今回は、アナウンサーと結婚についてお話します
女性アナウンサーの結婚、というニュースが流れると「アナウンサーって若いうちは結婚しちゃダメなんですか?」なんて聞かれることがよくありますが、これには「まさか!」と答えます。会社員ですから、そんな制限はありません。
私が結婚する際も、タイミングなど会社からは特に何も言われませんでした。
▲結婚式で。ウエディングドレス姿の徳島さん
今は女性アナウンサーも一人の社会人として、個性ある人間として、捉えられていると感じています。
結婚していようが、独身であろうが、個人の選択であり、自由。出身地や趣味のような、数あるプロフィール情報の一つでしかなく、結婚したら出来る仕事が変わる、または、仕事が減る、なんてことは無いと、私自身の経験からも断言できます。
結婚は29歳のとき
私が結婚したのは2018年、相手は同じ日本テレビ局員です。
▲「夫の故郷・石川での前撮り写真です。結婚式がドレスのみだったので、前撮りは着物で、と決めていました」
「結婚して変わったことはありますか?」これもよく聞かれた質問ですが、良くも悪くも、思い当たることはありません。
ただ、同じ会社で働く夫はやはり仕事の内容や、不規則な勤務にも理解があり、何かを変える必要に迫られなかったのかもしれない、と考えると、感謝しないといけないな… と改めて感じます。
特に結婚当初は、私が朝番組「ZIP!」を担当していたので、いつも深夜に起きて出社する毎日でした。できるだけ静かに支度して家を出るよう努力していましたが、どうしてもアラームを何回も鳴らしてしまったり、忘れ物でドタバタしたり、起こしてしまうことも。それでも数ヶ月で慣れたのか、多少の物音では動じなくなってくれたのには助かりました(笑)。
味方ができて、肩の力が抜けた気が
強く感じるのは単純に味方が増えた、ということです。
それまで誰からも嫌われないように、と気を張っていたのが、みんなに好かれるのは無理、家に帰れば味方がいるのだから、自分をよく見せたいと頑張りすぎるのはやめようと、肩の力が抜けた気がしています。
▲「共通の趣味は旅。毎年色々なところに出かけますが、今年の夏休みは鳥取へ。私の大好きな『名探偵コナン』の作者、青山剛昌先生のふるさと館へ行ってきました(ただ、夫は『名探偵コナン』を1話も読んだことがありません…)」
実は、迷いのあった結婚報告
「会社員の結婚を世の中に発表する必要はないと思うので番組内での報告などは控えたいです」と上司に相談したところ、「今後、既婚女性の立場で何かを言うこともあるから、さらっと報告しておけば」と返されました。
それもそうか、と思い直し、各所と相談をして、「ZIP!」の番組最後に短く時間をいただきました。それでも、1分1秒無駄なく情報を詰め込んでいる番組で、自分のことを報告するのは非常に心苦しかったのを覚えています。
その後、夫婦別姓についてから結婚生活で生じるグチまで、情報番組でもバラエティでも「既婚女性」として話をする機会は様々ありました。スタジオの中での立ち位置を明確にするために、アドバイスに従って良かったなと感じています。
会社員の結婚報告なんていらない、と思われる方も多いかと思いますが、そんな裏事情も私の場合はありました。今後報告をするアナウンサー達もあたたかく見守っていただけますと幸いです。
日本テレビアナウンサー 徳島えりか
1988年9月生まれ、東京都出身。O型。慶応義塾大学 法学部政治学科卒業後の2011年4月、日本テレビに入社。現在は、『シューイチ』『news every.』を担当。Instagram → @tokushima_erika