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2022.02.10

「一意」とは? 正しい使い方や、「一意専心」の意味についても解説

「一意」という言葉の意味をご存知でしょうか? あまり聞き覚えのない言葉ですが、夢や目標に向かって努力したときなどに用いることができます。本記事では、そんな「一意」の意味や、使い方、座右の銘にも選ばれる「一意専心」の意味などを解説していきます。

【目次】
「一意」とは?
四文字熟語の「一意専心」の意味とは
「一意」の類語にはどのようなものがある?
「一意」の使い方を例文でチェック
最後に

「一意」とは?

(c)Shutterstock.com

「一意」は、「いちい」と読みます。意味は「一つの考え。また、考えが同じであること」「一つの物事に心を集中すること」です。「一意」の「意」は、「心に思うこと。考え」という意味。また、仏語でもあり、「あれこれと思いを巡らせている心の働き」を表す言葉です。

このことから「一意」とは、「あれこれといろんなことに目を向けず、ただひとつのことに的を絞ること」というような意味合いを持つ言葉といえるでしょう。

四字熟語の「一意専心」の意味とは

「一意」を使った四字熟語に「一意専心(いちいせんしん)」があります。こちらは「わき目もふらず、心を一つのことだけに注ぐこと」という意味です。ほぼ「一意」の意味と同じですね。

「専心」も「心を一つのことに集中すること」という意味なので、同じ意味の熟語を組み合わせた言葉であるといえるでしょう。周囲に惑わされず、一つのことに向かって努力するといった意味合いから、ビジネスや学業の座右の銘として選ばれます。

「一意」の類語にはどのようなものがある?

「一意」には、複数の意味があるため、それぞれの意味にあった類語があります。日常生活で使うにはやや硬い表現でもあるので、別の言い方を覚えておくといざというとき役立ちますよ。

(c)Shutterstock.com

1:一案

「一案(いちあん)」とは、「多くの中の、一つの考え」または「他とは別の、もう一つの考え」を指します。「一意」の「一つの考え」という意味とよく似ていますね。

「一意」には、ただひとつこれと決めたものというようなニュアンスがありますが、「一案」は、多くの選択肢の中のひとつといった意味合いが強い言葉です。たいていは、他人が迷っている時に「これは単なる一案ですが…」と控えめに解決策を提案するときに使います。

2:同腹

あまり馴染みのない言葉ですが、「同腹(どうふく)」も類語にあたります。「同腹」は、「同じ母から生まれたこと」「心を同じくすること。また、その人」という意味です。2つ目の意味が「一意」と似ていますね。

「一意」には、友達や会社仲間と意見が一致する意味合いがありますが、「同腹」は、志や運命を共にするというような、より深いつながりを持つ相手に対して使われる言葉です。

3:一所懸命

「一所懸命」も、「一意」の類語です。「一所懸命」とは「命がけで物事をすること」です。元々は中世の時代に、武士が領主からもらった領地を、命がけで守ったことからこの言葉が生まれました。「一所」は「1カ所」のことです。ひとつのことに必死になって取り組むさまが「一意」と共通していますね。

のちに「一所懸命」は、発音が似ていることから「一生」とも書かれるようになり、「一生懸命」の四字熟語ができたといわれています。

4:遮二無二

「遮二無二(しゃにむに)」は、「ほかの事を考えず、ただひたすら行うこと」です。とにかくがむしゃらに、夢や目標に向かって頑張っている時に使われますね。受験勉強や締め切りに追われてとにかく夢中に頑張った経験がある人もいるのではないでしょうか? このように時間を忘れて、半ば強引に物事を進める姿には「遮二無二」という表現がピタリとあてはまりそうです。

5:無二無三

「無二無三(むにむさん)」とは、元々『法華経』に由来のある仏語で、「仏になる道は一乗だけで、他に道はない」ということが本来の意味でした。それが転じて現在では「ただ一つしかないこと。唯一のもの」「わき目をふらず一途になること」という意味で使われるようになったのです。一途にひとつのことに取り組む様子は、いずれの意味にも共通していますね。

「一意」の使い方を例文でチェック

「一意」は、「一意に励む」あるいは「一意的」といった使い方をします。ひとつの考えや、目標に向かって努力するという意味合いで使われることが多いですが、それ以外にやや難解な意味合いも。ここでは「一意」の様々な使い方を、例文をあげて解説しましょう。

(c)Shutterstock.com

1:一意に学業に励んだ結果、弟は志望校に合格した。

「一意に励む」は、仕事や受験勉強で使いやすい表現ではないでしょうか? ひたすら学問に集中して努力してきたことが伝わってきますね。類語の「一生懸命」や「遮二無二」も同じように使うことができるので、場面によって使い分けてみましょう。

2:そのデータは正確にプログラミングされていることから、値が一意的に定まった。

「一意」には、「一意的」という表現もあります。「一意的」とは、「意味や値などが一つに確定しているさま」です。主に、数学の世界やコンピュータの専門知識を要する場面で用いられる言葉です。

3:ユニーク(一意)なユーザー名を設定してくださいと説明された。

ITの分野では、「ユニーク」と「一意」が同義語で使用されています。日常生活で「ユニーク」というと、「風変わりな、個性的な」という意味がありますが、実は「固有の、一意の」という意味も含まれる単語なのです。このことから、例文では「風変わりなユーザー名」を指示しているのではなく、「他のユーザーと重ならない、固有の名前を設定してください」という意味になります。

最後に

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「一意」とは、「一つの考え。また、考えが同じであること」「一つの物事に心を集中すること」です。言葉自体は単純なものですが、普段あまり使われることがないため、ビジネスシーンや書面で読んだ時に意味が理解できないこともあるかもしれません。この機会に、意味と使い方を覚えておくことで、より理解も深まりますよ。

また、同じ意味を持つ言葉として「一所懸命」「遮二無二」「無二無三」なども紹介しました。ひとつのことに集中して取り組んだ時の表現がたくさんあることも日本語の面白さですね。ぜひ、微妙なニュアンスの違いを意識して使ってみましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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