紫外線の強さは11月からトーンダウンしています
こちらは東京における、紫外線の強さを表すUVインデックス指数の平均値を、月別に並べたもの。11月からは「安心して戸外で過ごせる」とされる「弱い」ランクになります。
紫外線が落ち着く数字ですが、乾燥が進む季節ではありますので、念入りに肌のケアをされている方も多いと思います。でも、日焼け対策は真夏ほど念入りにやらなくなるのでは? 実は場所によっては危険な場所もあるのです。
場所別にみる、紫外線の危険箇所
冬でも紫外線が危険な場所はズバリ、雪山です。
冬の雪山において紫外線が恐ろしい理由は、直接紫外線を浴びることにプラスして、地面に反射した紫外線量が多いから。
紫外線は地面に反射するのですが、地表面の状態によっては反射率が異なるという性質があります。
▲紫外線の反射と透過の図
上の図を見ると、砂浜の紫外線の反射率は25%程度なのに対し、踏み固められていない新雪上では反射率は80%(晴天時)。しかも紫外線が直接(100%)も加わります。
つまり、上からも下からも同じくらいの強さの紫外線を浴びるということ。
さらに恐ろしいことに、紫外線は標高が1000m高くなると10~12%も増加。スキーやスノーボードなど冬のレジャーで雪山に行かれる際は、念入りな紫外線対策が必要です。
目の病気を引き起こすことも
雪面に反射した強い紫外線に長時間さらされると、「雪目」という目の病気を引き起こすことがあります。
目が長時間直接紫外線にさらされることで、角膜の表面が傷つく病気で、白目の充血、目がゴロゴロする、涙が出るなどの症状がみられ、ひどくなると強い痛みを伴います。多くは1~2日で自然に治るとのことですが、目の紫外線対策も欠かさないでおきたいところ。
雪があまり降らない地域にお住まいの方も、年末年始は雪山に行かれる機会があると思います。日焼け止めをしっかりと塗る、ゴーグルやサングラスをするなどして、肌や目を守るようにしてくださいね。
参考:
気象庁|紫外線のデータ集
環境省|紫外線健康保険マニュアル
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。