理由を尋ねてきたりするのは、法律違反といえるでしょう。どんな理由であっても、家の都合での有給休暇取得に間違いないのなら「家事都合」で休むことができます。
逆に、「家事都合」「私事都合」だけではなく、具体的な理由をきちんと伝えたい場合には、その理由を伝えても、もちろん問題ありません。
ただし、有給休暇として認められないケースもあります。
産前産後は有給休暇ではなく、有給休暇とは別に定められている「産前産後休業」や「育休休業」が適用され、給与の支給などのも異なってきます。ほかにも、会社によって「慶弔休暇」など有給休暇とならない場合もあります。
家事都合で休む場合の例文
「家事都合」という言葉に馴染みがない場合は、どのように使えばいいの? と使い方に戸惑うかもしれません。
基本的には「家事都合で休みます」「私事都合で休みます」で問題ありません。クライアントや社内に向けてメールなどで休暇を取ることを知らせる場合には、「○月×日は、家事都合により休ませていただきます」など、日程を入れておくとわかりやすいですね。
また、会議や説明会などを欠席する場合には、「家事都合のため、○月×日△△時からの会は欠席させていただきます」と、やはりこちらも日時や時間を明記した方がわかりやすくて良いでしょう。
ビジネスシーンでは見かける「家事都合」や「私事都合」ですが、なかには「家事都合」という言葉自体を知らない人もいます。「掃除洗濯で休むの?」と言われてしまう可能性もありますが、なんら間違ってはいないので堂々としていれば問題ありません。
ただし、間違った使い方だと、有給は取得できても正しい理由という印象を持たれないかもしれないので(あくまでも印象の問題ですが)、使う側としてはしっかりと意味を理解しておきたいですね。
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ライター/コラムニスト コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。
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