「チャネル」の意味とは?
ビジネスの場面でもよく使われる「チャネル」という言葉。商品の販売や広告に携わった経験のある方は聞いたことがあるのではないでしょうか。まずは、「チャネル」の意味や由来を解説していきます。
意味
「チャネル」とは、英語の「channel(チャンネル)」のことで、経路や道筋、ルートという意味。「チャネル」は、さまざまな業界やサービスにおいて使われ、テレビやラジオにおいては「周波数・放送局」、マーケティングにおいては「集客経路」、FXにおいては「分析手法」のことをあらわす言葉です。最近では、マイクロソフト社のチャット・ビデオ会議ツール「Microsoft Teams」においても、メンバーとのチャットをする場所として、「チャネル」という言葉が使われています。
由来
すでに説明しましたが、「チャネル」の由来は、英語の「channel(チャンネル)」です。「channel(チャンネル)」は、もともとは水路や運河をあらわす言葉でした。それが、時代とともに派生していき、現在ではテレビやラジオの周波数のことを「チャンネル」、データや情報を伝える経路のことを「チャネル」などと言うようになりました。
「チャネル」と「チャンネル」の違い
「チャネル」と「チャンネル」は、両方とも英語の「channel」のことをさすので意味の違いはありません。しかし、シーンによってどちらを使うかが異なり、ビジネスシーンやマーケティングの分野では、「チャネル」、テレビやラジオなどの放送関連においては「チャンネル」と言うのが一般的です。
マーケティング用語の「チャネル」とは?
マーケティングにおける「チャネル」とは、お客さんを集めるための媒体や経路のこと。商品やサービスが消費者に届くまでの間に関わる、組織や媒体すべてを指し、マーケティングのおける「チャネル」は、主に「販売チャネル」「流通チャネル」「コミュニケーション・チャネル」の3つに分けられます。続いて、この3つについて詳しく解説していきましょう。
「販売チャネル」とは
「販売チャネル」とは、商品やサービスを販売する場所や、販売方法のこと。消費者が実際に商品やサービスを購入できる場所と考えるとわかりやすいでしょう。例としては、実店舗や、オンライン上で購入できるECサイト、テレビショッピングなどがあげられます。最近では、Instagramなどでも商品を購入できるようになったため、SNSも「販売チャネル」のひとつといえるでしょう。
・「販売チャネル」の例:実店舗、ECサイトなど
近年は、「オムニチャネル」という手法にも注目が集まっています。「オムニチャネル」とは、複数の「販売チャネル」を用意し、これらを連携させるアプローチ法のこと。
具体的には、ECサイトで買った商品を、実店舗で受け取れるようにする、実店舗で在庫切れの商品をオンラインで購入できるようにするなどです。消費者が「買いたい」と思ったタイミングを逃さないよう、複数の「チャネル」を用意しておくことで、売り上げアップはもちろん、消費者の満足度アップにもつながります。
「流通チャネル」とは
「流通チャネル」とは、商品を消費者に届けるための手段のこと。商品を配送するための流通業者のほか、生産者から商品を仕入れて小売業者に売る卸売業者、それを直接、消費者に売る小売業者も「流通チャネル」です。
「流通チャネル」は、商品が消費者に届くまでの“長さ”においても3段階に分けられ、直接販売のことを「0段階チャネル」、小売業者を挟む場合を「1段階チャネル」、卸売業者と小売業者を挟む場合を「2段階チャネル」、卸売業者、二次卸売業者、小売業者を挟む場合を「3段階チャネル」と言います。
・「流通チャネル」の例:卸売、小売、物流など
「コミュニケーション・チャネル」とは
「コミュニケーション・チャネル」とは、企業と消費者がコミュニケーションを行う場所や方法のこと。電話などの直接的なやりとりはもちろん、広告などの間接的なものも、「コミュニケーション・チャネル」にあてはまります。
・「コミュニケーション・チャネル」の例:テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、チラシ、屋外広告(看板や広告塔など)、インターネット広告、メルマガ、SNS(Instagram、Twitter、Facebookなど)、YouTube、イベントなど
「チャネル戦略」とは? 意味と注意点
マーケティングには、「チャネル戦略」という言葉もあります。これは、マーケーティングミックス※の代表的な考え方である4P(「製品:Product」「価格:Price」「流通:Place」「プロモーション:Promotion」)のうちの、「流通:Place」」のこと。どのようなルートを通り、どのような場所で売るのかなど、商品が消費者のもとに届くまでの間において、最適な流通を考えるものです。
※マーケティングミックス:消費者の理想的な購買行動を叶えるために、さまざまな考え方や手法を組みわせること。
「チャネル戦略」の注意点としては、ターゲットに合った「チャネル」を選ぶこと。ターゲットによってライフスタイルや使用しているツールが異なるため、ただやみくもに「チャネル」を増やすだけでは、効果は得られにくいでしょう。そのため、まずはターゲットを明確にし、そのターゲットの消費行動を探る必要があります。
たとえば、10代・20代がターゲットであれば、紙媒体よりはWeb、さらに言うと、InstagramなどのSNSを使用したほうが効果を得られやすいでしょう。もし50代や60代であれば、テレビや新聞などを用いるほうがターゲットに合っているといえます。
FXで使われる「チャネル」とは?
外国為替証拠金取引である「FX」においても、「チャネルライン」という言葉が使われています。「チャネルライン」とは、相場の変動を予想するための分析方法のひとつ。一定期間において、高値と高値、もしくは安値と安値を線で結び、その線と並行して、高値もしくは安値の線を引きます。この並行して描いた2本の線のことを「チャネルライン」と呼ぶのです。
「チャネル」の類語や言い換え表現はある?
「チャネル」を言い換える場合は、もとの意味である「経路」「手段」「手法」「ルート」「道筋」「媒体」などを使うといいでしょう。そのほか、マーケティングにおける「販売チャネル」や「コミュニケーション・チャネル」は、「接点」も類語として使えます。
最後に
テレビなどの通信業界のみならず、IT業界、FXなど、さまざまな場面で使われる「チャネル」。現在は特に、マーケティングの世界で使われることが多い言葉です。ビジネスの場面で恥ずかしい思いをしないためにも、これを機会に、しっかりと意味を覚えておきましょう。
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