「恋しい」とは?
「恋しい」は、「離れている人や場所、ものごとなどに強く心が惹かれる」という意味の言葉です。会えない人や、実際には実現しない物事などに対して思いを寄せること。会えない恋人や遠く離れた親戚などはもちろん、過去のできごとなどにも用います。
一部の辞書では、特に男女間で恋焦がれる気持ちを指すといった解説がありますが、実際のところ対象になるものはさまざまです。
「恋しい」の類語は?
「懐かしい」「慕わしい」などが、「恋しい」の類語として挙げられます。いずれも、今は目の前にないものについて強く心が惹かれることを表す言葉です。
これらと「恋しい」との違いですが、「恋しい」という言葉にはどこか寂しさが含まれています。「会えない恋人が恋しい」「高校時代が恋しい」「布団が恋しい」など、状況は異なりますが、いずれもそれがなくて寂しいというニュアンスが感じられますね。
「恋しい」と「愛しい」との違い
「恋しい」と「愛しい」はよく似た言葉ですが、実は全然違う言葉です。「恋しい」は先ほどから説明しているように「今目の前にない何かに強く心が引かれる気持ち」を指します。
一方、「愛しい」は何かをかわいいと思う様子を表す言葉。たとえば「恋人が恋しい」だと会いたくても会えないという寂しさを感じますが、「恋人が愛しい」だと、恋人が好きで好きでたまらないという幸せな感情が表現されています。
「恋しい」と思う時の心理状態
では、「恋しい」と感じるのはどんな瞬間なのでしょうか。実際に「恋しい」と感じるシーンを挙げてみましょう。
1:ひとりでいるとき
ついさっきまで友達と一緒にぎやかに過ごしていたのに、部屋に帰るとひとり。そんなとき、「恋しい」という気持ちになることがあります。誰か友人に電話をかけたり、LINEで大した意味のないメッセージを送ってみたりしたことはありませんか?
ほかにも、大きめの仕事が終わってぐったりして部屋に帰ったときに、ふとひとりぼっちであることを感じると「恋しい」という感情が芽生えることも。
2:イベントの予定がないとき
お正月やクリスマス、バレンタインなど1年の中にはたくさんのイベントがあります。イベントが近くなると、まわりは恋人や友達とパーティーを開いたりして楽しく過ごしているのに、自分だけは予定がない、というときに「恋しい」と感じます。
そんなときは、恋人でなくても誰でもいいから一緒に過ごせる相手がいればいい、と思ってしまうもの。でも、結局は虚しさが残ってしまうのです。
3:体調が悪いとき
ケガや病気など、体の調子がイマイチなとき、人はちょっと弱気になってしまいます。そんなとき「誰かがそばにいてくれたらいいのに」と「恋しい」気持ちが生まれやすくなりがちです。ちょっとした風邪でも、誰も看病してくれないという状況で夜を迎えるとなんだか心細くなってしまいますよね。
4:気分が落ち込んでいるとき
「仕事で失敗した」「友人となぜかケンカをしてしまった」などと、気分が落ち込んでいるときは、誰かにあたたかく見守ってほしい、そばでやさしくしてほしいと誰もが思うものです。
自分だけでつらく悲しい気持ちを乗り越えないといけない時、人が「恋しい」と感じるのです。とくに、それまでいつもそばで支えてくれた恋人や友人がいなくなったとき、強く「恋しい」と感じるのではないでしょうか。
「恋しい」気持ちを落ち着かせる方法とは?
では、「恋しい」気持ちを落ち着けるにはどうしたらいいのでしょうか。
1:友だちをたくさんつくる
会いたい人に会えなくて「恋しい」ときなどは、その人に会いにいければいいのですが、そんなときにはそもそも「恋しい」とまでは思いませんよね。「会いたい」と思ってもちょっとやそっとでは会えないから「恋しい」のです。
そんなときのために、友人をたくさんつくっておきましょう。「友達は少しで十分」「プライベートで会うほどの友達はいない」という人もいるかもしれませんが、友だちが多ければ多いほど、「恋しさ」や寂しさを感じる頻度は減るのです。
「恋しい」ときのための友だち、というわけではありませんが、たくさん友だちがいることでそもそも「ひとりぼっち」になることが少なくなり、「恋しい」気持ちを和らげることができます。
2:軽い運動をする
実は運動には、精神を安定させる効果があります。気持ちを前向きにしてくれるホルモン「セロトニン」が分泌されるので、心の安定とポジティブ思考が手に入るといわれています。
運動と言っても軽いもので十分。とくにウォーキングやジョギングなど、同じリズムをテンポよく繰り返す運動がおすすめ。30分ほどで充分効果が期待できます。
3:音楽や映画など、ひとりでできる趣味を楽しむ
ひとりでもできる、むしろひとりのほうが集中して楽しむことができる趣味を見つけるのもいいアイデアです。「恋しさ」を紛らわせることができます。身近なところでは、映画鑑賞や読書、音楽鑑賞などがありますね。とくに音楽鑑賞は、心のバランスを保つとともに、脳が活発に動くようになるのだそう。
また、釣りもいいですね。のんびりと水辺に座り、釣り糸を垂れるだけで心や休まります。無理に魚を釣ろうとしなくてもいいのです。のんびりした気持ちでリラックスできるのではないでしょうか。
4:お酒を適度に楽しむ
人恋しい時には、適度な量のお酒を楽しむことで、気分を軽くすることができるでしょう。アルコールには、気持ちを高揚させる効果のある「ドーパミン」という物質を分泌させるはたらきがあるからです。
ただし、過剰なアルコールの摂り過ぎは厳禁。気持ちの高揚を通り過ぎて、余計「恋しさ」が募ってしまったり、肝臓や脳への負担が懸念されます。「恋しい」からといって、飲みすぎ・深酒は禁物です。あくまでも適度に楽しんでくださいね。
5:眠る
「恋しい」と感じるのは、起きているからです。起きていると脳は休まりませんから、どんどん「恋しさ」が募り、寂しさで胸がいっぱいになってしまうのです。ならば、いっそ眠ってしまいましょう。脳を休めてあげれば、前向きな気持ちで目覚めることができます。
すでにご紹介した運動が苦手、または趣味がないという場合におすすめの方法です。
最後に
本記事では「恋しい」と感じるシーンをご紹介しましたが、ご自身の経験と重なることはありましたか。「恋しい」と感じることは自然なことですが、それが「つらい」と感じるようであれば、今回ご紹介した対処方法をぜひ試してみてくださいね。
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