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2022.02.03

夫の採精は正味3分。妻の採卵は全身麻酔で…<30代の不妊治療vol.82>

妊活歴が3年目に突入した主婦ライター・34歳クロサワキコの不妊治療体験レポ Vol.82。夫の精索静脈瘤の手術や人工授精、体外受精とステップアップを重ねていくなかで感じてきたリアルな本音をお届け。今回は、採卵施術前、私の気持ちや夫と話したことの話。

採卵本番の直前! やっておくべきことは?【30代からの不妊治療】

妊活を始めて3年。現在34歳の私の体験から、妊娠を考えているカップルにとって少しでも役に立つような情報をレポート形式でお届けします。

前回は、採卵当日の話をお届けしました。今回は、採卵施術前、私の気持ちや夫と話したことの話。

採卵本番前、私の気持ちは…

(c)Shutterstock.com

ついに迎えた体外受精の採卵当日。

病院やクリニックによっては、採卵するときに麻酔の有無、局所麻酔か全身麻酔かなどを選べるところもあるようですが、私の通っていた総合病院は全身麻酔の一択。

部屋に入ると、夫の精索静脈瘤の手術のときと同じ手術着やショーツなどが置いてありました。

緊張や不安を通り越して頭には「恐怖」の2文字。付き添いの時はぜんぜんわからなかったけれど、手術を受ける側って、怖いものなんですね…。

夫の顔がまっ赤になったワケ

(c)Shutterstock.com

私が手術着に着替えをしているとき、夫が神妙な顔で「ごめん、今日、量が少なかったかもしれない」と言ってきました。

「え? 精子の?」

「うん、大丈夫かな。足りるかな…」

「謝らなくっていいよ。たくさんより1匹でも質の良い精子がいて、それが妊娠に繋がるといいよね」

「…」

「それよりさ…」

夫がめずらしく沈んでいるので、私はちょっとからかうつもりで下世話な話をしてみました。

「今日、早くなかった?」

「は?」

「アナタはさ、私がエコーしているほんの数分の間に精子を出して、今日のミッション終わったんでしょ。ラクでいいよね(笑)。私、これから全身麻酔で採卵なんですけどー。アナタは正味3分くらいじゃない? 早いよね?!」

すると、夫は顔がまっ赤に!

キミが待ってるからと思って急いだんだよ!!

顔を手で覆って恥ずかしがる夫を見てたらなんだか笑いが止まらなくなってきました。

「急がなくていいのに~(笑)。将来、子どもに、『お父さんはあの日3分だった』って言っちゃおうかな~」

「やめてよ~。スゲー恥ずかしい」といって頭をかきむしる夫。採卵直前、私たちはまたしてもくだらない話でケラケラ笑い合いながら病室での時間を過ごしました。

(c)Shutterstock.com

精子の量が少なかったことが気にならないといったらウソになるけれど、手術したり、サプリ飲み続けたり、食事療法したり、できることをしっかりやりきってくれたので、私としては、あとは卵子さえ採れればという気持ちでした。

コロナ禍での不妊治療、夫の付き添いには制限がついているクリニックも少なくありませんでしたが、私の通っていた病院は「不妊治療は2人で!」というポリシーをかかげ、こうして直前まで一緒に夫が付き添ってくれることができました。このような環境で体外受精へステップアップできたのは本当に心強かったです。

着替えを済ませて、しばらくすると看護師のKさんが来て、私は腕に点滴を打つことに。

採卵前はトイレを済ませておく

(c)Shutterstock.com

看護師「ちょっとチクっとするよ。はい、痛いのはこれでおしまい。おトイレは大丈夫?」

「今行っておいた方がいいですか?」

看護師「うん! 採卵はおしっこ全部出しておいた方がいいから」

「じゃあ、今のうちに行っておきます」

Kさんに促され、私はトイレを済ませておきました。

ちなみに、採卵前はトイレを済ませておいた方がいいそうですが、逆に受精卵を移植をするときには、尿をためておく方がエコーで見やすくっていいそうですよ。

この日は私以外にも、もうひとり採卵予定の人がいたのですが、私が9時からの1番目の採卵になることや、それまでにコンタクトをはずしておくこと、通常だったら術後に食べる軽食がお部屋に用意されているんだけれど、今はコロナ禍なので何も提供できなくなっているなどの説明がありました。

そんなこんなで、病院についてからあっという間に30分が経過し、いよいよ採卵です。

これまでの記事▶︎不妊治療体験レポ

TOP画像/(c)Shutterstock.com

クロサワキコ

34歳・主婦ライター。妊活歴3年目。男性不妊の治療や人工授精に体外受精、ステップアップを重ねていくなかで感じた不妊治療のリアルな本音を発信しています。

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