新宿の花園神社 酉の市とは?
新宿にある花園神社では、11月の酉の日に酉の市(とりのいち)が開催されます。酉の市とは、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征伐の先勝祈願を行い、帰還時にお礼参りをしたことにちなんだ祭りです。
11月は日本武尊の命月であり、日本武尊は大鳥神社の祭神であることから、11月の酉の日に酉の市を開催することになりました。
酉の市が開催されるのは新宿の花園神社だけではありません。関東を中心に、さまざまな寺社で祝われています。
その中でも花園神社の酉の市は規模が大きく、大勢の参拝客が訪れることで有名です。福財布や破魔矢、熊手などの縁起物も授与され、商売繁盛や家内安全などを願う人々で賑わいます。
日程と時間をチェックしておこう
新宿の花園神社では、11月のすべての酉の日に酉の市が開催されます。酉の日は12日に1回訪れるため、11月内には2回、ないしは3回の酉の市がある点に注意しましょう。
◆2024年の開催日
今年は三の酉まであるため以下のようになります。
【一の酉(本祭):11月5日(火)】前夜祭:11月4日(月)
【二の酉(本祭):11月17日(日)】前夜祭:11月16日(土)
【三の酉(本祭):11月29日(金)】前夜祭:11月28日(木)
花園神社では順に一の酉、二の酉、三の酉と呼ばれ、酉の日にあたる日を『本祭』、前日を『前夜祭』として2日連続で屋台や見世物小屋などが並びます。
アクセスはなるべく公共交通機関で
新宿の花園神社は、都営地下鉄新宿線や東京メトロ丸ノ内線の『新宿三丁目駅』下車すぐの好ロケーションな神社です。近くに駐車場もありますが、混雑緩和のためにもなるべく公共交通機関で出かけるようにしましょう。
車で行く場合は、首都高速4号新宿線の新宿出口から5分ほどで神社に到着します。また、バスでアクセスする場合は、都営バスの『新宿三丁目』か『伊勢丹新宿前』のバス停が最寄りです。
商売繁盛の熊手を買おう
新宿の酉の市といえば、商売繁盛の縁起物である熊手が知られています。参道には多くの店が並びますが、熊手を取り扱っている店舗も多いので、好みのデザインや大きさを選んで買いましょう。
熊手は元々は落ち葉などをかき集める道具です。落ち葉だけでなくお金や福もかき集めたいという商売人たちの願いから、商売繁盛の縁起物として売られるようになりました。
また、家内安全の意味もあるので、商売をしていないご家庭でも熊手を買って飾ることができます。目線よりも高い場所に飾り、家族の幸福や仕事がうまくいくことなどを祈願しましょう。
レトロな屋台や見世物小屋を楽しもう
新宿の酉の市は、数多くの屋台が並ぶことでも知られています。焼きそばやりんご飴などの定番屋台グルメを味わうのも、酉の市ならではの楽しみ方です。
また、昭和レトロな雰囲気の見世物小屋が並ぶことでも知られています。見世物小屋というと、なんとなく怪しいイメージがあって抵抗があるという方も少なくないでしょう。
しかし、その怪しさを楽しむのも酉の市の醍醐味かもしれません。ぜひ今年は挑戦してみてはいかがでしょうか。
色々な酉の市に出かけてみよう
酉の市は、新宿の花園神社以外でも広く開催されています。元々は関東地方の祭りともいわれていますが、東海地方や近畿地方などでも酉の市を開催している寺社は少なくありません。
全国の酉の市の中でも、特に有名かつ参拝客が多く賑わう祭りとしては、次の3つが挙げられます。
・浅草の酉の市(鷲神社と長國寺)
・横浜の酉の市(金刀比羅大鷲神社)
・堺の酉の市(大鳥神社)
それぞれの酉の市についてご紹介します。
浅草の酉の市
浅草の酉の市とは、鷲(おおとり)神社と長國寺で開催される酉の市を指すことが一般的です。鷲神社と長國寺は元々は1つの寺社でしたが、神仏分離令により神社と寺に切り離されました。
なお、鷲神社の酉の市は、新宿の花園神社と府中の大國魂神社と並んで関東三大酉の市と呼ばれています。江戸時代の文献にも鷲神社の酉の市の賑わいが記録されており、長い歴史のある祭りであることがわかるでしょう。
毎年大勢の参拝客で賑わっているので、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。最寄り駅は地下鉄日比谷線の『入谷駅』です。地下鉄銀座線の『田原町駅』やJRの『鶯谷駅』からもアクセスできますが、少し距離があるので台東区の循環バスなどを利用することをおすすめします。
横浜の酉の市
金刀比羅大鷲神社の酉の市は、横浜の酉の市として親しまれています。横浜の酉の市は浅草の酉の市に倣って明治時代に始まりました。現在では横浜市の無形民俗文化財にも指定され、地域の大切な行事として根付いています。
電車で出かける場合は、横浜市営地下鉄の『阪東橋駅』が最寄りです。酉の市開催期間中は混み合うので、可能な限り公共交通機関を利用しましょう。
堺の酉の市
大阪府堺市の大鳥神社(大鳥大社)も、酉の市で有名な神社です。大鳥神社は日本武尊を祭神とし約1,100年の歴史を有する由緒ある神社としても知られています。
日本武尊が東国を平定して都に変える途中、伊吹山で神の祟りに遭い、重い病になり、伊勢の能褒野(のぼの)で亡くなりました。
皆が死を嘆き悲しんでいると、日本武尊の霊が白い鳥となって飛び立ち、大和の琴弾原(ことひきのはら)に舞い降り、次に河内の古市、そして堺の大鳥神社のある土地へ降り立ったといわれています。
大鳥神社へ電車で出かける場合は、JRの『鳳(おおとり)駅』が最寄りです。バスでアクセスする場合は、『鳳北口』か『大鳥神社前』のバス停で下車しましょう。
大鳥神社には無料駐車場もありますが、酉の市の期間中は混み合うことが予想されます。トラブル回避のためにも、時間に余裕を持って出かけるようにしましょう。
秋のイベント! 酉の市に出かけよう
11月は酉の市です。夜間は少し寒さも感じる季節ですが、ぜひ出かけてみてはいかがでしょうか。酉の市に出かけたら、縁起物の熊手にも注目してみましょう。
熊手は目線より高い場所に飾り、1年後の酉の市で返納します。その際、新しい熊手を買い、新しい年の福も呼び込みましょう。
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