隠語や謎が隠されている文を何という?
インスタグラムの投稿文で、頭文字だけ縦に読むと別のメッセージが読み取れるなど、隠語や謎が隠されている文を解読できたら、ちょっと得した気持ちにもなりますよね。
隠語や謎が隠されていることばの並び方は、古くから日本で親しまれています。「だらしない」のダラシは、シダラ(事の成り行き。好ましくない状態や行い)を逆さにしたもの、昭和40年製作の高倉健さん主演の東映映画『網走番外地』の主題歌では、酒のことを「キス」(「好き」を逆さにしたもの)というなど、あえて本来のことばを逆に読むことばも見受けられます。
さて、こういったことばの並びかたを、漢字2文字でなんというでしょうか?
【問題】
「だらしない」のダラシは「シダラ(事の成り行き。好ましくない状態や行い)」を逆さにしたものなど、ことばを逆から読むことを2文字で表すとしたら何?
1. 倒語
2. 怪語
答えは?
1. 倒語
式亭三馬が文化十年(1813)刊の『浮世床』(初上)に、
しだらがないといふ事を「だらし」がない、「きせる」を「せるき」など言ふたぐひ、下俗の方言也。
と書いているように、「だらしない」のダラシは、シダラ(事の成り行き。好ましくない状態や行い)の倒語です。シダラは江戸前期から用例が見られますが、ダラシは、『浮世床』あたりが最古の例です。今日では、倒語のダラシのほうが普通になっています。
別の語をさかさにしたので、倒語であることが分かりにくいものもあります。
昭和四十年製作の高倉健主演の東映映画『網走番外地』の主題歌では、酒のことをキスと言っています。「好き」の倒語です。酒はだれもが好きなのでしょう。延享二年(1745)初演の浄瑠璃『夏祭浪花鑑』(一)の、「仲直りにしたみ(したたって溜まった酒)貰うてキスほやかう(飲もう)」など、江戸中期から見られます。
タバコをモクと言うのは、かつては煙がモクモク出るからと思っていましたが、雲の倒語であるそうです。煙を雲に見立てたのです。式亭三馬の洒落本『潮来婦誌』に「時にモクがかまらねえ(無い)」とあります。
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