【30歳・隠れ既婚者に本気になってしまった女性のケース】
美波さん(仮名)は、28歳のときに飲み会で知り合った男性・神田さん(仮名)に一目惚れ。参加者全員が“独身”という前提での出会いだったので、まさか神田さんが既婚者であるとは知らず不倫の関係へと至ってしまったそうです。
「神田さんから『実は…』と既婚者であることを打ち明けられたのは、付き合い始めて2ヶ月が過ぎたころでした。もうそのときには神田さんのことが大好きだったし、神田さんも私のことを『妻よりも愛している』と言ってくれたので、そのまま不倫をすることになってしまいました」
既婚者であることがわかってからは完全に孤独な日陰の立場に
神田さんに既婚者であることを打ち明けられる前と後では、付き合いかたに変化が出たとのこと。既婚者であることを隠されていたときには休日デートやお泊まりデートもあったのに、既婚だと伝えられてからは家庭優先のスケジュールでのデートが増えたそうです。
「今振り返ってもとても孤独でした。神田さんは結局私より家庭が大事なんだろうなという気もしました。でも彼のことが大好きだったので、私は日陰の立場でもいいと自分に言い聞かせ、神田さんの都合に合わせてデートをしていました」
妻の妊娠であっけなくジ・エンド。心が壊れて立ち直れなくなり…
不倫を続けて1年になろうとしたときに、神田さんから「妻が妊娠した」と告げられ、一方的に不倫関係が終わったそうです。
「びっくりしました。奥様とはそういうことはしていないと聞いていたので、それも嘘だったんだ… と。それでも『別れたくない! 日陰でいいって決めたのに、なんで私を捨てるの!』と縋りましたが、神田さんは私のもとから去っていきました」
見捨てられたと感じた美波さんは、別れをきっかけに心が壊れてしまったと言います。
「不倫なのに何を本気になっていたんだと思う冷静な自分と、神田さんのことが大好きだった自分の折り合いがつかず、今も彼のことを考えてしまう状態です。最初に彼のことを独身だと信じていたので、その“好き”という気持ちが継続してしまい、自分で気持ちを整理できないのです。
神田さんと別れてから世界がグレー色に見えてしまい、何もする気にならないし何をしていても楽しくありません。今でも神田さんのSNSをこっそり見てしまいますし、SNSを見るたびに『奥様と一緒なのかな』とか『今頃は家で奥様と楽しくおしゃべりしているのかな』と考えてしまって、自分が嫌になります。
神田さんのことを忘れたいけれど、彼のことで頭がいっぱいでどうしてこんなふうになってしまったのか自分でもわからずにいます。
彼と出会った日に戻れるならば、結婚しているかどうか念入りに尋ねたいです。後からこんなに後悔する日がくるとわかっていれば、絶対に神田さんのことは好きにならなかったのに。どうして既婚だと知らされたときに離れなかったのか…、自分でもよくわかりません」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。