睡眠の質に腸内環境が関わっている? 腸内フローラを整え、深い眠りを手に入れよう
菌ケア専門家であり、総合的な菌ケアサービスを展開する、株式会社KINSの代表取締役・下川穣さんの著書「腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる」が発売中。
書籍内でも取り上げられている腸内環境と睡眠の質の関係について教えていただきました。
前回記事▶︎菌ケアスイーツレシピ
▲『腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる(幻冬舎)』¥1,540(税込)
腸内環境と睡眠の関係性について
仕事が忙しくて睡眠の時間が中々確保できなかったり、寝付きが悪く寝ても疲れがとれず翌日に響いてしまったり…。そうしたお悩みを解決するには、睡眠の質がポイントです。
質のいい睡眠をとるために、実は腸内環境と関わりがあるということをご存じでしょうか? そのカギを握っているのが「メラトニン」と呼ばれるホルモン。
睡眠へと誘う「眠気」というのはそもそも、このホルモンが分泌されることによって起きます。つまり、メラトニンをたくさん作ること。それが睡眠の質を上げるために重要になってくるのですが、このホルモンの材料となるアミノ酸は体内で作ることはできません。日々の食事から取り入れなければならないのです。
今出てきたアミノ酸は、「トリプトファン」と呼ばれる、必須アミノ酸の一種。そして、このトリプトファンの生成には腸内細菌が必要不可欠で、食事から取り入れられたタンパク質を腸内に住む細菌が分解してくれることによって、トリプトファンは作られます。
現在では、豊かな腸内フローラほどメラトニンを作る能力が優れていることが明らかになっていて、乳酸菌を摂取して腸内フローラを改善することで、それに伴いメラトニンの生成量が増え、睡眠の質が向上することがわかっています。
より深い眠りをサポートする成分
睡眠の質を上げるためにはメラトニンの生成量を上げることが重要。そして必要な要素が「乳酸菌」と「タンパク質」。この2つを取り入れることによって、高い睡眠の質を得ることになるのです。
◆乳酸菌
乳酸菌はヨーグルトや漬物のような発酵食品やサプリから摂取可能です。乳酸菌を摂取するときのコツは、なるべく多くの乳酸菌を摂取すること。毎日違った発酵食品を食べてみるのもいいかもしれません。
乳酸菌は腸内フローラを善玉菌優勢に整えてくれるのが特徴。これにより便通や良好な肌状態の維持など私たちにとって嬉しい効果をたくさんもたらしてくれます。
◆タンパク質
タンパク質は三大栄養素の1つ。肉や魚、大豆に多く含まれています。タンパク質が摂取できればなんでも良いという訳ではなく、KINSは魚や大豆からのタンパク質の摂取をおすすめしています。
なぜなら、肉に比べて、魚や大豆は腸内フローラを整える効果をもたらしてくれる成分が豊富に含まれているから。例えば、魚にはオメガ3脂肪酸という外部から取り入れた乳酸菌の定着を促進してくれる成分が豊富に含まれています。
つまり、魚や大豆はメラトニンの材料となるだけでなく、メラトニンが生成されやすい環境を作ってくれるということ。
◆睡眠の質と体内時計
腸内フローラ以外にも、メラトニンの生成には体内時計が大きく関わってきます。スムーズな生活習慣を最後にいくつかピックアップしてみました。
・普段から規則正しい生活を心がけ、太陽の日差しを浴びるようにする。
・入眠前にお風呂に入ることで、体を温めリラックスする。
・眠りにつく30分前はスマホ画面など強い光を発するのを見ないようにする。
睡眠の質を上げたい場合には、乳酸菌の摂取と同時にこれらの生活習慣の改善もおこなってみてください。
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教えてくれたのは… 菌ケア専門家 下川穣
1985年4月1日生まれ 福岡県北九州市小倉出身。
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。3年のクリニック経営を中心に、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導を行っている。医療法人時代に、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌ケアによる根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。現在、代表取締役を務める。
Instagram:@yutaka411985/@yourkins_official