この花は何の野菜? 日本料理に欠かせない食材
今回ピックアップするのは、日本人の私たちには身近な野菜。和食やステーキにも使われる香辛食材です。
この花は何の野菜か知っていますか?
正解は、「わさび」の花です!
正解は、わさびの花でした! 漢字で「山葵」と書く通り、葵に似た花を咲かせます。
わさびは、アブラナ科の植物。「沢わさび(水わさび)」と「畑わさび(陸わさび)」に大きく分けられ、私たちがわさびと呼んでいるのは、「沢わさび」。年間を通して流通していますが、11~2月の冬の時期が最も辛味があり旬とされています。
わさびの主な生産地は、長野県、静岡県、岩手県など。個人でも育てることができますが、温度と水温の管理をしっかりおこなわなければなりません。
◆わさびの歴史
わさびは日本原産。飛鳥時代(527〜710年)には、すでに存在していたとされ、日本特有の植物として大切に育てられてきました。食用、薬草といったように使い方も様々だったようです。
江戸時代(後期)になると、今のように薬味として使われ、お寿司にも使用されていたとのこと。その後、技術の発展とともに、粉わさびや練りわさびなど販売されるかたちも変わっていきました。
◆わさびの栄養
わさびは、食中毒の原因菌などへの殺菌・抗菌性を持ち、脳血栓・心筋梗塞・がんなどの予防にも優れた食材。口臭予防にも役立ちます。
主な栄養素を見ていきましょう。
・カリウム… ナトリウムの排泄を促して、むくみを改善する
・カルシウム… 歯や骨を作り、強くする/神経や筋肉の働きを正常にする
・リン… 骨や歯を丈夫にしたり、代謝のサポートや体内の浸透圧を維持したりする役割
・ビタミンC… 疲労回復、肌荒れ改善が期待でき、免疫力を高め風邪予防に
・ビタミンB1… 補酵素として、糖質の代謝に関わる
・ビタミンK… 止血作用、カルシウムを骨に定着させる作用
栄養が期待できますが、食べすぎには要注意。胃腸を刺激して腹痛の原因になったり、舌が麻痺して味を感じにくくなったりすることもあるので気をつけてください。
◆わさびの選び方
わさびは、すりおろしたものを食べることが多いと思いますが、新鮮なもの、つまり“おろしたて”が一番美味しいことは間違いなし。美味しいわさびの選び方はこちらです。
・緑が鮮やか
・茎の太さが均一
・手にとると重みを感じる
・表面のしわ(凸凹)が詰まったもの
わさびを下ろすときには、金属のものは使わず、陶器製かプラスチック製のもので。皮つきのまま、力を入れずにゆっくりとおろすと美味しいですよ。
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わさびの花から選び方まで紹介しました。和食の引き立て役として使われることの多いわさびですが、わさびを薄切りにした天ぷらもあるようです。知らなかったレシピにチャレンジしてみるのも楽しそう!