【29歳・勤務先の社長の愛人になった女性のケース】
優里さん(仮名)は、東京での生活に憧れて24歳のときに上京。就職活動には数年かかり苦労したものの、やっとのことで採用された会社で夢だった東京ライフを謳歌していました。しかし勤務先の社長である平澤さん(仮名)と不倫関係になってから、優里さんの人生が狂い始めてしまったとのこと…。
「2年にわたる不倫生活を終えましたが、今はとにかく脱力感と情けなさと虚しさと…。不倫をしてよかったことなんて、結局はひとつもなかったです。
勤務先の社長から『愛人にならないか』と声をかけられたのは、就職して2ヶ月が経ったころでした。給料と別に“お手当”もくれるとのことで、お金が欲しかった私は深く考えずにOKしてしまったのです」
勤務先で「愛人」だと噂され孤立する日々…
「小さな会社だったため私が社長の愛人であることはあっという間に社内に広まり、そのうちに同僚は誰も私と深く付き合ってくれなくなりました。ランチや仕事後の飲み会にも誘われず、勤務時間に業務の話はするけれど、ちょっとした雑談やプライベートな話をされることはなくなりました」
それでも物価の高い東京生活で、給料と別にお金がもらえることを魅力に思い、平澤さんとの愛人関係を続けてしまったという優里さん。そして、その関係は平澤さんからの一方的な別れ話で終わりを迎えました。
すべての収入を失って知った現実
「社長から『他に好きな女性ができた』と言われ、一方的に別れを告げられました。そのときに『社内でも浮いているし会社も辞めた方が君のためだよ』と社長に言われ、確かにそうだなと思い退職しました。
彼と別れてからは、当たり前ですがお手当が入らなくなり、仕事もやめたので収入も失いました」
当初は「しばらくは貯蓄でなんとかなるだろう」と優里さんは考えていたそうですが、転職活動が思ったほどうまくいかなかったことと、お手当を見込んで借りていたマンションの家賃が生活費を圧迫し、あっという間に貯蓄も底をついてしまったそうです。
「お金がほとんどなくなり、でも実家の親には全てうまくいっているフリをしてきたので、“お金を貸して”とも言えない。引っ越したいけれど引っ越しにもお金がかかるので、借金をしてアルバイトで繋ぎながらなんとか生活しています。
今、転職活動をしていますが、理想の勤務先が見つからず、業務内容が気にいると給料が安かったり給料が高めだと仕事の内容が私には難しかったりとなかなかうまくいきません。
不倫の代償は大きすぎました。すべての収入を失った今、思っていた以上にお金がなくなり身動きが取れない状況です。不倫に誘われてもOKしなければ、今でも前の会社にいて普通に働いていたんだろうと思うと、自分の甘さが嫌になります」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。