妄想と空想の違い
妄想とよく似た言葉として「空想」という言葉がありますが、2つの意味は少し異なります。まずはそれぞれの意味を確認していきましょう。
空想とは?
空想は、現実とはかけ離れた想像を頭の中で繰り広げることです。芸術や哲学、発明などの分野で使われることが多いでしょう。
妄想とは?
現実と想像を区別できているかどうかが空想と妄想の違いになります。妄想は、現実で起こっていないことをあたかも現実で起こったかのように認識してしまうことです。「○○だったらいいな」「もし○○だったら…」というように脳内で考えたことと、現実で起きていることとが混同してしまうことを指しています。
例えば周りの人が笑っているだけで、自分が馬鹿にされて笑われていると思い込んだり、少しきつい言い方をされた時に自分が嫌われていると思い込んでしまうことを被害妄想と言いますよね。
他にも誇大妄想、恋愛妄想、関係妄想など様々な種類があります。「妄想癖」とは、この妄想が癖付いて習慣的に行ってしまうことです。
妄想する人の心理とは?
ポジティブな妄想は前向きな気持ちを生み出すことができますが、ネガティブなものだと被害妄想のように自らの気分を落ち込ませてしまいます。妄想癖を治すためにも、まずは妄想する心理について見ていきましょう。
1:現実逃避している
現実世界で起こっていることに満足しておらず、理想の世界を妄想で作りあげている可能性があります。仕事や人間関係が上手くいかない時に、妄想に頼ることで現実から目を背けているのです。
2:コミュニュケーションが苦手である
コミュニュケーションをとることが苦手な人は、相手の心情を読み取ることが難しく、ネガティブな妄想をしてしまいがちです。この人は自分に対して悪い印象を持っているのではないか、と相手が思ってもいないようなことを自分の中で勝手に妄想してしまいます。
3:コンプレックスを抱えている
自信が無いことで、悪いように妄想をふくらましてしまうことがあります。例えば歯並びがコンプレックスであれば、相手に口元を見られただけで「歯並びが汚いと思われているんだろうな」というように、想像の中で過度に相手の気持ちを決めつけてしまいがちです。
恋愛における「妄想癖」
妄想恋愛を楽しむ女性は少なくありません。妄想恋愛とは、ある人と恋愛する疑似体験を想像の中で行うことです。あくまで妄想の世界なので、お相手はどんな人でもOK。今回は恋愛の妄想癖について、メリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
メリット
恋愛に対して心構えができる
妄想の中では、色んなシチュエーションを思い浮かべリハーサルすることができます。そのため、実際にシチュエーション通りのことが起こった時に心の準備をしておくことができるでしょう。
恋人がいなくても楽しめる
実際に恋人がいなくても、妄想の中で恋愛体験ができるというのはとてもコスパが良いと言えるでしょう。それも自分の理想的な恋愛ができるため、価値観のズレなど、恋人間でのトラブルを回避出来るのも良い点です。
自分磨きに繋がる
妄想で恋愛のシュミレーションをしているうちに、「このシチュエーションの時はこんなメイクをしておこう」とか「もしここに行く時はこんな服を着たいな」というように、見た目にも気を配るようになります。そのため、妄想が自然と自分磨きに繋がるのです。
デメリット
現実との区別がつかなくなる
自分の中で妄想を膨らませすぎて、思い込みで恋愛を進めてしまう可能性があります。相手の想いを自分の中で決めつけてしまい、すれ違いが起きることも。妄想と現実は区別するように心がけましょう。
恋愛のハードルが高くなる
頭の中で理想の男性像や恋愛観を思い描いてしまうため、現実でなかなかそれに当てはまる恋愛が見つけられなくなってしまいます。「もっと○○な人がいい」と理想が高くなってしまうと、なかなか恋愛も進みにくいものです。
自己中心的になってしまう
妄想内では自分の思い通りに恋愛を進められますよね。しかし現実はそう上手くいかないもの。「妄想癖」により、思い通りに進む世界に慣れてしまっていると、現実世界では自己中心的になってしまいます。
「妄想癖」の治し方
妄想は一概に悪いこととは言えませんが、重度になると精神疾患と診断されてしまうこともあります。もし「妄想癖」がひどくなってきたという自覚があるならば、今のうちに治す努力をしておきましょう。以下では「妄想癖」の治し方を3つ紹介しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
1:積極的なコミュニュケーションをとる
相手との意思疎通ができていなければ、勝手に相手の意図を妄想してしまうようになります。周りの人と積極的にコミュニケーションをとることで、相手の気持ちを直接聞いて受け入れるようにしましょう。
また人との関わりを増やすことは、1人でいる時間を減らし、妄想する時間を作らないようにすることにも繋がります。
2:なにか熱中できるものをつくる
暇な時間やボーッとする時間があると、つい妄想してしまいがちです。趣味やスポーツなど、なにか熱中できるものをつくって日々を充実させましょう。特にスポーツは、体力向上にも繋がり、疲れにくい体を作ることができます。そうすると、心に余裕が生まれるため、妄想することも減っていくでしょう。
3:SNSに依存しない
最近はほとんどの人が利用するSNSですが、依存には気をつけたいところ。SNSは一種のバーチャル世界なので、現実逃避の手段になり得ます。依存してしまうと目先のことが見えなくなることも。現実と区別して使い分けることが大切です。
最後に
今回は「妄想癖」の治し方について紹介しましたが、「妄想癖」は必ず治すべきというわけではありません。恋愛妄想で幸せな気分になれるように、妄想は一概に悪いことではないのです。ただ、重度の「妄想癖」で日常生活に支障が出るほどであれば、治す努力をしましょう。「妄想癖」は治そうと思えば、必ず治すことができます。
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