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LIFESTYLE

2023.11.14

誰もが知ってる“あの正月遊び”には実は深い意味がある? 由来や遊び方をご紹介

羽付きや凧揚げ、けん玉、だるま落とし、かるた、百人一首などの伝統的な正月遊びは、今でも多くの人々に親しまれています。しかし、これらの正月遊びには、それぞれ由来があることを知っている方は少ないのではないでしょうか? 本記事では、正月遊びに込められた思いや遊び方をご紹介します。

正月遊びには意味がある?

羽子板
(c)Shutterstock.com

正月には凧揚げや福笑いなど、伝統的な遊びが行われます。正月には家族やお祝いに集まった人たちで、古くからの遊びを楽しんでいる家庭も多いハズ。

これらの正月遊びには、それぞれ由来や深い意味が込められているのですが、その内容まで知っている方は少ないかもしれません。

正月遊びの由来を知れば、遊ぶときの気持ちも変わって、より一層楽しめるようになるでしょう。

【屋内】正月にする遊びとその由来

カルタ
(c)Shutterstock.com

正月遊びには福笑いやお手玉など屋内で行うもの、羽根つきやこま回しなど屋外で行うものの、2種類に分けられます。

屋内で行う遊びは福笑いやかるた(百人一首)など大勢で楽しめるものや、お手玉やけん玉などひとりでも遊べるものがあります。

ここでは、屋内で行う正月遊びの由来や遊び方、込められている思いなどを見ていきましょう。

お手玉

お手玉は、小さな布の袋に小豆などを入れて作られたものです。何個か両手で持って上に投げては受けながら遊びます。その由来は古代ギリシャに遡り、当時はお手玉ではなく羊の距骨(かかとの骨)を使って遊ばれていたところから来ているのだそう。「アストラガリ」と呼ばれる遊びで、インドや中国を経て、日本に伝わりました。

平安時代には石を使った「石なご」遊びが一般に広がり、江戸時代に入ってから袋の中に小豆や大豆などを入れたお手玉の形になったとされています。

手を使うお手玉は脳を刺激し、集中力も養います。子どものころから遊ぶことで手先を器用にする役割もしてきました。近年は子どもの遊びだけでなく、大人の脳を活性化する方法としても注目されています。

かるた(百人一首)

かるたは読み札と絵札を合わせて遊ぶゲームです。読み札がいろは歌の「いろはかるた」と、100人の歌人の和歌を集めた百人一首を使った「百人一首かるた」があります。

いろはかるたは、「犬も歩けば棒にあたる」「論より証拠」などのことわざで構成され、遊びながら字やことわざを覚えられるようにと江戸時代に作られたものです。

百人一首は、鎌倉時代の歌人が100人の歌人の和歌を1つずつ選んだもので、宮中の遊びとされていたものが江戸時代になって庶民に広がりました。

けん玉

けん玉は日本発祥ではなく、起源はフランスや中国など諸説があります。日本には江戸時代に伝わり、当時は剣と玉の部分しかない玩具でした。それを改良して皿部分を取り付け、現在のけん玉になっていったそうです。

けん玉は競技としてさまざまな技があり、日本けん玉協会では、技ごとに10級から6段までの認定を設けられています。

だるま落とし

だるま落としは木片を積み上げ,一番上に置いただるまが落ちないように木片を小槌で叩くゲームです。だるまは、禅宗を伝えたとされる達磨大師をモチーフにしています。

達磨大師が座禅した姿に作った張子製の赤いだるまは縁起物として知られ、倒れてもひとりでに起き上がる人形として願掛けに使われてきました。お正月にはだるまの人形に願を掛けて片目を入れ、願いが叶ったらもう一方の目を入れます。

だるま落としはひとりでも複数でもできる遊びで、一番上のだるまが転ばないようにという願いを込めながら楽しめる遊びです。

【屋外】正月にする遊びとその由来

凧揚げ
(c)Shutterstock.com

屋外で行う正月の遊びも豊富です。凧揚げや羽根つきなど、正月ならではの伝統的な遊びがあります。

室内で遊ぶ正月遊びも楽しいものですが、静かで空気の澄み渡ったお正月に外で行う遊びもまた違った楽しさがあります。こま回しや手まり、メンコなどはひとりでも楽しめる遊びです。

ここでは、屋外で行う正月遊びとその由来を紐解いていきます。

屋外で行う正月遊び
  1. こま回し
  2. 羽根つき
  3. 凧揚げ
  4. 手まり
  5. めんこ

こま回し

こま回しは奈良時代に中国から高麗(現在の朝鮮半島)を経て伝わり、宮中の年中行事として親しまれてきた遊びです。平安時代には貴族の遊びとして楽しまれ、江戸時代には庶民の間に広まりました。高麗はかつて「こま」と呼ばれていたため「こま」と名付けられ、「独楽」の漢字があてられています。

こまは回り続ける姿が「物事が円滑に回る」に通じるため、縁起の良いお正月の遊びとして親しまれています。

羽根つき

羽つきは中国から伝来した遊びです。羽根に硬貨をつけたものを蹴る遊びが、室町時代に伝わりました。羽根つきに使う羽根には「無患子(むくろじ)」という植物の実が使われており、「子どもが患わない」という意味になるため縁起が良いとされています。

また、羽つきでは負けた人の顔に墨を塗るルールがありますが、これは罰ゲームではなく、鬼が嫌う黒い色を魔除けのおまじないとして塗るものです。

凧揚げ

凧揚げは骨組みに紙や布を張った凧と呼ばれる玩具を使い、風の力で空に浮かべる遊びです。中国が起源とされ、戦いの道具として使っていたという説があります。日本に伝わったのは平安時代で、貴族の遊びとして親しまれていました。

江戸時代に入ると庶民の間でも広まり、イカに形が似ていることから、当時は「イカのぼり」という名称だったとのこと。

新年に凧揚げするのは、「立春の季に空に向くは、養生のひとつ」という言葉も理由のひとつです。「立春」とは「新年」を表し、暦の上の春である立春に空を見上げると健康に良いという意味があります。そのため、新年に健康を祈るために凧揚げをするようになったとされています。

手まり

手まりは中国の蹴鞠(けまり)を起源とします。平安時代には貴族の遊戯として広まり、当時のまりは鹿革製でした。江戸時代になると、織り糸の端を利用して作られた手まりが流行し、染め色が美しいことから女の子に送る風習ができたそう。

当初はお手玉のように上に投げて取る「あげまり」という遊び方でしたが、よく弾むまりができてからは地面について遊ぶ「つきまり」が主流になりました。

めんこ

めんこは絵や写真のある厚紙を地面に叩きつけ合い、風の力で裏返すなどして競う遊びです。相手のめんこを裏返して自分のものにし、多くのめんこを獲得した方が勝ちとなります。

めんこは漢字で「面子」と書き、人の顔を意味します。江戸時代は粘土を焼いて作られた直径2〜3cmの玩具でした。魔除けの一種だったとされています。明治時代に紙のめんこが考案され、現代のめんこのルーツとなっています。

正月遊びは由来を知って楽しもう

福笑い
(c)Shutterstock.com

古くからの正月遊びにはそれぞれ意味や由来があり、知っておくとこれまでとは違った楽しみ方ができます。屋内でできる遊び、屋外でできる遊びのいずれもさまざまな種類があり、家族や友人と一緒に楽しめます。

縁起物の意味がある遊びもあり、1年の繁栄を祈って遊ぶのもよいでしょう。記事も参考に、来年の正月は伝統の遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c)Photo AC

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