「プラットフォーム」の意味とは?
IT業界やビジネスシーンのみならず、日常生活でも「プラットフォーム」という単語が使われるようになってきました。駅などの“プラットホーム”と同じ響きですが、どういった意味なのでしょうか? 今回は「プラットフォーム」を取り上げて、その意味や言葉の使い方、関連語などを詳しく解説していきます。
意味
「プラットフォーム」とは「コンピューターを動作させる際の基本的な環境や設定」を意味します。別の言い方をすれば、システムやサービスを稼働させるための“基盤”を指す言葉だと言えるでしょう。主に、IT業界やビジネスシーンで用いられます。
「platform」は、そもそも「(一段高くなった)壇」や「(高い)足場」といった意味を持つ英語です。普段の生活では、「プラットホーム」=「駅の乗降場」として定着しています。
「platform」が持つ「土台、基礎」という意味から派生して、インターネット上で情報処理を行うため土台を「プラットフォーム」と呼ぶようになりました。具体的な「プラットフォーム」の例としては、WindowsやmacOS、LinuxといったOS(オペレーションシステム)が挙げられます。これらは、パソコンにおいてソフトウェアを動かすための「プラットフォーム」です。
「インフラ」との違い
「プラットフォーム」と似た意味を持つ言葉として「インフラ」が挙げられます。「インフラ」は「インフラストラクチャー」の略で、「社会的な経済基盤と生産基盤を形成するものの総称」という意味です。一般的には、道路や下水道、学校、病院などを指します。
どちらも「土台、基盤」というニュアンスで使われる言葉ですが、「インフラ」は「より生活に必要不可欠なもの」という点が強調されています。使用する際には、両者の違いに注意しましょう。
「プラットフォーム」の種類
IT用語としての「プラットフォーム」は、「デジタルプラットフォーム」と呼ばれることも。また、システムやサービスを提供・運営するために不可欠な「デジタルプラットフォーム」は更に3つに分類されます。
1:ソフトウェアの「プラットフォーム」
一般的なソフトウェアは、特定のプラットフォーム(Windows、macOS、Linuxのオペレーティングシステムやハードウェア)向けに作られることが多く、そのためソフトウェアがそのまま「プラットフォーム」と表現されます。
例えば、あるアプリケーションをインストールし、起動させるためには土台となる「プラットフォーム」が必要です。そしてソフトウェアは「プラットフォーム」となる特定のOSに対応してなければなりません。
2:「オンラインプラットフォーム」
「オンラインプラットフォーム」とは、Googleに代表される検索エンジン、Twitter やInstagramといったSNSなどの「Web上で展開されるサービス」を指します。言い方を変えれば“サービスを提供する場”です。Twitter・Facebookや、ブログ・YouTubeなどの「プラットフォーム」は、今や私達の生活に溶け込んでいます。特徴的な点は、自身のアカウントを取得することで誰でも無料で利用できることです。
3:コンテンツの「プラットフォーム」
「App Store」や「Google Play」などに代表されるコンテンツを配信する「プラットフォーム」も存在します。これらは、スマホ用のアプリをダウンロードできる場です。他にも、音楽配信の「iTunes Store」「Google Play Music」などがコンテンツ型プラットフォームだと言えます。
使い⽅を例⽂でチェック
「プラットフォーム」の使い方を例文とともにみていきましょう。
1:「このソフトウェアが動かないのは、プラットフォームが異なるからだ」
一般に、ソフトウェアは特定の「プラットフォーム」向けに作られるため、「プラットフォーム」が異なると動作しません。例えば、Windowsでコンピューターを動作させる場合は「ウィンドウズ・プラットフォーム(ウィンドウズ環境)」が必要となり、異なるOSやMacのアプリケーションソフトを持ってきても使用できません。
2:「おすすめの動画配信プラットフォームを教えてください」
YouTubeを筆頭とした無料の動画配信サイトを「動画配信プラットフォーム」と表現します。また、NetflixやHuluなどは、有料である代わりに大量の動画コンテンツを配信する「プラットフォーム」として人気を博しています。
3:「Facebookはソーシャルプラットフォームの代表的なSNSです」
この文における「プラットフォーム」は「Web上で展開される、様々な情報をまとめて読むことができるサービス」のことです。FacebookやInstagramなどのSNSは、ソーシャルサービス・ソーシャルアプリなどを提供する際に「プラットフォーム」として利用されています。
「プラットフォーム」の関連語
「プラットフォーム」と他の言葉を組み合わせた関連語も多数存在します。ビジネスシーンなどで混乱することがないように、意味を理解していきましょう。
1:「プラットフォーム戦略」
「プラットフォーム戦略」とは、「複数の企業で提携し、顧客へサービスを提供するために取引する場(「プラットフォーム」)を構築すること」です。情報や商品・サービスのやり取りを行う企業やグループと消費者が効率良く取引できる場を作り出します。
例えば、Amazonは、企業や個人の出品者と購入者が自由に取引を出来る場(「プラットフォーム」)を提供していますよね。巨大な「プラットフォーム」を作り出すことで、新規顧客の開拓や顧客の囲い込みなどが可能になるなどのメリットがあります。このデジタル時代に注目を集めるビジネスです。
2:「クロスプラットフォーム」
「クロスプラットフォーム」とは、「異なるプラットフォーム上で、同じ仕様のアプリケーションを動かせるプログラム」を指す言葉です。先述した通り、基本的にソフトウェアは動作させる環境を想定し、iOS、Android、Windows、macOSなどそれぞれに合わせて開発を行います。そのため、「プラットフォーム」が異なると使用できません。
しかし「クロスプラットフォーム」の技術を使えば、異なるOSやデバイスなどで同一のアプリケーションを動かすことが可能です。
最後に
今回は「プラットフォーム」を取り上げ、その意味や分類、関連語などを解説していきました。日常の一部になりつつある「プラットフォーム」を使いこなせば、生活がより便利になります。その第一歩として、まずは言葉の理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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