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「サンプリング」とは?
皆さんは、「サンプリング」という用語を知っていますか? 耳慣れない言葉かもしれませんが、実は私たちの周りでよく行われている調査でもあります。例えば、選挙における政治家の支持率や、朝のニュース番組で行われているアンケート調査も「サンプリング」の仲間です。
まずは、「サンプリング」がどういうものなのか、その意味や定義を一緒に確認しましょう。
「サンプリング」の意味
「サンプリング」とは、「雑多にまとめられた全体の中から、定められたルールに則って一部分を取り出す」ことを指しています。
また、マーケティングのプロモーションの一環として「サンプリング」が行われることも。例えば、自社の新商品開発に伴って、その商品の効果を消費者に試してもらうという方法です。新商品を「サンプル」として渡し、その効果や状態を体験してもらうことで、新商品の認知度を上げたり、購買意欲を促進させたりする効果があります。
「サンプリング」の目的
続いて、「サンプリング」を行う目的について紹介します。「サンプリング」の目的は、先に少し紹介しましたが、「新商品の認知度向上」と「購買意欲の促進」です。
その二点に加えて、「サンプリング」を行った際のアンケートによる品質向上も重要な目的といえます。消費者に新商品を試してもらい、その商品の性質や状態を確かめてもらうことで、今後の改善点や問題点を明らかにすることができるのです。
「サンプリング」を行う上での注意点
「サンプリング」を行う上で、注意しなければならないことがあるので押さえておきましょう。
1:「サンプリング」を行う人は無作為に決める
自社製品のサンプリングを行う場合は、製品開発に関わった人以外の人に「サンプリング」を実施することが鉄則です。製品開発に関わった人以外の中から無作為に選ぶようにしましょう。
2:「サンプリング」を行う目的を理解していること
どのような意図から「サンプリング」を行っているのか、その目的を理解せずに行っても効果的な調査はできません。
「サンプリング」の活用法とは?
「サンプリング」とは、主にどのような場面で使われるのでしょうか? 具体例を見ていきましょう。
1:サプリメント
サプリメントや健康志向食品では、よく「サンプリング」が用いられます。広いターゲット向けの製品であるため扱いやすく、消費者側も試してみたいという気持ちになりやすいです。
2:コスメなどの化粧品
化粧品も「サンプリング」がよく用いられます。化粧品は試供品として小分けにしやすく、配布がしやすい上持ち運びにも向いているため、「サンプリング」と相性が良いです。口コミサイトやSNSで製品について評価してもらうことで認知度アップを狙えます。
「サンプリング」の種類とは?
「サンプリング」を行うための手法はいくつかあります。目的に合わせてベストな方法を選択しましょう。
1:ルートサンプリング
一般的によく見かけるのが「ルートサンプリング」と呼ばれる手法です。消費者が通る道や施設、店舗などの「ルート」で「サンプリング」を行うため「ルートサンプリング」と呼ばれています。
「ルートサンプリング」でのメリットは、ターゲットを絞りやすいことです。例えば、化粧品の「サンプリング」を行いたい場合、コスメショップや美容に関する施設の近くで「ルートサンプリング」を行うことで、コスメや美容に関心のある人に向けて「サンプリング」をすることができます。
2:WEBサンプリング
消費者側の意思で選択できる、WEBサンプリングという方法もあります。WEBやSNSで会員登録、アカウントのフォローなどを行うことで、製品を提供するという方法です。この方法は人件費がかからない分、コストを抑えることができますし、試してみたいという意欲のある人に「サンプリング」を実施することができるため、正確性が上がります。
3:街頭サンプリング
より不確定多数の人数で「サンプリング」を行いたい場合は、「街頭サンプリング」がおすすめです。人気の多い街かどで「サンプリング」を行うことで、一気に認知度を高めることができます。
「サンプリング」のメリット
「サンプリング」を行うことで、ただの調査だけでなく得られるメリットがあることは、先の内容から分かっていただけたのではないでしょうか。ここでは、もう少し詳しく紹介します。
1:製品を知ってもらうきっかけになる
繰り返しになりますが、製品の「サンプリング」をすることで「こういう製品があるんだ」と知ってもらうことができます。まずは、存在を知ってもらわなければ買ってもらうこともできません。そういう点で「サンプリング」は非常に有用といえます。
2:製品の良さを体験してもらえる
いくら広告に力を入れても、製品の良さを伝えるには限界があります。製品の良さを知ってもらう一番の方法は、消費者に実際に使ってもらうことです。「サンプリング」は試供品を試してもらうことで、身をもって製品の良さを知ってもらうことができます。
3:改善点や問題点が分かる
「サンプリング」をすることで、実際に使ってみた感想を消費者から聞くことができます。それによって、更に製品を開発したり、改善したりと発展させることが可能になるのです。
「サンプリング」のデメリット
一方で、「サンプリング」にはデメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのか確認していきましょう。
1:コストがかかってしまう
試供品の準備や試供品を配布するために、人員コストを割かなければならないのが「サンプリング」のデメリットです。また、一度の「サンプリング」で効果を期待することは難しく、長期戦になることも予測しなければなりません。
2:成果にならないこともある
「サンプリング」をする製品とターゲット層が一致しなかった場合、「サンプリング」としての効果が得られない可能性があります。「サンプリング」をしたからといって、必ずしもメリットがあるというわけではないので注意しましょう。
最後に
「サンプリング」はもともと「決められたあるルールに則って、全体の中から一部分を取り出す」という意味で使われていた言葉です。マーケティングにおいては、いかに製品と相性の良いターゲットを絞り込めるかがポイントになってきます。
「サンプリング」を行う際は、事前に製品の特質、製品にあった「サンプリング」の手法とタイミング、場所を考慮するようにしましょう。その結果が企業や製品の知名度向上に繋がります。
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