そもそも「影響力」とは?
影響とは、他に働きを及ぼして反応や変化を起こさせること。したがって、ある著名人の発言を聞いて自分の考えを変えただけでも、「影響を受けた」と言えます。影響力のある人について考えていく前に、そもそも影響力とは何かについて確認しておきましょう。諸説あるものの、一例として影響力には3つの種類があると言われています。それぞれの種類についても解説していきますね。
影響力とは何か
影響力とは、働きかけによって考えや行動に変化を及ぼす力のことを言います。例えば、誰かがおすすめしたファッションコーデやアイテムをまねして買うという行動は、その人の影響力によって促されたものだと言えるでしょう。
つまり影響力が強い人というのは、その人の働きかけによって、及ぼす変化の力が大きい人のことを言うのです。影響を及ぼした人数や変化の度合いが大きいほど、影響力は大きいことになります。
3種類の影響力
1:権威による影響力
権威は影響力を持ちやすいものです。基本的にどの社会においても、順守すべきとされる法律・政府・思想・宗教・組織などが存在し、子供の時からそれらに従うことを教えられます。
権威に反発する人もいますが、基本的には権威に従った方がメリットがあるように社会は設計されるものです。多くの人間がある共通の権威に従い、それに基づいて行動する方が社会の統合はうまくいくから。ここに、権威による影響力を見出すことができます。
肩書というのは、権威と密接な関係があります。肩書を得るには一定の努力・労力が必要。例えば、もし医者になりたければ、まず大学の医学部に入るために、数学や化学などを勉強する必要があります。入学後も、専門知識の習得や医療実習の経験、さらに国家試験に合格するなど多くのステップを踏むことになります。
このように、ある肩書を持っているということは、それを獲得するまでに多くの経験をしているということ。他人から見れば、信頼できる根拠になります。これが肩書に権威をまとわせ、影響力を持たせる理由です。
権威は、服装や装飾品といった外見からも感じることができます。ただの一般人が警察官の服を着て歩いていただけでも、周囲の人は警察官が来たと思い、信号を無視するようなことは格段に減るでしょう。また、高級時計やブランド品を身に着けているだけでも、他者が「あの人はすごい」と思う確率は高まります。
2:好意による影響力
「かっこいい」や「かわいい」などといった好意を抱いた相手に対しては、何でも肯定したり、要望を受け入れると言われています。
好意を抱く一因として、身体的魅力があります。社会心理学の調査でも、他者から「美しい」「ハンサム」などと認識される人は、肯定的に見られることがわかっています。さらに、見た目だけではなくその人の才能・親切さ・知性に対する評価も高まるとのこと。
近年はルッキズムに対する様々な意見から、外見だけでは人を判断しない風潮が高まっています。しかしながら、好意を持たせる一因として外見が大きく関わっていることは否定できないようです。
3:希少性による影響力
なくなるもの・少ないと思うものに対しては、大事にしようとする心理が働くとされています。美味しいものを食べていて、残りが少なくなった時、「よく味わおう」と思った人は多いのではないでしょうか。
逆に、もしアイスクリームが溶けないでずっと形を保っていれば、美味しさは「半減」するかもしれません。
「影響力のある人」を英語で何と言う?
「影響力のある人」の意味について確認したところで、次は「影響力のある人」の英語表現を見ていきましょう。影響は英語で「influence」です。よって「影響力のある人」は「influencer」というように表現します。
最近TikTokやInstagramなどのSNSで活動をしている人が増えてきていますよね。SNS上で世の中の流行を作っていく人たちのことを「インフルエンサー」と呼びますが、これにも「影響力のある人」という意味が込められています。
影響力のある人の特徴7選!
あなたの周りにも、誰かしら強い影響力を持っている人はいませんか? 人々に変化を及ぼす影響力の持ち主には、一体どのような特徴があるのか気になりますよね。ここでは考えられる特徴を7つ紹介していきます。
1:人望があり、信頼されている
人望があるということは、その人の業績や人柄が周りに認められているという証です。そのような人は、羨ましがられたり、憧れられたりすることも多いでしょう。周りからの支持が厚く、信頼されているために影響力を持つのですね。
2:愛されキャラ
あなたの周りにも、愛嬌があって皆から愛されるキャラクターの人っていませんか? 愛されキャラの人は、「好意による影響力」を兼ね揃えています。いわゆる人気者ですね。どの環境へ行っても人気者の持つ影響力というのは強いものです。
3:業績などの評価が高い
ビジネスにおいては、やはり業績をしっかり残している人が影響力を持つでしょう。いくら人柄が良くても、実績やスキルがなければ、「一緒に仕事ができるだろうか」と不安になるかもしれません。影響力というのは、尊敬や憧れの感情から生まれるものでもあるのです。
4:堂々と自分の意見を持っている
周りの目を気にせず堂々とした姿勢が、周りに影響を与えていることもあります。ブレない人って何か魅力を感じますよね。行動にあたって、確固たる根拠を持っているからです。反対に言うと、周りの意見ばかり気にして自分の軸を持っていない人は信頼されにくくなります。影響力も低下します。
5:人とは違う着眼点を持っている
人は希少性に興味を持ちます。よって、人とは違うものの考え方や、珍しい観点を持つ人には何か惹かれてしまうのです。例えば、スワヒリ語ができる人や、イスラームに詳しい人は日本ではかなり少ないので、その人は多くの他者に比べて異なる観点を持っています。それによって、他者が驚くような考えを提示しやすいことでしょう。
最初は独特な人だなという印象を持たれてしまうかもしれませんが、時間が経つにつれてそのような人の影響力は目に見えてくるはずです。
6:魅力的なオーラがある
芸能人やアイドル、SNS上で活動するインフルエンサーは魅力的なオーラを持っていることが多いでしょう。魅力的な人は皆から「こんな風になりたい」「真似したい」と思われる傾向があるので、その人の行動やファッションなどは影響力を持つのです。「好意による影響力」といったところでしょうか。
7:行動力がある
誰よりも先立って行動する人は頼りがいがあり、皆ついていきたいと思うものです。また、行動力のある人は周りを良く見ています。他の人が困っている時に気づいて、すぐに動けるスマートさも持ち合わせているでしょう。
人を動かす人になるためには?
では、実際に人を動かす影響力を持つためにはどうしたら良いのでしょうか? 以下では、影響力のある人になるための心得を3つ挙げています。早速チェックしてみましょう。
1:結果を残す
影響力を与えるには、目に見える実績を残すことが重要です。いくらその人の発言や行動に惹かれたとしても、何か結果が残っていなければ、ついて行くのが正しいのか迷うことでしょう。人々の尊敬や信頼を得るには、明確な実績を持つのが効果的だと言えます。
2:コミュニケーション能力を高める
口が饒舌な人の話はなぜか聞き入ってしまいませんか? 影響力を与えるには、ある程度の行動力や発言力が必要になってきます。コミュニケーション能力を鍛えて、自分自身のコミュニュティを広げたりすることが、影響力を及ぼすことに繋がってくるでしょう。
また、相手の心理を想像する力も必要です。何を話せば喜ぶのか、何に対して悪い感情を抱くのか。相手の心理を無視して、場外れ的な行動をとってばかりいては、スルーされてしまいます。
3:倫理をしっかりと身に着ける
冒頭で影響とは、「他に働きを及ぼして反応や変化を起こさせること」と書きました。相手の行動や考えを変化させることなので、それが「どのような」方向に向かうかはわかりません。
影響力とは「諸刃の剣」です。素晴らしいアニメ作品や音楽で大勢の人を感動させるクリエイターも「影響力のある人」。群衆を扇動して犯罪行為に加担させる人物も「影響力のある人」。大切なことは、「どう影響力を行使するか」ということです。
そのためには、倫理がしっかりとしていなければなりません。自分がいる社会・集団の基準に照らし合わせて、どのような影響を及ぼすのが最も合理的かつ妥当なのかを、考え続ける必要があります。「影響力のある人」には、高い倫理が求められます。
最後に
最後になりますが、影響力のある人になるためには発言力や実績などがキーポイントになってきます。そして、不当な目的のためには影響力を行使しないという倫理。
ただ、影響力を持つことを目標にするのは非常に難しいことです。まずは、皆さん自身が影響を受けた人物の特徴を振り返ってみて、真似してみることから始めましょう。
TOP画像/(c)Shutterstock.com