舌掃除しても白い! 原因は? どんなことに注意する?
舌の掃除をしているのに、まだ白いなと気になった経験、ありませんか?
舌が白くなるのは、舌の表面が凸凹して、汚れがとても蓄積しやすくなっているから。その舌の汚れは“舌苔(ぜったい)”と呼ばれ、虫歯や歯周病の進行の手助けをしたり、口臭の原因となったり、悪い影響を及ぼすことも。近年では舌上までしっかりと掃除する方が増えてきています。
今回は、舌掃除をしているのに舌が白い原因と注意したいことを解説していきます。
◆1. 舌以外の部分がしっかりとお掃除できていない
舌の汚れは、口の中の細菌の死骸や剥離した粘膜、食べ物の残りかすなどが原因で溜まっていきます。
舌をいくら綺麗にしても、口の中が不潔な状態では、すぐに舌に汚れが沈着してしまうので、舌汚れが気になる方は、歯磨きや歯間のお掃除もしっかりとおこなってみてください。
◆2. 口の中が乾燥している
口の中が乾燥していると、舌も乾燥し、汚れが付着しやすくなります。
口の中が乾燥する原因は、以下のことが挙げられます。
・唾液の量が少ない
・口呼吸をしている
・慢性的なストレス
・日常的なアルコール摂取
・加齢による口周りの筋力低下・萎縮
・糖尿病など全身疾患の影響
・飲んでいる薬の副作用
口の中の乾燥が気になる場合は、まず舌を市販の舌専用ジェルで保湿してから舌清掃をおこなうようにしてください。また、ガムを噛んで唾液を出したり、食事の際に奥歯でゆっくりと噛んで食べたりすることも唾液の分泌に効果的です。
◆3. 喫煙による影響
タバコに含まれる“タール”成分には粘着性があり、舌に汚れが付きやすくなります。タバコに含まれる“ニコチン”は、唾液の量を減らす作用があり、口の乾燥を引き起こすため、あわせて注意が必要です。
◆4. 疲れや体調不良、睡眠不足が原因かも
疲労が溜まっている時や、体調不良時、睡眠不足など免疫力が低下している時には舌苔が付着する原因に。
全身の影響は口にも出やすいので、まずは体を健康に保ちましょう。
◆5. なかなか取れない舌苔は病気の疑いも
舌が単に汚れているだけではないことも考えられます。口の中の粘膜が分厚くなって白く見える “白板症”というがんの手前の病気や、胃腸の不調、抗生物質やステロイド剤の長期服用によって細菌のバランスが崩れて生じる舌苔もあります。
また、悪い影響があるわけではないのですが、“地図上舌”と呼ばれる原因不明の白い斑(まだら)模様が舌に現れることもあります。
心配な場合は、一度歯科医院で相談をしてみてください。
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舌苔が溜まりやすい時は、体からの何らかのサインと考えてよいでしょう。十分な休息をとり、上記の内容が当てはまる場合は対処をおこない、なかなか取れない場合は歯科医院へ。
注意してほしいのは、舌を傷つけないようにゴシゴシしないことです。丁寧な舌掃除を心がけてくださいね。
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Oggi.jp's 野尻真里
日本審美歯科学会所属の歯科医師。朝日大学を現役卒業後「うずら歯科」に勤務。写真集『美人女医図鑑』を発売中。華道脇教授の資格を持つなど充実した趣味と、美容やファッションにもこだわっているインスタグラム@nojirimari も要チェック!