眠れない日々が続く移植周期【30代からの不妊治療】
妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。
前回は、黄体ホルモンの補充を始めたときの話をお届けしました。今回は、体外受精の移植周期に排卵日から使用した黄体ホルモン「ウトロゲスタン」を使っていたときの困ったときの話。
採卵のときの自己注射に比べたら、自然周期の移植はホントにラクちん… と思っていたのですが、排卵日からスタートすることになった黄体ホルモンの膣剤「ウトロゲスタン」が私の中でどんどん大きなストレスになっていきました。
溶けたウトロゲスタンでショーツが汚れる
ウトロゲスタンを使い出すと強い眠気が襲い始め、日を追うごとにその強さが増していきました。8時間おきに黄体ホルモンを補充せねばならないというミッションが、私のなかでけっこうなプレッシャーになっていて、起きた時に全く疲れが抜けていないのです。
医師からは「いつも通りの生活で大丈夫」と言われていた移植周期ですが、排卵日以降は眠さと体の重さで仕事が手につきませんでした。こんなことなら、思い切って仕事を休みたかったな… と思ったくらい。
ですが、この黄体ホルモン補充は移植後もしばらく継続になるそう。採卵のときのように、短期決戦で集中的に休みをとれば解決するような問題ではありません。私は自然周期での移植なので、副作用が軽いほうなのかもしれませんが、ホルモン周期で移植をする場合は、体への影響をもっと大きく受けたのかなと感じました。
なので、もしも勤めている会社に不妊治療と仕事の両立を支援するための休暇制度などがある場合は、ホルモン剤を使う間はゆっくりできる状況を整えてから体外受精に臨んだほうがいいと思いました。あとから後悔しないように、しっかり体を休めるのもこの時期の大事なミッションですよね。
もうひとつ、ウトロゲスタンを使い始めて困ったことがありました。それは、ショーツがやたらと汚れること。溶け出たウトロゲスタンの成分(?)なのか、とにかく白っぽい汚れが物凄くこびりつくのです。手洗いが必要なレベルで、洗濯が大変でした。
パンティーライナーやナプキンを使ってみたりもしましたが、普通のオリモノや出血と違い、オイルっぽい成分を含んでいるためかうまく吸収してくれず。根本解決にならないので、ひどいときはショーツを1日に2~3回取り替えて、デリケートな部分の清潔を保つようにしました。
移植当日の服装は? 膣剤は? 注意事項を電話で聞いてみた
D17の移植日に向けて、8時間おきにウトロゲスタンを入れ、寝不足の頭で仕事をこなす。移植までこんな日々を繰り返すなか、緊張感だけが右肩上がりに急上昇。アレコレ妄想しながら、だんだん減っていくウトロゲスタンの膣剤を見て、ふと思ったんです。
…これって、当日の朝も使うのかな? 移植日って、何時に病院へ行けばいいんだっけ? 移植するときは服は着替えるのかな? 診察中に聞き忘れてしまったことがいろいろあって、不安になってきました。移植日の2日前、たまらず病院へ電話をして確認することに。
私「明後日に移植を予定しているのですが、排卵日から使用しているウトロゲスタンは当日の朝も使ったほうがいいですか?」
看護師「はい、朝に黄体ホルモンの膣剤を入れてから病院へ来てください」
私「当日は何時に行けばいいですか?」
看護師「9時半には受付をしてもらえるようにこちらへ来られますか? 当日の患者さんの人数によっては少しお待たせしちゃうかもしれないのですが…」
私「わかりました、大丈夫です。あと移植するときの服装なのですが、病院で手術着のようなものに着替えるのでしょうか? 自分の服のままで施術なら、スカートかズボンかどっちがいいのかとかも悩んじゃって…」
看護師「当日は、採卵のときと同じように個室でお着替えしていただくので、服装はなんでも大丈夫ですよ。そうそう、採卵のときは、先にお手洗いを済ませるように言われたと思うのですが、移植日は尿貯めが必要なのでおトイレはなるべく控えるようにお願いします」
私「わかりました。ありがとうございます」
本当なら診察のときにきちんと確認しておければよかったのですが、私の場合は移植2日前に細かい注意事項を再確認することになりました。頭の中は常に移植のことでいっぱい。寝不足は解消するどころか、さらに悪化し、ほとんど眠ることができずに迎えた移植当日のお話はまた次回。
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※この記事は2020年の内容です。最新情報は厚生労働省HPをご確認ください。
クロサワキコ
34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。