「美人薄命」とは？意味や語源、使い方、「佳人薄命」との違いについて解説

「美人薄命」という言葉を聞いたことはありますか？お茶の間で人気を博した芸能人の中にも、「美人薄命」と言われる人物がたくさんいます。本記事では、「美人薄命」の意味や語源、使い方、類語などを解説します。

言葉

目次Contents

1 「美人薄命」は本当？意味は？
2 「美人薄命」はなぜそう言われる？
3 「美人薄命」の使い方を例文でチェック
4 「美人薄命」の類義語・「佳人薄命」の意味
5 「美人薄命」の対義語
6 「美人薄命」と言われる芸能人は？
7 「美人薄命」は男性にも言える？
8 最後に

「美人薄命」は本当？意味は？

「美人薄命」は、文字だけ見るとどんな意味か気になりますよね。美しい人が薄命というのは本当なのでしょうか？詳しい意味をチェックしましょう！

◆「美人薄命」の読み方と意味

「美人薄命」は「びじんはくめい」と読みます。「薄命」は「短い命」「不幸せ」を指すため、文字通りに解釈すると「美人は病弱で早死にしたり、不幸になったりすることが多い」という意味になります。実際にはきれいな人が短命だと決めつけることはできないので、美人がゆえに苦労をしている人に対して使ったり、美しいものの儚さを表す言葉として用いたりすることもできるでしょう。

「美人薄命」はなぜそう言われる？

「美人薄命」という四字熟語は、中国北宋時代の詩人・蘇軾（そしょく）が書いた詩のタイトル「薄命佳人」が由来と言われています。佳人とは色街の芸妓のことで、その時代の色街では歳をとり美貌が薄れてしまった芸妓は身を隠すことが美意識とされていました。詩「薄命佳人」は、誰にも知られず密かに命を終える姿を、綿毛の様に儚いと例えた作品です。

また、昔は美人が病弱だと余計に大事にされ注目されたということや、男どうしの闘争に巻き込まれて亡くなったなどのケースが多かったことも、美人薄命の由来と言われています。

「美人薄命」の使い方を例文でチェック

「美人薄命」は日常会話ではあまり聞かない表現ですが、どのような場面で使える言葉なのでしょうか。実際の使い方を例文を交えて紹介します。

◆彼女は社内で噂の美人だが、よく男性関係のトラブルに巻き込まれていて、まさに美人薄命だ。

「美人薄命」は美しい人の不幸を表す言葉なので、このように、美人がゆえに男性関係のトラブルによく巻き込まれてしまう女性に対して使うことができます。「きれいな人はかわいそうだ」「気の毒だ」と言うと妬みだと感じ取られるかもしれませんが、「まさに美人薄命だね」と表現すれば嫌味っぽくならないかもしれません。

◆きれいな人はやはり美人薄命なのか、ブレークしていた新人女優がスキャンダルで引退した。

「美人薄命」は、美しい人は短命であるという意味です。美人で人気のあった芸能人が、スキャンダルをきっかけに芸能界から姿を消すという話はよくありますが、これも美人薄命と言えそうです。

「美人薄命」の類義語・「佳人薄命」の意味

「美人薄命」の類語には、「才子多病」や「紅顔薄命」などが挙げられます。また、一文字違いで「佳人薄命」という四字熟語もあります。ここでは、それぞれの言葉の意味を紹介します。

◆「才子多病」

「才子多病」は「さいしたびょう」と読み、才知があり優秀な人は体が弱く病気がちであることを表します。頭の良い人は様々なことに考えを巡らせるため食事や睡眠が疎かになり、病気になりやすいという解釈ができます。

（例）彼はいつも人一倍頑張っていて成績優秀だけど、才子多病と言うし、体を壊さないか心配だ。

◆「紅顔薄命」

「紅顔薄命」は「こうがんはくめい」と読みます。「紅顔」は血色がよくて肌につやのある顔という意味なので、主に若者のことを表す言葉です。「美人薄命」と同じ意味で用いられます。

（例）妹は美人だけど、能天気で嫌なことはすぐに忘れるタイプなので、紅顔薄命という言葉はきっと当てはまらない。

◆「佳人薄命」とは？

『「美人薄命」は本当？なぜそう言われる？』の章で紹介した通り、美人薄命は中国の詩「薄命佳人」が語源です。これが四字熟語「佳人薄命」になり、詩の内容通り「美人も歳をとると容姿が衰えるため、美貌は長く続かない」という意味で使われるようになりました。これが日本では美人薄命として広まり、いつの間にか「美人は命が短い、不幸である」といった解釈で用いられるようになったのです。

現在では「佳人薄命」も美人薄命と同じ意味で用いられているため、どちらを使用しても間違いではありません。