【34歳・自称バツイチ男性との不倫に溺れた女性のケース】
奈津子さん(仮名)は、友人が主催したバーベキューで知り合った自称バツイチの男性・戸口さん(仮名)と不倫。当初は「バツイチ」と聞かされていたので不倫を始めた自覚はなかったそうですが、交際開始後に共通の知人を通して「彼はバツイチではなく奥様と別居しているだけ」と聞き、相手が既婚者であることを知ったといいます。
「事実を知ったときはびっくりしました。だけどもう私は彼に夢中になっていたので、既婚と知っても別れることができなかったのです。彼に直接そのことを尋ねたところ『まもなく離婚するけどまだ別居中。結果として嘘をつくことになっていてごめん』と謝ってくれたこともあって、そのまま関係を続けてしまいました…」
「まもなく離婚」は嘘。彼はただ家出をしていただけ
しかしそれから数ヶ月経ってもなかなか離婚をしない戸口さんに対し、奈津子さんはだんだんと不信感を抱くことに。
「口では『もうすぐ』と言うのですが、奥様と話し合いをしている様子もなく、ただ時間だけが過ぎていきました。私は不倫をしてしまっているという罪悪感があったので『まだこの状態が続くなら別れたい』と何度か彼に言いましたが、そのたびに『そろそろだ』と言うのでズルズルとまた時間が過ぎてしまったのです」
ある日、彼が既婚であることを教えてくれた知人とはまた別の共通の知人と久しぶりに会った奈津子さん。今度はそこで「彼は一方的に家出をしていて、長く自宅に帰っていないらしい」という衝撃的な話を耳にしたそうです。
「周りから聞く話と彼から聞いている話があまりにも違いすぎて、いったい何が真実なのかわからなくなっていきました。彼と一度じっくり話をしなくてはと思い話し合いをしたら、周りが言っていることが正しいようで、彼は『実はまだ離婚の話し合いは何もしていない』と白状しました」
彼とはこの時点で別れるべきだったと悔やむ奈津子さん。しかし当時は、なぜか会ったこともない戸口さんの妻に対して強烈な嫉妬心とライバル心が芽生えてしまい「そのあとは自分でも不思議なくらい戸口さんに溺れていった」と話します。
やはり進まなかった離婚話。疲弊しきって彼の元を去るしかなかった
それからしばらくしても戸口さんはいっこうに離婚せず、奈津子さんのイライラは限界に。彼と会っても「早く離婚してよ!」と気持ちをぶつけてしまい喧嘩になるため、奈津子さんは疲弊しきってしまったそうです。
「そんな調子だったので彼も私と距離を置くようになり、結局そのまま別れることになりました。時間も無駄にしたと感じますし、傷つかないでいいようなところで傷ついた不倫期間だったと思います。彼が離婚しなかったことでなぜか彼の奥様への敗北感も強くて、自分の価値とか自信とかもすっかり失うことになりました。不倫なので報われなくて当たり前ですが、不毛な関係に全力投球して勝手に疲れて勝手に破れて… そんな自分にウンザリしています。
そして何より不倫を終えた今でもまだ疲弊した感覚が抜けず、あまりよく眠れないし精神的にも不安定でよくイライラして周りの人と衝突してしまいます。無駄なことにエネルギーを使ってしまいもぬけの殻になったような感じで、自分のことがよくわからなくなってしまいました。不倫をしたことで人格が変わってしまった気がして、本当に後悔しています」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。