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「足を引っ張る」の意味
「足を引っ張る」は慣用句です。まずは意味から確認していきましょう。
「足を引っ張る」とは、他人の前進や成功を妨げる行為のことを指します。最近では人に限らず、レポートが足を引っ張っている、など、ものに対して使われることも多いでしょう。皆がお互いのことを邪魔している状況は、「足の引っ張り合い」というように表現されます。
「足を引っ張る」の英語表現
「足を引っ張る」の英語表現は主に2つあります。
1:hurt ~chances
〜のチャンスを潰すという意味で「足を引っ張る」が表現されたフレーズです。~の部分には“your” “his” “her”などの所有格が入ります。「if you do that, you will hurt his chances(あなたがそれをすることで、彼の足を引っ張ることになるよ)」というような例文が挙げられます。
2:get in the way of~success
〜の成功を妨げる、邪魔するという意味です。〜にはこちらも所有格が入ります。「Lack of knowledge was get in the way of his success(知識不足が彼の成功を妨げた)」のように記すと、「足を引っ張る」と同じような表現ができます。
「足を引っ張る」の言い換え表現とは?
「足を引っ張る」の言い換え表現には、主に足手まとい、水を差す、出端をくじくの3つがあります。それぞれ邪魔をする、という意味を含んだ慣用句ですので、こちらも合わせて覚えてしまいましょう。
足手まとい
手足にまとわりついて、自由な活動の妨げになる様子から、前進するのを妨げるお荷物という意味で使われるようになりました。足手まといは必ずしも故意的に邪魔を入れているわけではありません。
成功に貢献したいと思っていても実力不足などから、仕方なく前進の妨げになることも含めて、足手まといと表現します。「新人の時はまだ仕事に慣れず、皆の足手まといになっていただろうな」というような例文が作れます。
水を差す
意味は、良好な関係や、上手く物事が進んでいる状況に対して途中から邪魔を入れることです。主に、人間関係で仲を裂くという意味で使われることが多いでしょう。「せっかく仲直りできそうだったのに彼の一言が水を差し、また振り出しに戻ってしまった」という例文では、関係を修復できそうだったのに、第三者の余計な一言のせいでまた仲の悪い関係に戻ってしまった状況を表しています。
出端(出鼻)をくじく
「でばな(ではな)をくじく」と読みます。意味は、物事を始めようとする意気込みや、勢いに乗って調子づこうとするのを妨げること。出端を折ると言う表現も同じ意味になります。「試合開始早々、後輩の初歩的なミスで出端をくじいた」というような例文が挙げられます。
「足を引っ張る」の使い方を例文でチェック
意味や言い換え表現について理解を深めたところで、次は例文をチェックしてみましょう。
上司の足を引っ張らないように、緊張感を持たなければならない
特にまだ職場に慣れていない時期は、不安が多いことでしょう。自分のミスが周りの人たちの「足を引っ張る」のではないか、と緊張もしますよね。焦ってしまうと本来持っている力でさえ出せなくなってしまいます。まずは、リラックスして落ち着くことが大切ですよ。
業務を早く終わらせたいのに、大量の報告書が足を引っ張っている
この場合の「足を引っ張る」は、誰かに邪魔をされているというわけではなく、何かが重荷になっているという意味で使われます。やらなければいけないことをつい後回しにしていると、後から痛い目を見るのですね…。
同じチームで足の引っ張り合いをするのは見苦しい
これは皆がお互いを邪魔し合っている状況を表しています。
ビジネスやスポーツなど、チームが形成される環境では起こりがちなことですね。やはり誰しも個人の評価を上げたいと思うものです。しかし、足の引っ張り合いをしていてはチームとして成長しません。個人ではなく、チームでのスキルアップを考えましょう。
「足を引っ張る」人の心理
チームでいる限り、「足を引っ張る」人の存在は気にしてしまうものです。意図的に「足を引っ張る」人もいれば、仕方なく「足を引っ張る」人になってしまっている人もいるでしょう。ここでは、「足を引っ張る」人の心理について触れていきます。
他の人に自分が負けたくない
他の人の成功を阻止し自分が成功すれば、優位な立場を得られるのは自分自身ですよね。意図的に「足を引っ張る」人は、自分の成果をあげる以前に他人の評価を落とすことを考えます。取り残されたくないという焦りの感情もあるのでしょう。負けず嫌いな性格が「足を引っ張る」行為に繋がるのです。
劣等感からの嫉妬
ないものねだりは誰もがしてしまいますよね。自分より楽しそうだったり、何か結果を残したりしている人を見ると、妬む気持ちも生まれてしまいます。その感情が「足を引っ張る」という妨害行為に影響してしまうのです。
コミュニケーションをとるのが苦手
ここからは、意図的ではなくつい「足を引っ張る」存在になってしまう人の心理について見ていきます。
チームで動いている時は、チーム内でのコミュニケーションが必須ですよね。足を引っ張ってしまう人は、何かアクシデントがあった時に周りに伝えず、1人で抱え込んでしまうことが多いのではないでしょうか。チームメイトとの意思疎通の伝達ができていないからこそ、余計「足を引っ張る」原因となってしまうのです。
足を引っ張っていることに無自覚
自分が足を引っ張っていることに気づかない人もいます。その人は、どの行動が「足を引っ張る」ことに繋がるのかも理解できていないはず。自分を客観視することが大切です。
足を引っ張られた時の対処法
以下では、「足を引っ張る」人への対処法を3つ紹介しています。足を引っ張られた時にはぜひ参考にしてみてください。
相手にせず、自分がやるべきことに集中する
相手の目的はあなたを動揺させることです。そこで動じてしまってはダメ。今自分は何をするべきなのか改めて考えて、それを達成することに力をいれましょう。仕返しではなく、結果で相手を見返すのです。
友人や上司に相談する
相談できる相手がいるのなら、打ち明けてみましょう。足を引っ張られたことで、ストレスがたまってしまうと余計仕事もやりづらくなってしまいます。ストレスを抱えないためにも周りの人に相談してみてくださいね。
具体的にアドバイスをしてあげる
意図的ではなく、「足を引っ張る」存在になってしまっている人に対しては、何が原因でそうなっているのかを伝えてあげましょう。まずは、相手に自覚を持たせることからです。ただし、言い方にはくれぐれも気をつけてくださいね。
最後に
「足を引っ張る」について理解を深められたでしょうか。「足を引っ張る」人も、引っ張られる人も、相手の立場に立って考えることを忘れてはいけません。チームメイトなら尚更、足を引っ張らなくてもよい環境作りに目を向けてみてはどうでしょうか?
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