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天真爛漫の読み方は?
天真爛漫は「てんしんらんまん」と読みます。日常会話でもつかうシーンの多い言葉ですが、正しい意味や言葉の由来をご存知ですか? 「天真爛漫」の意味や使い方、類語などを解説していきます。
天真爛漫とは? 意味を紹介
「天真爛漫」は、飾ったり気どったりせず、ありのままであることを表します。無邪気で、ほほえましくなるようなさまを指すこともあり、明るく無邪気な人を形容するときなどによく用いられます。
天真爛漫の語源・由来
◆語源
「天真爛漫」の「天真」は、天から与えられた自然のままの、飾り気のない姿を表し、「爛漫」は、花が咲き乱れているさまや光り輝くさまを言います。この2つを合わせて、無邪気で眩しいさま、生まれ持っての純真さを指す言葉になりました。
◆由来
「天真爛漫」は、中国の随筆集である『南村輟耕録(なんそんてっこうろく)』からきています。元の時代の風俗や歴史など、さまざまな事柄が詳しく書かれている書物で、第20巻「狷潔」に、「嘗自写一幅。長丈余、高可五寸許。天真爛漫、超出物表」という記述があります。これは絵の出来栄えを称賛している一文で、美しく咲き乱れる花を、そのままの美しさで描いた素晴らしい作品である様子が伝わってきますね。
天真爛漫な人とは? 性格・特徴は?
「天真爛漫な人」という言葉をよく聞きますが、天真爛漫な人とは具体的にどのような人のことをいうのでしょうか。性格や特徴について解説していきます。
◆性格
天真爛漫な人は、明るく無邪気、そして素直な性格です。居るだけでその場の空気が華やぐような、人を惹きつけるムードメーカー的な人といえます。
◆特徴
では、「天真爛漫な人」は具体的にどのような特徴がある人のことを指すのでしょうか。天真爛漫といわれる人の特徴を紹介します!
〈天真爛漫な人の特徴〉
・感情表現が豊か
・愛嬌がある
・好奇心が旺盛で前向き
・飾り気がなくはっきりした物言いができる
・少し鈍感なところもある
天真爛漫の類語
天真爛漫は、基本的には褒め言葉として使われることの多い言葉ですが、「悪気なく物事をはっきり言う人」「子どもみたいな人」など、ネガティブな意味で捉えられることもあります。褒め言葉として「天真爛漫な人だね」と伝える場合は、語弊の無いよう注意した方がいいかもしれませんね。では、「天真爛漫」を他の言葉で言い換える際には、どのような言葉を使えばいいのでしょうか。
1. 天衣無縫
「天衣無縫(てんいむほう)」とは、天人の衣服には縫い目のあとがないことから転じて、詩や文章などに技巧のあとが見えず、自然で完全無欠で美しいことやそのさまをいいます。ありのままで美しいさまを表すので、天真爛漫であることを指す言葉でもあります。
・天衣無縫の傑作が完成した
・私の祖父は天衣無縫な人だ
2. 無邪気
「無邪気」は、素直で悪気がないことやいつわりや作為がないことを意味します。あどけなく可愛らしいことやそのさまを表しますが、思慮に欠けるさまを指す場合もあります。褒めるつもりで「無邪気な人だ」と伝えても、文脈によっては「思慮の欠ける人だ」などネガティブな意味合いで捉えらえることもあるので、伝え方には注意したいですね。
・子供のように無邪気な人だ
・彼女の無邪気な笑顔はとても素敵だ
3. あどけない
無邪気でかわいい、無心であるという意味があります。幼い子どもの様子などを表す際に用いられることが多い言葉です。
・大きくなっても仕草にはまだあどけなさが残る
・あどけない表情が魅力的だ
天真爛漫を悪くいうと? 対義語も紹介
基本的には褒め言葉として使われることが多い「天真爛漫」ですが、対義語にはどのような言葉があるのでしょうか。
1. 奸佞邪知
「天真爛漫」の対義語には、「奸佞邪知(かんねいじゃち)」という言葉があります。心がひねくれていて悪知恵が働き、こびへつらうことやそのさまを意味する言葉です。経験を積んでいて悪賢いことを指す「狡猾老獪(こうかつろうかい)」も似た意味があります。
2. ずる賢い人
「天真爛漫」の対義語というよりは、対義語を日常的に使うものに言い換えた言葉です。日常会話で「奸佞邪知」はなかなか使うシーンがないと思いますので、無邪気や素直といった言葉と相反するものを使うのがいいかもしれません。
3. ひねくれ者
こちらも「ずる賢い」同様、日常会話で使いやすい言葉です。「天真爛漫」にある素直や飾り気のないというニュアンスを崩すような表現ですね。
天真爛漫な人になるためには?
天真爛漫な人は自然体で愛嬌があり、男女問わず人からモテる人が多いイメージですよね。では、天真爛漫な人になるにはどうすればいいのでしょうか。天真爛漫な人になるために意識したいポイントを3つ紹介します。
1. 豊かな感情表現を心がける
天真爛漫な人は感情表現がとても豊かです。ご飯を美味しそうに食べる、小さなことでも楽しそうに笑う、嫌なことがあったら臆せず怒りや悲しみを表に出す。ありのままの無邪気な感情は、大人になるにつれ表に出すことが難しくなっていきますよね。だからこそ、感情表現が豊かな人は注目を集めたり人を惹きつける魅力を持っていたりするのではないでしょうか。
2. 物事を前向きに捉える
天真爛漫な人に共通する特徴は、「前向き、ポジティブである」こと。例えば仕事で何か失敗して上司に注意を受けたとしても、言い訳をしたり「信頼を失ってしまったかもしれない」と心配をするのではなく、素直に受け止め改善に努める。前向きな姿勢は周りからも好印象を持たれますし、自己成長にもつながります。
反対に、ネガティブな言葉を発したり、心配性で「〜したらどうしよう」など現実に起こっていないことにも不安を感じていたりすると、それだけでなんとなく表情が曇り、「暗い人」という印象を与えてしまいます。愛嬌や明るさは前向きな気持ちや姿勢から! 日頃からポジティブシンキングを意識したいですね。
3. 常識にとらわれすぎず、自分の気持ちに素直になる
天真爛漫な人に欠かせない「無邪気さ」は、世間の常識やルールに縛られない素直さや自由さが大事。好きな人にはちゃんと甘える、嫌なことは相手が誰でもNOと伝える、流行りや年齢を気にせず好きな服を着る。とはいえ、自由すぎると空気が読めない、非常識だと思われてしまうこともあるかもしれません。TPOをわきまえることも大切なので、周りの人に不快な思いをさせないよう、バランスを考えることも忘れずに。
天真爛漫の英語表現
「天真爛漫」は、英語でいうとどのような表現になるのでしょうか。天真爛漫の英語表現や例文を紹介します。
◆innocence
純真、無邪気、無垢といった意味があります。
◆naive
素朴、うぶといった意味があります。「ナイーブな人」と聞くと「繊細で傷つきやすい人」というイメージですが、世間知らずや鈍感といった意味合いもあるので、英語表現の場合はあまりつかわないほうがいいかもしれませんね。
◆artless
あどけない、初々しい、純真といった意味があります。
〈英語での例文〉
・She is innocent like a child(彼女は子供のように天真爛漫だ)
・He is as naive as a child(あの人は子どものように天真爛漫だ例文帳に追加)
・He behaves artlessly.(彼は天真爛漫に振る舞っている)
最後に
中国の随筆集で絵を賞賛したことから由来した「天真爛漫」。光り輝く飾り気のない美しさとを表すとても素敵な言葉です。捉え方によってはネガティブな意味になってしまうこともあるので、その場の雰囲気に応じて類義語を活用をしてみてくださいね。
言葉の意味/デジタル大辞泉
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