七福神すべての名前を言える?
新年になると目にする機会が増える、宝船に乗っている七福神。
七福神とは「福徳の神として信仰される七人の神。大黒天・恵比須(えびす)・毘沙門天(びしゃもんてん)・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋(ほてい)の七神。」のことをいいます。
七福神が宝物・米俵などを乗せた宝船に乗っているのは、古くから日本では幸福は海を越えてやってくると信じられていたからなのだそう。
日本生まれの神様は、恵比寿だけ!
七福神は、実は日本の神様だけで構成されているわけではなく、なんと3つの国(日本・インド・中国)に由来する神様が集まっているんです。
◆恵比寿(えびす)
「古くは豊漁の神。のち七福神の一人として、生業を守り、福をもたらす神。狩衣(かりぎぬ)・指貫(さしぬき)・風折烏帽子(かざおりえぼし)をつけ、右手に釣りざおを持ち、左わきに鯛(たい)をかかえている。」
恵比寿は唯一の日本の神様といわれています。ご利益としては商売繁盛です。
◆大黒天(だいこくてん)
「七福神の一。米俵の上に乗り、頭巾(ずきん)をかぶり、打ち出の小槌(こづち)を持ち、大きな袋を肩に担ぐ像で表される。中世以降、大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一視されて広く信仰され、恵比須とともに福徳の神とされる。」
大黒天はもともとはヒンドゥー教の神様で、創造と破壊を司るシヴァ神の化身ですが、日本では米俵に乗って打ち出の小槌を持ち、たくさんの福がつまった福袋を背負った優しい姿で表されます。ご利益としては財運福徳、五穀豊穣です。
◆毘沙門天(びしゃもんてん)
「仏法守護の神。四天王・十二天の一。須弥山(しゅみせん)の第4層中腹北側に住し、北方世界を守護。黄色の身で忿怒(ふんぬ)の相をし、甲冑(かっちゅう)を着け、左手に宝塔を捧げ、右手に矛または宝棒を持つ。財宝を施す神として施財天ともいわれる。日本では七福神の一とする。多聞天。」
毘沙門天ももともとはヒンドゥー教の神様。兜をつけた勇ましい出で立ちをしています。ご利益は武道成就、降魔厄除、家内安全です。
◆弁才天・弁財天(べんざいてん)
「インド神話で、河川の女神。音楽・弁舌・財福・智慧の徳があり、吉祥天とともに信仰された。仏教・ヒンズー教に取り入れられ、ふつう琵琶(びわ)を弾く天女の姿で表される。また、日本では財福の神として弁財天と書かれるようになり、七福神の一として信仰される。弁天。べざいてん。」
弁財天は唯一の女神で、ご利益は学徳成就、諸芸上達です。
◆寿老人(じゅろうじん)
「中国の伝説中の人物。宋代、元祐年間(1086~1093)の人で、頭が長く白髪、団扇(うちわ)と巻物をつけた杖(つえ)とを持ち、鹿や鶴を連れていたといわれる。日本では七福神の一。長寿を授けるという。南極老人。」
中国の道教の神様で、見ると寿命が延びるといわれてきた南極星の化身といわれています。ご利益は長寿延命、諸病平癒です。
◆福禄寿(ふくろくじゅ)
「七福神の一。背が低く長頭で長いひげをもち、杖(つえ)に経巻を結び、鶴を従えている。幸福・俸禄・長寿の三徳をそなえるという。寿老人と混同されることがある。福禄人。」
寿老人と同じく、中国の道教の神様での南極星の化身といわれています。ご利益は子孫繁栄、財運招福、健康長寿です。
◆布袋(ほてい)
「中国、唐末の禅僧。名は契此(かいし)。半裸で太鼓腹を出し、日用品を入れた袋と杖(つえ)を持ち、市中を歩いて吉凶や天気を占ったという。弥勒(みろく)の化身ともいわれ、日本では七福神の一人とされ、また、詩画の題材とされる。」
七福神のなかでは唯一実在した人物である中国の禅僧がモデルといわれています。ご利益は笑門来福・夫婦円満です。
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いかがでしたか? 日本・インド・中国と出身国もバラバラの七福神ですが、和気藹々と宝船に乗っているイメージですよね。八百万の神を受け入れる日本ならではといえそうですね。
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鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!