【30歳・離婚調停中に出会った男性とダブル不倫をしたケース】
菜摘さん(仮名)は、27歳で職場の同僚と結婚をしたものの、夫の浮気が発覚し離婚を決意。子どもの養育費やローンで買ったマンションのことで話し合いの折り合いがつかず、調停離婚へと進んだそうです。調停での話し合いは当初思っていたよりも難航し、数ヶ月経っても離婚が成立しなかったあるときに単発のアルバイトをした先で出会った既婚者の田辺さん(仮名)とダブル不倫関係を始めてしまいました。
「離婚がうまくいかずイライラしていたのもあると思うのですが、久しぶりに男性に優しくされて、さらに甘い言葉をたくさん言われ口説かれ、ふらふらと田辺さんのことを好きになってしまったんです。
田辺さんが既婚者であることは、そのアルバイトの帰りにふたりで食事に行ったときに聞きました。それでも彼は『一目惚れだ』って言ってくれたし、私も一目惚れに近い形で田辺さんに惹かれていたので、出会ったその日にホテルに行ってしまったんです」
不倫相手は親身に調停の相談に乗ってくれた
離婚調停が進まないことに悩んでいた菜摘さんは、田辺さんにも頻繁に相談をしたそう。田辺さんが既婚者だったことからアドバイスも現実的なものが多く、当時の菜摘さんは「田辺さんと出会えてよかった。ひとりで離婚問題と戦わなくて済む」と安堵していたと言います。
「田辺さんとはほぼ毎日LINEをして、いつも調停の相談をしていました。デートは月に4回程度でしたが、会えばいつも優しいし、田辺さんの存在が離婚問題で悩んでいる私の心の支えになっていたことは確かです」
そして1年弱にわたる離婚調停は決着を迎え、菜摘さんの離婚が成立。田辺さんとの不倫期間も半年を迎えようとしていた頃だそうです。
離婚成立直後、不倫が相手の家庭にバレた
ところが、そこから1ヶ月も経たないうちに事態は急変。田辺さんの家庭に菜摘さんとの浮気が知られ状況が大きく変わる展開に…。
「田辺さんが酔っ払って、奥様に“菜摘”と言ってしまったらしいんです。それまでも奥様はなんとなく夫の様子がおかしいと思っていたそうで、何度か田辺さんに浮気を探るようなことを言っていたらしいんですね。でも彼が名前を間違えたことで奥様に問い詰められ、スマホの中身もその場で全部チェックされた結果、私との不倫が決定的にバレました」
そしてその数週間後、菜摘さんのもとに田辺さんの奥様の代理人弁護士から、田辺さんと別れることと慰謝料を支払うよう書かれている文書が届いたとのこと。慌てた菜摘さんは田辺さんにすぐ電話をしたそうですが…。
「申し訳なさそうな声で『まぁ、そういうことだから』と言うだけで、具体的な対処法を答えてくれなかったんです。『不倫しちゃったのは俺たちだし、妻は悪くないし法律に基づいて請求しているんだから菜摘が払うしかないよね』って他人事。しかも『妻が菜摘と別れろって言っている以上、もう別れるしかないよ』という言い方までされました」
それまで田辺さんのことを“頼もしい男性”だと思っていた菜摘さんは田辺さんの態度に深く落胆したそうですが、離婚が成立した直後で心も疲れていたため交渉をする元気もなく、請求された額をすべて支払って早期に解決をしたそうです。
「離婚のときに夫からもらった慰謝料をすべて田辺さんの奥様に支払った形になりました。田辺さんはそれっきり私の前から姿を消しましたし、私のもとには何も残っていません。苦労して離婚して、新生活のためにと勝ち取った慰謝料もあっけなく消えてしまい、自分がしたことの愚かさが情けないです。子どものために新生活を頑張ろうと思っていたけれど、今は子どもにも申し訳なくて…。
金銭的に当初計画していたより苦しくなってしまったので、今は子どもを実家に見てもらいながらアルバイトを増やし、会社に就職できるよう就職活動もしているところです。でもなかなかいい求人もなくて。なんであのとき不倫なんてしてしまったんだろう。自分の離婚問題のつらさのせいで、不倫に逃げた自分が情けないです」
TOP画像/(c)Shutterstock.com
並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。