【29歳・別居中の不倫相手と同棲を始めたケース】
麻里香さん(仮名)は、仕事のイベントで知り合った神崎さん(仮名)に一目惚れ。左手薬指に指輪がなかったことや、イベント中の雑談で「ひとり暮らしをしている」と話していたことから独身だと勘違いしアプローチしたところ、後日神崎さんからデートに誘われて不倫がスタートしたそうです。
「最初のデートで、彼からは『実は別居中で、既婚者なんだ』と打ち明けられました。でももうそのときには私は神崎さんのことが好きだったし、別居中ならすぐ離婚するだろうから大丈夫かなと思い交際を始めたんです」
麻里香さんも都内でひとり暮らしをしていたことから、不倫がスタートして3ヶ月目に「お互いの家賃がもったいないから、一緒に暮らそう」という話になり同棲を開始。しかしこのときまだ神崎さんの離婚は成立していませんでした。
離婚前提で別居していたはずの不倫相手の妻から慰謝料の請求が…
「もう離婚まで秒読みだと思っていたから、私はすっかり不倫であることも忘れて神崎さんと生活をしていたのですが、ある日、自宅宛に弁護士事務所から郵便が届いて、そこには神崎さんの妻から私宛に慰謝料を請求すると書かれていたんです…」
神崎さんの妻の主張には、麻里香さんの存在によって離婚が決定的になったために慰謝料を支払ってほしい、と書かれていたとのこと。さらに、きちんと慰謝料を支払えば、穏便に済ませたいので神崎さんと別れることまでは要求しないと書いてあったそうです。
「正直、すでに夫婦関係が破綻していたはずなのになぜ私が慰謝料を払わなくてはいけないの? と最初は思いました。だけど神崎さんとよくよく話し合ったところ、別居は離婚前提ではなかったことがわかりました。大きな喧嘩のあとに、いったん距離を置いて夫婦再構築ができるか模索していたところだったそうです。
だから奥様が私に慰謝料を請求するのも無理はないのかなと思い、お金はなかったけれど慰謝料を支払って神崎さんの家庭を壊した責任を取りました」
その後、神崎さんの離婚が成立。ふたりは独身同士となりそのまま同棲を続けていたそうですが、だんだんと神崎さんと麻里香さんの仲にも暗雲が立ち込めていったとのこと…。
不倫相手の離婚が成立。しかしふたりの仲は険悪に…
「本当ならそこから初めてきちんとした交際がスタートするはずですが、私と神崎さんはどんどん仲が悪くなってしまって。私は神崎さんとの生活のために慰謝料を120万円支払ったのですが、神崎さんはそのお金は私が払うべきものだから、という理屈でその後も一切負担してくれず…。それどころか、彼も彼で元奥様に慰謝料を支払っているので『お金がない』と言い出し、生活費もほとんど入れてくれないので喧嘩が増えていったんです」
顔を合わせれば喧嘩が続き、ラブラブとは程遠く、家にいても心が休まらなくなっていたと振り返る麻里香さん。神崎さんの離婚成立からわずか4ヶ月後、麻里香さんと神崎さんはついに破局を迎えたそうです。
「別れるときに神崎さんへの愛情は消えていたので、別れることに対して寂しいとか後悔とかはなかったのですが、こんなにすぐ別れるような相手のために慰謝料を支払った私って、何? と落ち込みました。
一生懸命に貯めていた貯金を慰謝料で使い果たし、自分のことが馬鹿だったとしか思えません。独身の男性と付き合っていたらこんなことには絶対にならなかったし、別居中だからと軽く考えて不倫をした自分が情けないです。
貯金がほぼゼロになったので、今また必死で節約生活をして貯めていますが、なんて愚かなことをしたんだろうと本当に情けなくて仕方ありません…」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。