働く女性の約半数が、PMSに関する企業の対策を求めている
近年、女性の社会進出と活躍が期待され、政府による法整備や企業における制度改革が進んでいます。しかし、女性の活躍を妨げる要因はまだまだ多くあり、特に女性ならではの健康問題は多くの女性を悩ませています。そのひとつが「PMS」と呼ばれる「月経前症候群」。個人差があるものの、月経(生理)前の約3〜10日の間で、様々な精神的・身体的症状をもたらします。
そこで、長年にわたり女性活躍推進に取り組む大塚製薬が、全国の働く女性を対象にPMSに関する意識を調査。PMS症状を有する女性が抱える、PMSとキャリアの実態、社会全体が取り組むべき課題などを紹介します。
退職検討、昇進辞退… PMSと女性のキャリアに関する実態
◆PMS症状が重い人ほど相談できずに抱え込んでしまう傾向が
PMSは、症状が重い人ほど周りに相談できず抱え込んでしまう傾向が。実際に、症状が重い人のうち約6割が「PMSについて自分で対処しなければならない」と回答。
また「会社では誰にも相談できない/相談したくない」という質問には、症状が軽い人の約4割があてはまると回答したのに対し、症状が重い人は約6割もの人があてはまると回答し半数を超えました。
さらに「PMSが仕事に支障をきたしたり影響があってはならないと思うか?」「会社内での立場(責任)が上がれば上がるほどPMSの相談ができなくなると思うか?」という質問に対し、症状が軽い人よりも重い人の方が「あてはまる」と回答した割合が多いという結果に。
これらのデータから、PMS症状が重い人ほど相談ができず、抱え込んでしまう傾向があるということが分かります。
◆PMS症状が重い人のうち、2人に1人以上が退職を経験・検討
PMS症状による影響で、会社を退職したことがある・退職を検討したことがあるかどうかについて聞いたところ、このような結果に。
症状が重い人は「仕事を辞めたことがある」が4.8%、「仕事を辞めようか悩んだことがある」が33.9%、合わせて38.7%という割合に。症状が軽い人と比較して、症状が重い人のキャリアにPMS症状が与えている影響の大きさが伺えます。
さらに管理職に登用される機会があった女性のうち半数の人が、「PMS症状が重く仕事を辞めようと悩んだことがある」「PMS症状が重く仕事を辞めたことがある」と回答しており、2人に1人以上は退職を意識していることが分かりました。
◆PMS症状は管理職への昇進辞退に影響
過去に昇進の機会があった人を対象にした「PMSの症状は昇進を引き受けることに影響したか?」という質問では、昇進を辞退したことがあるが11.6%、昇進を辞退するか悩んだことがあるが28.9%、計40.5%が影響したと回答。
中でもPMS症状が重い人は、昇進を辞退したことがあったり、昇進を辞退するか悩んだことがある人が半数以上という結果になり、PMSの症状の重さが管理職への昇進により影響を与えていることが分かりました。
◆企業側のPMS対策を求めている人は半数を大きく超える
近年、社会における女性の活躍に期待が高まり、政府による法整備や企業内の制度改革が進められてきました。しかし2003年に政府により定められた「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度に」という目標は未達に終わり、「可能な限り2020年代の早期に30%程度」と目標時期が再設定。女性の管理職昇進を阻む要因は様々ですが、PMSのような女性ならではの健康問題は少なからずそのひとつであり、各企業・社会全体でサポートしていく必要があります。
実際に、今回の調査では働く女性の約半数が企業に対して「PMS対策に取り組むべきである」と感じていることが分かっており、特にPMS症状の自覚がありが症状が重い人は、61.5%もの人が企業へ対策を求めています。
大塚製薬が提案する新・セルフケアとは?
PMSとうまくつきあっていくには、自分の身体・症状をしっかり理解し、セルフケアを行うことが大切です。とはいっても、「そもそもセルフケアって何?」と感じる人も多いのではないでしょうか。そこで大塚製薬が提案する「新・セルフケア」を紹介します。
◆一般的なセルフケア
食生活・運動・サプリメント利用、症状について正しい知識の習得など
◆大塚製薬が提案する「新・セルフケア」
一般的なセルフケアに加えて、医療機関を利用し、自身の健康状態を理解して対処する
「かかりつけ医」「婦人科健診/検診」は一般的にはセルフケアとは認識されていませんが、とても重要な要素。「新・セルフケア」を行っている人は、現在の生活に対する満足度が高いことが過去の調査からも判明しています。また、職場・家庭でのパフォーマンスが安定しているという結果も。特にPMSなどの女性特有の健康課題に関しては、自身のカラダに関心を持ち、その状態を正しく把握することが大切です。
* * *
普段カラダのことは気にしてケアしつつも、深く見直す機会を持つことはなかなか難しいですよね。女性について考えるきっかけが多い3月に、改めて自分のカラダや女性特有の悩みについて学んでみると、より自分に合った対策方法ややるべきことが見えてくるかもしれませんね。
【PMSについてもっと知りたい人はこちら】
▶︎PMSの悩みを持つ女性たちをサポート:PMSラボ
▶︎自分自身のPMS度合いをチェック:PMSチェック
【調査概要】
調査目的:女性の健康と仕事への影響に関する調査
調査手法:インターネット調査
調査対象:20歳〜44歳女性
人数:2,501人(正規雇用の会社員/公務員)
調査期間:2021年9月1日〜9月6日
年齢×PMS症状の自覚有無×症状程度×管理職登用機会有無で割付
TOP画像/(c)Shutterstock.com